『陸王』の実戦を終えて、たたかいを振り返る『ザ・対談』。今回の対談は初日終了時と2日目終了時の内容を2つに分けて収録。江口さんはトーナメンター、金森さんは岸釣りアングラーとスタンスは違うが、バス釣りに対する考えは、意外と共通点が多かったようだ。

※本稿は『ルアーマガジン2008年10月号』掲載記事を基に再構成しています。
※本記事公開時点と現在とは事実関係等について一部異なるものがありますが、誌面掲載当時の内容を優先しています。

陸王2008 AUTUMN STAGE PART.4 INDEX



画像1: 陸王名勝負列伝!【陸王2008 AUTUMN STAGE PART.4 江口俊介 vs 金森隆志 紀ノ川水系[ザ・対談]】
画像2: 陸王名勝負列伝!【陸王2008 AUTUMN STAGE PART.4 江口俊介 vs 金森隆志 紀ノ川水系[ザ・対談]】

【初日】「俺も年に1回あるかないかですよ。ラインブレイクするのって(江口)」

朝イチの魚はサイズに関係なく取り込んでおきたい

編集部:初日お疲れ様でした。お互い紀ノ川は初ということでしたが……。

江口:和歌山ってだけで、かなり釣れるんじゃないかなと思ってたんですけどね。

金森:紀ノ川って超メジャーだよ、関西では。俺のイメージではクセの悪い川。対戦前日に初めて川を見て回った時に、的が絞りにくいなと。ダラっと浅い感じで、絞り込みがきかない。ベイトフィッシュも危機感がなくダラダラ泳いでる。ショアラインのいいところには全部コイが陣取ってる。バスってどこにいるの?みたいな。

江口:釣り場までの道も分かりづらいしね。

編集部:それにしても、金森さんがあんなに丁寧な釣りをするとは思わなかったです。

金森:スタイルはダイナミックだけど、1ヶ所ですごく丁寧に攻める。これはどこで取材しても一緒なんですよ。野池も川も天然湖でも同じです。

江口:しかし、1ヶ所4時間ってなげーなー。

金森:いやいや、全然短いって。知ってる釣り場ならもっともっと粘るよ。俊介が不利だと思ったのは、ふだん船の上で釣りをしてるってことかな。逆に俺は競う釣りを知らないから、そこが不利になるんじゃないかと。ルアマガに初めて出られたことだし、いつものオカッパリの釣りを精一杯やるしかないなと思ってました。あと今日は、晴れたら俊介が釣ってくると思ってたんですよ。晴れてて魚が1ヶ所に固まって、しかもタフ。だったら俊介の釣りかなと。

江口:だけどボートじゃないから、あそこだって思っても入れないし。結構ストレスだったな。そういう意味では最後の1尾に救われた。あれでつかんだよ。

金森:俺はラスト何時間かで、リズムが完璧に狂った。ロクマルをバラしたのが痛かったな。バラシに関しては今までの中で最低レベルです。

江口:俺も年に1回あるかないかですよ、ラインブレイクするのって。正直、朝イチにバラして本当に終わったと思った。朝イチにミスると、あと引いちゃうんだよな。

金森:そうだよね。朝イチの魚は大小かまわずキャッチしたい。きちんと思い描いたフッキングをして、ちゃんと魚を取り込めれば落ち着ける。

江口:取材でも試合でも、それはあるよね。

金森:魚が20cmでも50cmでも、バレちゃうのがこわい。あとのフッキングに影響しちゃうんだよな。スピニングでいうと、ドラグをきっちり設定したつもりなんだけど、プチって切れちゃうと、次はフッキングが弱くなってバレたり。迷いって怖いよね。

画像: おそらく紀ノ川レコード、ともいえるロクマルを痛恨のバラシ。この一件でミスが続出した。

おそらく紀ノ川レコード、ともいえるロクマルを痛恨のバラシ。この一件でミスが続出した。

編集部:金森さんはいつもより細いラインを使ってたんですか?

金森:やっぱりタフな勝負になると思ってたんで、いつも4だけど初日は3とか3.5lbにしてました。それに合わせたセッティングにしたつもりなんだけど、切られちゃいましたね。

江口:2500g差ってでかいなー。

金森:まだ分かんないよ。俊介は最後に手ごたえをつかんだけど、俺は完全にリズムを崩しちゃったからね。ロクマルをバラした後は、3尾ぐらい連続でミスってるし。2日目にかなり影響すると思うんだよね……。

