地元へのUターンをきっかけに、幼い息子と釣りを始めた。
その一喜一憂の模様は、僭越ながら「釣りプラス」に書かせてもらっている。
竿とリールを買ってみたものの…
釣りを始めて以来、ガマンの展開が続く息子に、そろそろ“釣れる感覚”を体験させてあげたい。
そう考えた私は、初心者や子供でも比較的簡単に釣れるという「ニジマス」を次のターゲットに据えた。
釣りプラス編集メンバーに相談してみたところ、手頃な値段で買える「管理釣り場マス釣りセット」があると勧められ、これをネットで注文した。釣り竿を買うのは初めてだ。
しばらくして、注文した商品が自宅に届いた。
箱の中には竿とリール、糸、ルアー、ルアーの収納ケース、ルアーを引っかけるらしい小さな金具(スナップ)が入っていた。竿の組み立ては4歳の息子が自主的に行ったものの、スピニングリールに糸を巻く方法と、リールの取り付け方がわからない。
セッティングは中断を余儀なくされた。
ユニノットを覚える
翌週、出社した私は、釣具店の元・店員さんで現・釣りプラス執筆メンバーの大木さんに相談することにした。すると、特別にレクチャーしてもらえることになった。渡りに船である。
「まずは釣り糸の結び方を覚えましょう!」と大木さんは言った。
結び方は「ユニノット」。これがすべての基本となる。ちなみに釣り糸は「ライン」、結び方は「ノット」と呼ぶそうだ。手元を見ずにこれができれば、どのような環境下にあっても楽しく釣りができるという。だが初心者には、見ながらやっても難しい。何度か練習して、私もようやく結べるようになった。
ユニノットの結び方については、すでに釣りプラスでわかりやすい記事が書かれている。これが復習の際の参考になる。
ゲームフィッシングで使う場面の多いキホンの結び方(=ノット)だ
釣り初心者にとって、最初のハードルとなるのが釣り糸(=ライン)の結び方。ブラックバスなどのルアー釣りをはじめ、数多くのゲームフィッシングで覚えておきたいのが「ユニノット」。釣りバリ(=フック)だけでなく、糸と金具や糸同士を結ぶなど、使用する場面は多いので、必ずマスターしておこう。
1 ラインをフックの穴(=アイ)に通して折り返す
2 通したラインで輪(=ループ)を作る
3 作った輪の根本…
リールをセットする
続いて、リールをセットする。今回私が購入した竿は「スクリュー式」と呼ばれるものだった。リールをセットする部分(リールシート)付近のグリップを回して緩め、リールを差し込み、グリップを締め戻して固定する。このとき、右利きの私は左手でハンドルを回せるようにリールの向きを合わせておく。左利きであれば、ハンドルは右向きに。
いきなりはラインは巻けない
ラインをリールに巻く前にやるべきことが3つある。
①スプールの保護シールをはがす
購入した新品のリールの糸を巻き付ける部分(スプール)に貼ってある保護シールをはがす。当たり前のようだが、初心者は案外そのまま巻いてしまうかもしれない。ユニノットで胸がいっぱいの私は、シールの存在を見抜けなかった。
②ドラグをしめる
「ドラグ」ノブ(=リールの先端のつまみ)を締めることでスプールが動かないようになり、糸巻き時にラインに十分なテンションがかかるという。実際の釣りでは、ドラグを適度に緩めて「糸が出る状態」にしておく。さもなくば、魚が食い付いたときにラインを切られてしまうからだ。
③下巻きをする
私が買ったセットに付属していたラインの長さは100メートル(m)。強度は3ポンド(lb)となっている。単位はキロ(kg)ではない。
私のリールに強度3lbのラインを使う場合は、140mが適正な長さだと、大木さんに教えてもらった(そういうことはたいていリールのケースに記載されているという)。つまり、現状40m足りていない。そこで必要になる作業が「下巻き」だ。あらかじめ、別のラインで40m分を巻いておき、そこにメインラインの100mをつなげるわけである。
下巻きに使用するラインは安価なものでかまわない。だが、メインのラインに近い仕様のものを選ぶのが基本らしい。太さや強度に差が出るとトラブルの原因になるようだ。
下巻きのラインをリールに結ぶ
下巻きのラインをリールに結ぶ。竿の先端から輪(ガイド)にラインを通して、ユニノットでリールに結ぶ。だが、リールが不安定で、素人の私はなかなかうまくラインを巻くことができない。
そこで大木さんのアドバイスに従い、先に大き目のユニノットの輪(ループ)を作ってみた。それを二重に折り返した状態でリールにかぶせ、本線を引いて締めるとあら不思議。簡単に巻き付けることができた。
端糸をカットする。切る位置は結び目のコブから数ミリ程度でOK。結び目のコブの上にセロハンテープを貼っておくと、トラブルの予防になるという。
ラインを巻く
リールに下巻きのラインを巻き付ける。これは二人一組で行う。一人がラインの輪っかにペン(またはドライバーなど)を通した状態で両手持ちし、もう一人がリールのハンドルを回していく。いとまきがかりは、右手の指先で竿を軽く押さえてラインにテンションをかけながら、なるべく一定の速度で巻く。それがコツだという。
慣れれば一人でもできるというが、今は想像もできない。
下巻きを終えたら、下巻きのラインとメインのラインを結ぶ。なお、今回使用するラインはこれだ。
ここでは、ユニノットを逆方向に2度行う。これを「電車結び」というらしい。
両サイドの端糸を切る。コブの部分をセロハンテープで止める。
メインのラインを一定のリズムで巻いていく。下巻きと同じ要領だ。
ときおり動作がぎこちなくなったが、最後まで巻き切った。糸の先端はリールの糸止めに引っ掛けておく。
「自分が初心者だったころを思い出しました」
2時間超のレクチャーの疲れも見せず、笑顔で語ってくれた大木さん。感謝の気持ちは釣果に代えて、いずれお伝えしたいと思う。