釣りに没頭してしまうと、ついつい忘れてしまいがちになるのがアモーレの存在だ。楽しい釣りのひとときを終えて帰ってくると、仁王立ちで目くじらを立てられる・・・なんてこと、世の男性諸君であれば避けては通れない道だろう。
しかし、釣った魚を持ち帰って料理を振る舞ってみたらどうだろうか。怒ると恐いアモーレだって、仏のような優しい笑顔をこちらに向けてくれること間違いナシだ。
今回の魚は、イトヨリダイ。
タイと名前が付いているものの、真鯛とは形も体色も大きく異なる。桜色をした体の側面に黄色い筋状の文様が走り、尾びれの上の部分が糸状に伸びていることからイトヨリという名前がついたそうな。クセのない白身で、嫌みがなく、おもに料理店などで使われる高級魚だ。
材料(2人分)
(1品目)
●イトヨリ半身(切り身)●プティトマト2~3個●ドライトマト適量●アンチョビ2枚●ニンニク1片●鷹の爪1本●リングイネ160グラム
○パン粉○塩○コショウ○イタリアンパセリ○エクストラバージンオリーブオイル○白ワイン・・・各適量
(2品目)
●イトヨリ1/2尾(頭、骨付き)●ムール貝6個程度●アサリ10個程度●プティトマト5~6個●タマネギ中1/4個●ニンニク1片●ドライトマト適量●インゲン適量●アンチョビ適量
○塩○イタリアンパセリ○バジル○ケーパー○エクストラバージンオリーブオイル・・・各適量
プリモ・ピアット 〜イトヨリのアーリオ・オリオ・ペペロンチーノ〜
パスタの王道であり、シンプル故に料理の腕の差が出るのがペペロンチーノ。素材を組み合わせてそれぞれの旨みを惹き立たせられるかが美味いオイル系パスタのカギとなる。
ちなみに、アーリオ・オリオ・ペペロンチーノという長ったらしい名前が正式名称だが、これはイタリア語でアーリオ(ニンニク)、オリオ(油。オリーブオイルを指す)、ペペロンチーノ(トウガラシ)で作るパスタという意味だ。
淡白なイトヨリの身がピリッと辛みの効いたオイルに絡まることで、素材本来の奥ゆかしい旨みが口に広がる。今回は、モチモチとした生パスタを使用することで、イトヨリのフワッとした舌触りの良い食感を楽しめるようにした。
手順
①ソース作り
フライパンにオリーブオイル、潰して粗みじん切りしたニンニク、種を除いた鷹の爪を入れ弱火でじっくりと火を通す。
ニンニクの香りが立ってきたらアンチョビ、ドライトマトを入れて、ベースとなるソースが完成。
②イトヨリを炒める
①のオイルソースにイトヨリ、プティトマトを加えて炒める。このとき、イトヨリは皮面から焼き、全体的に生焼けの状態くらいになったら白ワインを加えて一煮立ちさせたら一旦火を止める。
③パスタを茹でてソースに絡める
沸騰した塩分濃度10%のたっぷりのお湯にパスタを投入し、アルデンテ手前(アルデンテの30秒ほど前)の状態で湯を切り、②にパスタの茹で汁とともに投入し、火を通しながら和える。
皿に盛ってイタリアンパセリ、エクストラバージンオリーブオイルを垂らせば完成。
セコンド・ピアット 〜魚介のトマト煮〜
イタリア料理にトマトは欠かせない。オリーブオイルを多用するイタリア料理はそのままだとギトギトになりがちだが、そこに酸味が加わることでとてもフレッシュな味わいになる。
今回は、クセのないイトヨリをメインに魚介をトマトで煮込む。トマトの香り立つ海の幸を口にし、イタリアの風を感じてもらいたい。
この料理の決め手となるのは、やはりトマトソース。これを上手く作れるかどうかが大きなポイントだ。
手順
①イトヨリの下処理
イトヨリは今回半身を使用した。ウロコ、エラ、内臓を取り、さらに背びれに包丁で切れ目を入れて引っ張って背びれを取っておく。
②貝類の下処理
アサリは暗所で砂抜きを行い、塩水でもみ洗いして汚れを十分に落とす。ムール貝はたわしでこすって表面の汚れを落とし、ヒゲのような足糸を包丁で引くようにして取り除く。
③トマトソース作り
トマトソースを作る。フライパンにオリーブオイル、ニンニクを入れて火を通し、ニンニクの香りがたったらトマト缶(ホール、カットどちらでも可)を1缶投入し、煮立たせる。
塩で味を整えたらバジルを加えて完成。塩の代わりにコンソメを入れてもOK。
④食材を加える
③のソースにイトヨリ、貝類、インゲン、玉ねぎ、プティトマトを加えて20分ほど煮立たせる。
食材に火が通ったら皿に盛って完成。
マリアージュワイン
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