画像: ダウンショットリグに食ってきた二ゴイ。激しいファイトに一瞬期待したのだが……。

ダウンショットリグに食ってきた二ゴイ。激しいファイトに一瞬期待したのだが……。



【2日目】「俊介と同じ土俵でやれば釣り負ける。だから、非常識な釣りをやってみたんですよ(金森)」

「あの釣りを、見つけていなかったら、きっと僅差勝負だったと思う」

画像: 「あの釣りを、見つけていなかったら、きっと僅差勝負だったと思う」

編集部:2人ともお疲れ様です。結果は金森さんが2日トータル、11560g。江口さんが4900g。勝者は金森さんでした。おめでとうございます。

江口:いやあ、完敗。完敗でした。正直、本当に悔しいですけど大差で負けて逆に良かった。岸釣りプロっているんだな、すげーよ。

金森:いやいや。

編集部:結果的には、約2倍差のウエイトになってしまいましたね。では、2日間の紀ノ川での釣り方を教えていただけますか?

江口:じゃあ、僕から。まず、基本的に入れそうなところから攻めていこうと。夏なので、流れのあるところという基本線は外さないように場所を選んで行きましたね。ただ、朝一番とかは下流の橋脚とかの大場所にはサカナが入ると思ったので意識していこうと思っていました。

あと、クリークとかは初めての場所だけに状況が見えなかったので。どれだけサカナが入っているかとかわからなくて、ちょっと怖かったので最初はずしましたね。そこで、本流のみに焦点をあわせましたね。

編集部:前日最後に攻略の糸口を掴んだようでしたが?

江口:ゲーリー・シュリンプのテキサス(笑)。

金森:え?テキサス?テキサスで釣ったの??

江口:最初はフィネス中心の釣りで組み立ててた。でも、見えてるサカナとかは、食い気がなくて、ベイトとかも緊張感がない。これは、もう、やる気のあるサカナに焦点を合わせていくしかないなと。

で、緊張感のないオイカワとかのベイトに合わせた釣りじゃなくて、ハゼとかそっち系のベイトを意識したアプローチに変えて、瀬の脇のブッシュに打ち込んでいったら出たんだよね。完全にフィーディング・スポットを狙った釣り。

2日目も同じ釣り。エサを食いに来ているバス狙い。朝一にたて続けに釣れてたから、いけるかなと思ったんだけど。そのあと、同じような場所に入ろうと思ってもなかなかたどり着けなくて(笑)。ヤブ漕ぎしまくった。ちょっとプチ遭難気味なぐらいに。そのあとは、まあダメでした。途中から日が差して来て、シェードもなくなってきて……。

編集部:たしかに、入る場所がわかりづらかったですよね。さて、金森さんはどんな釣りをされたんですか?

金森:えっと、ポイント選びという点では、僕が重視したのは地形です。バスをストックできる地形はどこかなと。いわゆるメジャースポットと言われる場所はスレてはいますけど、サカナはストックされているはず。それは地形がよかったり、ベイトの数が多かったり、いろいろな要素が絡んでいるからで。で、最初に入ったのが川辺橋の下なんです。

江口:そうそう、2日目、俺も川辺橋下入ろうと思ったら、カナモ既に先に入ってるし。あー、あそこは鉄板だな~と。

金森:メジャースポットらしいんですが、出たらサカナがでかいと聞いていたので朝一入ったんです。サカナはいるんですけど、予想以上にスレてて。スモラバとか沈ませると反応が悪くて(笑)。

江口:そうそう、普通のフィネスやってても完全無視みたいな感じ。

金森:だよね(笑)。で、いったん場所を移動して、自分の得意な釣りが成立する場所を見つけて入ったんですけど、サイズのわりにウエイトが伸びなくて。で、やっぱり川辺橋下のスレてるけどでかい見えバスを釣るしかないなって思ったんです。

江口:いやあ、紀ノ川の見えてる難しいやつをやっつけたんだ。すげえなあ。

金森:で、入り直したときは水際までいかずに一段高い場所から、サイトで狙うことにしたんですよ。で、投入したのが8inのトーナメントクローラーをワッキー掛けして表層で誘う釣り。これがハマった。

普段見ないような動きをバスに見せて、見切られにくいサーフェスで動かしてバスを怒らせる……。ほんと、たまたま持っていた引き出しがどんぴしゃハマった。2日目の釣りも同じ。これがなかったら、ダメだったかも。だから、ほんと勝てたのは運がよかったですよ。

江口:あー、俺もでかワームまでは試したんだけど。スワンプクローラーの2連結、やってたでしょ。

編集部:ああ、そういえばやってましたね。

江口:でも、表層、サーフェスとリンクしなかったなあ。なるほどねえ。

画像: 江口も、金森のヒットパターンに近い作戦を考えてはいたが、表層で使うということにリンクせず!

江口も、金森のヒットパターンに近い作戦を考えてはいたが、表層で使うということにリンクせず!

