ソフトマテリアルにイワシ油!? DAIWAアジングルアー「月下美人」シリーズの新作ハウツーを渡邉長士さんが徹底解説!



DAIWAのライトゲームシリーズ「月下美人」。数々の名作を輩出してきた同ブランドに、新たなアイテムが追加されました。『シラスビーム2.8in』と『アジングビームFAT1.5in』。アジングゲームの幅が広がる両アイテムの使いこなし方法を、アジングエキスパートの渡邉長士さんが徹底解説!

【Profile】

渡邉長士(わたなべ・たけし)

千葉の房総半島を中心に活躍するマルチアングラー。アジングやメバル釣りなどに精通するライトゲーマーとしての実績も高い。総合釣り具メーカーのDAIWAでは、主に月下美人ブランドを担当するテスターをつとめている。

【月下美人 シラスビーム2.8in】長さを活かしたライブリーアクションでアジを誘う!

月下美人史上、最もソフトなマテリアルを使用した意味

月下美人 シラスビーム2.8in(イカゴロブラック)

シラスビームは2.0inモデルが2020年の秋にすでにリリースされていて、ライトゲーマーから高い評価を得ています。それよりも0.8in長いのが、新しくリリースされるシラスビーム2.8inです。0.8inの差ですが、実際に見るとアジング用のワームとしては「おっ、長いな!」という印象。

渡邉「2.0inモデルと太さは変わらず、長さのみ0.8in長く設計されています。このワームに使用されているのは、月下美人史上、最もソフトなマテリアルなんです。だから、その長さと相まって、水中でライブリーなアクションを演出することができるんです。また、アジ特有の吸い込みバイトに対しても柔軟に折れ曲がってくれるので、口の中にスムーズに入ってフッキング率を高めてくれます」

シラスビーム2.8inでキャッチしたアジ。ワーム中心部の白っぽい部分が、イワシ油を充填したコア。

シラスビーム2.8in VS シラスビーム2.0in 水中アクション比較!

渡邉さんの言葉を確かめるべく、水中での動きを撮影させてもらいチェックしてみると…。ロッドでは特にアクションを付けないストレートリトリーブでも、ちょっとした水流の変化やロッドからの入力の変化に敏感に反応し、ウネウネと生き物のようなアクションをするではないですか! こ、これは釣れそう…。

ちなみに、以下のDAIWAのWEBサイト内で、シラスビーム2.0inの水中アクション動画もみられるので、比べて見て下さい。長さの違いがアクションにしっかりとあらわれていることが確認できます。シラスビーム2.0inは、ライブリーな中にもキビキビとした、メリハリのあるアクション。一方、2.8inはクネクネ、フワフワで生物のような滑らかなアクション。どちらが良いというよりは、使い分けでパターンを探るのに適している印象ですね。

実釣取材中、シラスビーム2.8inが大活躍!

渡邉「ジグヘッド単体で使用しても効果的ですし、あとはフロートリグやキャロといったリグでの使用もおススメですね。長いのは長いんでそれなりに存在感はあるんですが、ボディシルエットはスリムなんで、アジも迷わずバイトしやすいと思いますよ。あと、ボディのコア素材にはイワシ油が“高濃度”に配合されているので、高い集魚効果も期待できます」

月下美人史上、最もソフトなマテリアルの使用で、アジの吸い込みバイトにも柔軟に対応。口の中への納まりも良い。

実釣取材時、このシラスビーム2.8inでガンガン釣果を上げてくれた渡邉さん。このワームを主軸にすると言うよりも、2.0inモデルなどとの使い分けで、これまで取りこぼしていたアジすらも釣り切る、攻めの幅を広げられる存在として、可能性を感じさせるモデルです。

【月下美人 アジングビームFAT1.5in】しっかりと水を掴むファット&コンパクトボディ!

オリジナルのアジングビーム2.0inを短く、太く!

月下美人 アジングビームFAT1.5in。

アジングビームにはすでに、オリジナルモデルとしてアジングビーム2inが存在しています。それを0.5in短くし、さらにボディをファットにしたのがこのアジングビームFAT1.5inとなります。

渡邉「ファットですが長さはコンパクトなので、アミを偏食しているような状況でもシルエット的に使いやすいと思います。ちなみに、ボディのコア部分には高濃度に凝縮された集魚成分(エビ粉)が配合されているので、味とニオイでもアジにしっかりとアピールできますよ」

ボディの太さの違いは一目瞭然。アジングビームFAT1.5inの深いリブは、いかにも潮を掴んでくれそう。

アジングの大敵の「風」にも強い!

アジングビームFATの特徴は、ひと目でわかるそのボリューム感のあるボディ。視覚的な存在感に目が行きがちですが、ファット化の主眼は別のところにあるようです。

アジングビームFAT1.5inでキャッチ! 風の中でも踏ん張りが効いて、操作がしやすい。

渡邉「もちろん、視覚的なボリューム感のアップという側面もあるんですが、使ってみてすぐに実感できるのは、その潮を掴む能力の高さです。今回、実釣時には風が吹いていて、ライトなリグを使用するアジングではかなりやりにくい状況でした。でも、アジングビームファットなら、しっかりと水を掴んで踏ん張ってくれるので、一段軽いジグヘッドが使えるんです。これは、スリムなワームにはない大きなアドバンテージでしょう」

ドリフトの釣りやスローフォールで誘いたい場合にも有効

水の掴みが良いワームというのは、活用の幅が非常に広いんです。その実例を、さらに詳しく解説して頂きました。

渡邉「あとは、潮流に乗せて流すドリフトの釣りも、このワームが得意とするところです。ボディがファットなのと、あとはリブも深く設定されているので、緩い潮流にも乗せやすい。あとは、フォールスピードを落としたいような場合でも活躍してくれると思います。整理すると、水の掴みが良いアジングビームFATは“風のあるとき”“潮流の乗せてドリフトさせたいとき”“スローフォールで誘いたいとき”に有効だということです」

写真のように潮流が発生する場所でのドリフトの釣りでも、アジングビームFAT1.5inは威力を発揮。


本記事のまとめ

月下美人シリーズのラインナップに新たに加わった“シラスビーム2.8in”と“アジングビームFAT1.5in”。前者は、水中でフワフワ、クネクネ、ウネウネとライブリーなアクションでアジのバイトを誘います。スリムでツルッとしたボディシェイプは、まさにシラス。月下美人史上、最もソフトなマテリアルを採用しており、アジの吸い込みバイトにも対応。

後者は、1.5inとコンパクトなサイズ感でありながら、ファットなボディと深いリブで水をしっかりと掴んでくれます。そのため、アジングの大敵である“風”が吹いている状況でも、しっかりと踏ん張ってくれて姿勢をキープしやすいんです。さらに、潮流に乗せて流していくドリフトの釣りも得意ですし、スローフォールでじっくりと誘うような展開にも対応できます。

新たにリリースとなった、対極的なキャラクターを持つ2つのワーム。渡邉さんによるデモンストレーション実釣でも、その威力を遺憾なく発揮していました。使いこなせば、攻略の幅が広がること請け合いの新製品です。

月下美人 シラスビーム2.8in&アジングビームFAT1.5in、どちらも渡部さんのルアーボックススタメン入り確実!?

ルアーマガジンソルトに詳細記事を掲載!

ルアーマガジンソルト2021年8月号(6/21発売)には、渡邉長士さんによる、山形県・酒田周辺でのアジング実釣記事が掲載されています! ここでは書ききれなかった内容も満載なので、是非、チェックしてみてください!

https://plus.luremaga.jp/publish/luremagazine-salt_202108/

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