台風15号の傷も癒えぬ状態で、今シーズン最大クラスと言える台風19号が関東直撃がほぼ確実になった現在、最大限の警戒を払うのは、何も徒労ではありません。大げさぐらいに警戒しておき、何事もなかった...と笑い話ですめば万々歳。風や雨の心配が大きくとりあげられていますが、高潮の警戒を忘れずに! その理由について少し書き記してみました。



東京湾の満潮は12日16時31分。そして13日4時29分

画像: 気象庁webより。

気象庁webより。

現在、気象庁のWebサイトを見ると、東京湾の満潮のタイミングが12日は16時31分と、台風19号のピーク時からはずれているように見えます。そして、2度目の満潮のピークが13日4時29分。データを一見すると、どちらも通過時のピークに外れているので、最悪の被害にはならないと考えるのは早計です。一部のマニアな釣り人は意識している「潮位偏差値の変動の原因」を念頭に入れると、油断はできないのです。

画像: 東京湾の満潮は12日16時31分。そして13日4時29分

エクマン輸送効果による潮位変動

まず、エクマン輸送という現象による潮位変化の影響を大きく受けかねません。例えば東京湾の話をしましょう。※効果については後述

単純に考えると、台風の風が東京湾に吹き込むタイミングには水が押し寄せられて、潮位が岸側に押し寄せられる理屈は、理解できると思います。

そして、台風の風の向きは短時間で変わりやすいので、その風の吹き込むタイミングは短時間ではないかと考えてしまうかもしれません。しかし、今回の台風は大型でかつ、速度が遅いためにその時間が長くなることが考えられます。

もうひとつ、冒頭に上げたエクマン輸送効果が続くならば、台風の向きが変わった後も引き続き、湾内に潮が大量に流れ込む可能性を否定できないのです。

エクマン輸送という現象は単純に解説すると、風向きの90度右方向に風による潮流が発生するという現象です(北半球の話です)。つまり、直接的な風の吹き抜けが終了したとしてもこの効果により湾内に潮流が入り込むことにより潮位が長い間、上昇するということは否定できません。

潮位のピーク時以外にも風による潮位上昇の原因があることを忘れずに警戒してくださいというひとつめの根拠です。

画像: エクマン輸送効果による潮位変動


副振動、気圧による潮位変動

そして、警戒すべき副振動という現象についても触れておく必要があるでしょう。長崎県では「あびき」と呼ばれている潮汐変化以外の潮位変動の大きな要因です。こちらもざっくり説明すると様々な気象要因で波長の長い波が海洋で発生し、それが沿岸部に伝わり振動を起こし、その振動が増幅されて潮位変動をもたらす現象です。

すでに、台風によりその潮位変動の要因となりかねない波長の長い波が発生している可能性は否定できません。この潮位変動は非常に馬鹿にできない変化をもたらす一因となっています。

あと、これはよく知られていますが、単純に低気圧によって海水面が上昇することも頭の片隅に入れておく必要があるでしょう。

結論。単純な大潮のピークという天体要因の現象だけにとらわれない。

ほかにも、潮汐だけでない潮位変化の要因というのがいくつかあり、単純に潮汐データだけに囚われて潮位のピークを予測するのは危険であると言えます。海辺の皆様、台風の影響が完全に終わるまで、最大限の警戒を払ってくださいね!




This article is a sponsored article by
''.