釣りプラス読者のみなさま、新年明けましておめでとうございます。
ほぼノープラン、出たとこ勝負、行き当たりばったりを演出の基本方針とする[少年釣り師育成ものがたり]です。釣り初心者の息子(4歳)を釣り師に育て上げようと目論む、親バカレポでございます。
初めてのお年玉で釣りデビュー!
過去数か月にわたる“釣育”の結果、4歳になったうちの息子も、釣りへの好奇心がメキメキ強くなってきました。このお正月には、「お金」の意味を理解してからおそらく初めての、うれしいうれしいお年玉をもらいました。
というわけで、新春1本目のミッションは、「初めてのお年玉で釣りデビュー!」。
1月の三連休中日、僕と息子の「新たな旅」が始まります。
デビュー戦の舞台は、インドアで鯉(コイ)が釣れる大型釣堀施設「つり堀太郎八千代店」さん。
この日は午後から雨の予報でしたが、こちらは室内釣り堀なので、天気に関して不安はなし。持ち運ぶ荷物の5割が子供の着替えである子連れにとって、屋根があることは、ほぼ天恵に匹敵します。
さらに、世の8割の女性が口をそろえるように「男の子は弱くてねぇ」。うちの息子も例外ではありません。先日の胃腸炎以来、いまいちコンディションが定まらず、満足に外遊びができない今日このごろ。壁があることは、欲求不満を吹き飛ばす千載一遇のチャンスです。
それゆえに、「大事に行きたい」のが親心。僕の胸に一抹の不安がよぎります。
4歳のデビュー戦の相手として、鯉というのはデカすぎやしないか?
デビュー戦、マッチメイクに死角なし
そのとき、「つり堀太郎八千代店」さんのホームページの片隅で、さりげなく僕にアピールしてきたのが、「金魚釣りコーナー」でした。
写真から判断すると、お店の隅っこの方に金魚用の水槽がある模様です。
「金魚は行ける!」と判断した僕。早速バタバタと荷物をまとめて、息子を連れてやってきました。
土日祝日開店時間の10時ジャストに入店し、入口の券売機で、息子は入場券(300円)と金魚釣り券(200円)を購入。最近の息子の体調を考慮して、制限時間は1時間と設定します。
受付のスタッフの方から金魚釣り用のレンタル竿を受け取り、エサのつけ方をレクチャーしてもらいました。初めて見る本物の釣り竿とエサに、息子はちょっと緊張ぎみ。
ざっと店内を見渡すと、すでにお子様連れの先客が2組ほど来店しています。
人生初釣り、プレイボール!
お店の端っこに、金魚釣りコーナーが見つかりました。「なるほど、これね…」と、現場確認中の僕がふと見やると、すでに息子が釣り糸を垂れてます。
でも、釣り針には、まだエサがついていません。
子供にやさしいスタッフの方から、エサのつけ方とフォームを教えていただいて……、
仕切り直しのプレイボール!
