アジの旬と言えば夏場5~7月の産卵前、小さいながら身も柔らかくて美味と言われているが、冬のアジもまた良し。脂が乗りつつ歩留まりもよく、そして意外と安い。時には30cmほどのアジが150円程度とお買い得なことも。酒にもメシにもぴったりの”俺ちゃん”お気に入りアジ料理、さばき方の解説つきでご紹介する。
さばき方を覚えるには、冬アジが一番
魚の基本的なさばき方を覚えるには、アジが一番ハードルが低いと思っています。ウロコはたいしたことないし、トゲもありません。
イワシやサンマほど身が柔らかくありませんし、サバのように身割れもしにくい。少々、不細工な捌き方になっても、なめろうやタタキのように細かく切ってしまえば美味しく食べられます。失敗した時のリスクが低いんです。
なかでも冬アジは型もよくなってきますから、不器用な人でも身がしっかりとれます。
キッチンペーパーかふきんを用意すること
さばいているときにまな板に血がつきます。これが身につくと生臭さのもとになるので水で洗い流すのですが、水でぬれたままにしておくと身の旨味が水に流れでてしまうんです。さらには身が水すってベチャっとしてしまいます。
こまめに水をふき取ること。
それではさばき方スタート!!
1・頭を落とす
ヒレの下側から包丁を入れて頭を落とします。落とした頭はアラ汁に使うので捨てません。エラをちぎりとり、血を洗い流します。
2・腹を裂いてワタをとる
点線で囲んだあたりに肛門があるので、そこから包丁を入れて腹を裂きます。
手でワタを取り出したら、腹の中を軽く水洗いして血を落とします。
3・三枚におろす・・・・・骨にたくさん身が残っても気にしない。その分アラ汁が美味しくなる
頭の方から包丁を入れて三枚におろします。中骨に身がだいぶ残っても気にしない。これを「大名おろし」と言うそうです。でもその中骨をアラ汁で楽しもうという貧乏性の俺ちゃん。
頭の方から刃を入れるのか、尾の方からなのか。右から左へのなか、左から右へなのか。これ意外と人によってマチマチなんですよね。
知り合いの料理人に訊きましたが、「人によって違いますし、修行したのが関東か関西かでも違ってたりします。やりやすい方でいいんじゃないですか」とのことでした。
4・腹骨をとる
そぎとるようにして腹骨をとります。脂ののった美味しいところなので、こちらもアラ汁用にとっておきます。だから身がいっぱいついても気にしない~♪
5・皮を引く・・・・包丁で「切る」のではなく皮を「ひく」感覚
尾側から包丁を入れ、文字通り「皮を引く」のです。
包丁の位置は固定。左右に包丁を引きながら、皮を引っ張って身を包丁の上で滑らせていく感覚です。
ここが初心者の一番の難関ですね。俺ちゃんもたまに失敗して、皮が途中で切れてしまいます。
でも切れたところから包丁を入れなおしてもそこそこうまくできます。
これも頭の方から包丁を入れたり、手だけで皮をひっぺがすやり方もあったり、人によって違います。
6・身を切り分ける
身の真ん中の小骨を骨抜きで一本ずつ取る人もいますが、めんどくさいので俺ちゃんは骨のある部分から真ん中で切り分けてしまいます。そして骨が残った真ん中の身はアラ汁へ~♪
アジの型が小さい時は、骨も小さいから取らなくてもいいんじゃないかと。
アジの「りゅうきゅう」
材量・・・青ネギ、すりごま、おろしショウガ
調味料・・・醤油、ミリン、酒。
「りゅうきゅう」は大分県の郷土料理です。早い話が「ヅケ」です。
九州独特の甘いお醤油とすりごまで、アジやサバ、カンパチなどの青魚のお刺身をあえて、ショウガ、ネギなどの薬味とともにいただきます。
福岡では「ごまアジ」「ごまサバ」、愛媛では「ひゅうが」と呼ばれてます。甘いお醤油がなければ麺つゆでもいいですよ。ご飯にもピッタリで、アラ汁をかけて茶漬け風にしても美味いです。
アジ納豆
材量・・・納豆、長ネギ、ワサビ、ねりからし
調味料・・・醤油
ハイ、もうそのまんま。かき混ぜた納豆を刺身の上にドチャっと。
納豆付属のタレもいいですが、味付けが「りゅうきゅう」かぶるので醤油だけにしました。
かき混ぜてすすりこんでもいいし、ワサビ、からしと薬味を変えながら食べすすめるのも楽しいです。もちろんコチラもご飯にピッタリ。
味噌仕立てのアラ汁
今回は味噌汁にしました。グラッと沸かしてアクをとったら、鍋の材料で残ってた白菜、長ネギ、エノキを投入。野菜に火が通ったら味噌と醤油を少し。
味噌と野菜が魚の臭みを上手に消してくれます。
細切れ&味噌汁にする~このリスクヘッジがあれば初心者でも安心
おさらいです。
切り身が崩れても、少々骨が残っても、なめろうやタタキにしてまえば食べられます。逆に骨に身が残れば、アラ汁で楽しめばいいんです。臭いが気になるなら、味噌汁にして、野菜と一緒に煮れば大丈夫!!
しっかりリスクヘッジして、失敗を気にせず数をこなすこと。これが上達への一番の近道です。
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