金森:僕、サイトの釣りはどっちかというと苦手なんですが、このストロング・フィネスは最近ハマっててサイトでもよく結果が出てたので。野池でも効くんですよ。いやあ、たまたま見つけられただけだよ。今回は本当に偶然。

江口:岸釣りプロっているんだなあ(笑)。凄いですよ。またやりたいですね。

金森:やりたいね。こんな機会がないと対戦とかしないからね。実は、江口君とは飲み友達なんだけどね。面白かった。

編集部:とにかく、2人ともお疲れ様でした。若い2人、これからの活躍も期待します!

画像: 頭にネイルシンカーを入れるのは、少し片方を水面に入れてより不規則な動きを出すため。

頭にネイルシンカーを入れるのは、少し片方を水面に入れてより不規則な動きを出すため。

【勝利の法則】8inワッキーの表層引きでバスを「怒らせる」

バイオス・トーナメントクローラー8in【メガバス】

画像: バイオス・トーナメントクローラー8in【メガバス】

スレっからしの紀ノ川バスたちを仕留めた一撃必殺のテクニック

でかバス捕獲率がズバ抜けて高かったのがこのリグ。バスの鼻先に落とさず、ある程度距離をおいたり、自分の存在を悟られないようにしゃがんでキャストしたりと、金森さんはアプローチに細心の注意をはらっていたぞ。

表層で小刻みにシェイクが基本的な使い方。「見たことのない細長い物体のクネクネした動きが、闘争本能に火をつけるんでしょうね。ネイルシンカーを入れて頭を振らせるのもキモです」

画像3: 陸王名勝負列伝!【陸王2008 AUTUMN STAGE PART.4 江口俊介 vs 金森隆志 紀ノ川水系[ザ・対談]】

■ロッド:F4-74XS「ジェイドバイソン」(メガバス)
■リール:イグジスト2506(ダイワ精工)
■ライン:リバージ4.5lb(クレハ)
■ルアー:バイオス・トーナメントクローラー(メガバス)+0.5gネイルシンカー+スワッキー#1(モーリス)

全使用タックル【金森隆志】

画像: 全使用タックル【金森隆志】

【① タックル】
■ロッド:F1-69XKS「霧雨」(メガバス)
■リール:イグジスト2004(ダイワ精工)
■ライン:メガバスプロト3lb
■ルアー:ケムケム0.9g(ノイケ)+キャッツキルワーム2.5in(メガバス)

【② タックル】
■ロッド:F4-74XS「ジェイドパイソン」(メガバス)
■リール:イグジスト2506(ダイワ精工)
■ライン:メガバスプロト4.5lb
■ルアー:バイオス・トーナメントクローラー(メガバス)+0.5gネイルシンカー+スワッキー#1(モーリス)

【③ タックル】
■ロッド:F51 / 2-68XH「ディアブロステージII」(メガバス)
■リール:カルカッタコンクエスト101(シマノ)
■ライン:メガバスプロト14lb
■ルアー:ITジャックJr.(メガバス)

【④ タックル】
■ロッド:F7-711X「ヘビーカバーシューティング」(メガバス)
■リール:メタニウムMgレフトハンドル(シマノ)
■ライン:メガバスプロト14lb
■ルアー:TKツイスター(メガバス)+フッキングマスターヘビーワイド4 / O(モーリス)

全使用タックル【江口俊介】

【① タックル】
■ロッド:デュナミス67Lプロト(ジャクソン)
■リール:ルビアス2506(ダイワ精工)
■ライン:GTRFC 4lb(サンヨーナイロン)
■ルアー:エグジグ

【② タックル】
■ロッド:デュナミス510UVS(ジャクソン)
■リール:イグジスト2506(ダイワ精工)
■ライン:GTRFC 4lb(サンヨーナイロン)
■ルアー:シャッド2.8in(ジャッカル)

【③ タックル】
■ロッド:デュナミス72MH(ジャクソン)
■リール:ルビアス2506(ダイワ精工)
■ライン:GTRXチューンPE1.2号+プレミアムフロロハリス2号~1.5号(サンヨーナイロン)
■ルアー:シュリンプ5in(ゲーリーインターナショナル)

【④ タックル】
■ロッド:デュナミス719XHプロト(ジャクソン)
■リール:TDZ103HL(ダイワ精工)
■ライン:GTRXチューンPE3号(サンヨーナイロン)
■ルアー:プロリグスピン(ノリーズ)+スラッゴー(ランカーシティー)

【⑤ タックル】
■ロッド:デュナミス67MH(ジャクソン)
■リール:TD103GLRZ(ダイワ精工)
■ライン:FCスナイパー・フロロ12lb(サンヨーナイロン)
■ルアー:シュリンプ5in(ゲーリーインターナショナル)+5gタングステンシンカー

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