手練れの先輩あらわる
「金魚釣り」はお子様限定アトラクションのため、僕はやむなく見守り担当となります。
やがて店にはお客さんが次々と入ってきて、金魚釣りコーナーもにぎやかになってきました。
開始15分ほどが経ちました。金魚たちは、エサにアプローチする素振りを見せながらも、なかなかどうして食い付きません。すると、この日が2度目のチャレンジという年中さん(5歳)が、焦れる息子の隣でさっそく1匹釣り上げます。
「どうやって釣ったの?」とたずねると、「エサを少し動かしてみるといいよ」と教えてくれた5歳の先輩。30分ほどの間に見事3匹を釣り上げます。そして、「エサはもう少し、小さい方がいいね」と、的確なアドバイスを残し、颯爽(さっそう)と立ち去って行ったのでした。
「つりたい」一心
周りで遊んでいた子供たちが鯉釣りへと引き上げてしまい、うちの息子は、金魚釣りコーナーにひとりポツンと取り残される格好となってしまいました。
ぶらぶら竿を揺らすなどして金魚を誘い続けるものの、アタリがこないこの展開では、次第に集中力をキープすることも難しくなってきます。
僕は4年間の父親生活を通じて、最近ようやくわかったのですが、子供って、抗生物質や鼻水止め、痰を切る薬などを飲んでいると、なかなかじっとしていられなくなったり、食事の量が減ったり、眠くなってグズグズしたりします。実はこれって薬の副作用なんですよね。
そういう状況を考慮したうえで、目の前の金魚と格闘している息子を見ていると、彼がとても「粘っている」ことがわかります。
それも「つりたい」一心で。
制限時間と定めていた1時間が経過しました。かなりまずい展開です。手元のエサを粘土のようにコネコネし始めた息子の仕草に“限界”を見て取った僕は、「よくがんばったけど、そろそろおしまいにしようか?」と提案します。でも彼はあきらめません。
「ぼく、つりたいー」
こうなると、なかなかに頑固な息子。僕にできることはもう、声をかけて励ましてあげることだけです。それでも、時間は無常に過ぎていきます。アディショナルタイムが目安の5分を超え、主審たる僕が試合終了を告げるホイッスルに手を伸ばしたとき、“それ”は突然起こりました。
釣りの神様の贈り物
「かかってるぞ! 竿上げろー!」
すると息子の竿が大きくしなって、彼(と僕)が待ち望んでいた初めての金魚が、水面から顔を出したのです。
それでは、感動の瞬間を連写でどうぞ。
アディショナルタイムのラストワンプレーで決まった“ゴールデンゴール”。こんなことって、あるのか……⁉ 僕自身も、目の前の出来事が整理できません。ただひとつ言えることは、追い込まれた状況で、最後まであきらめなかった息子が、人生で初めて、魚を釣り上げたということ。
これが釣りの神様の贈り物でなくて、なんでしょう?
試合終了。ここでようやく僕も、大きく息をつきました。デビュー戦がボウズじゃなくて、ほんとによかった……。
釣った金魚を水槽に戻してあげることを伝えると、「どうして持って帰っちゃだめなのー?」と食い下がる息子。せっかく釣った金魚とお別れするのがつらいようです。
釣りのあとの一杯
釣りのあとは、店内の「フリードリンクコーナー」へ。
息子は大好物の「カルピス」をセレクトします。
鯉釣りにもチャレンジ
金魚を釣り上げたことで自信をつかんだのか、鯉釣りもやってみたいと言う息子。試しにちょっとだけ挑戦してみました。
しばらくするとお昼ごはんの時間になったので、「鯉釣りの続きはまた今度ね」ということにしました。ちなみにこちらのお店は、食事や飲み物の持ち込みもOK。今度来るときはお弁当を持ってきてもよさそうです。
最後に、あまったエサと道具を所定の位置に返却します。
つり掘り太郎八千代店さんでは、釣った鯉の大きさや色に応じてポイントがつき、それを景品に変えられるという、子供心をくすぐるシステムを採用しています。うちの息子は、たくさん鯉を釣って、サッカーボールをゲットしたいということです。
KLP(子育てレジャー・パフォーマンス)
KLPとは、「子連れでどうか?」という基準で、訪れたレジャースポットを5点満点で総合評価してみるコーナーです。
【つり堀太郎八千代店】…4.4ポイント
インドアのため天候の心配をせず、子連れでも快適に釣りを楽しめるでしょう。食事の持ち込みがOKであることや、フリードリンクも◎。スタッフのみなさんのホスピタリティも素晴らしく、おすすめの釣り堀です。
お店を訪ねる際は、事前にホームページや電話でのご確認をおすすめします。
【住所】千葉県八千代市大和田新田458−1 八千代スポーツガーデン内
【電話】047-481-8901
【URL】http://turibori-yachiyo.com/
いよいよ幕を開けた、うちの息子の釣りライフ。初めて手にしたお年玉で、金色の魚を釣り上げた彼ですから、きっと一生お金にも食べ物にも困らないでしょう。
ある一人の親バカが、そんな初夢を見た、息子4歳のお正月のお話でした。
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