レイドジャパン・岡友成氏を取材したルアーマガジン編集部福重が、夏のバス釣り場でよく見られるヒシモなどの浮草カバーの釣りに役立つテクニック「ライトパンチング」を伝授された。知っていれば爆釣もありうる、お役立ちワザを公開。後編の今回は実釣解説編。
浮草カバーではライトパンチングがオススメ
夏のバス釣りでよく出会うのが、水面をヒシモなどの浮草が覆っているスポット。一見攻略が難しそうな状況で効果を発揮してくれるのが「ライトパンチング」なのだ。前回の【基礎編】ではレイドジャパン・岡友成さんがその有効性を教えてくれた。
今回の【実釣解説編】は、実際にライトパンチングに使う、テキサスリグを組むためのコツ、具体的な操作法、タックルなどを実釣で教えてもらった。
テキサスリグを組むポイント
それでは、このテキサスリグを組む際のポイントを紹介していこう。
①ソフトベイトを選ぶ
自分もまさにそうなのだが、テキサスリグ用のワームって、パーツの沢山ついた”ホグ系”や、水を撹拌させられるパーツの付いた”クロー系”でないといけない気がしないだろうか?
もちろん、シチュエーション次第ではそれらが活躍するのだが、重要なのは適材適所。そもそもヒシモの下に落とし込めないことには意味がないので、できるだけすり抜けのいいソフトベイトを選ぶのが大切なのだ。
岡「オススメはファットウィップ5インチです。元々はしっかりと水を押せるネコリグ用ワームとして開発したのですが、この釣りにもぴったりです。その理由は、適度な太さによる水押し・操作感。そして針持ちの良さにあります。一般的に言うと、5インチ程度までのストレートワームかパドルテールワームがすり抜けてなおかつバスに見つけてもらいやすくてお勧めです。また、ある程度の硬さがあって丈夫なマテリアルのものを選びましょう。針先がすぐに出てしまうようだと折角のすり抜けの良さが台無しですからね!」
岡「フックをセットするときは、針先を出さないのもポイントです。これでかなり根掛かりは減るはずです。また、カラーはこのクリアーレッドがオススメです。ちゃんとヒシの隙間に落ちて行っているのかを確認できますし、浅い水深であれば、水中でも見つけてもらいやすいんです」
②シンカーを選ぶ
岡「シンカー選びがこの釣り最大のポイントでして、ずばり、E.G.タングステンバレットシンカーを使います。このシンカーの最大の特徴は、ワームが来る側に穴が開いている事。シンカー止めと組み合わさる事で、ワームフックのアイがシンカー内で固定されるんです」
岡「するとこのように、ワームとシンカーが一体化してくれるんです。これなら、ワームだけがヒシモの上に乗っかって落ちて行かないという事態を最小限に抑えることができるんですよ」
③フックにひと工夫
岡「フックはすり抜けがよく、なおかつ頑丈なカバー撃ちに適したものを使用します。自分はリミット3/0を使っています。ただこのフック、TCコートのおかげで刺さりはものすごくいいのですが、その分、ワームもずれてしまいやすい。繰り返しヒシモの中に落としていくこの釣りの場合、このズレは手返しの悪さにもつながり、釣果にも影響を与えてしまう。そこで、フックのクランク部分周辺だけは、TCコートを紙やすりではがして使っています」
岡「ちなみに紙やすりはフックケースに入れていつも持ち歩いています。ライトパンチングに限らず、カバー撃ちの釣り全般でこの小技は使えますよ!」
岡「こんな具合でこすってあげます。アイの部分はラインが結ばれるので、傷をつけないように注意です」
岡「はがすと見た目でもわかるとおり、こんな風になります。触ってみると、TCコートがいかにすべりがいいのかがわかりますよ(笑)」
ライトバンチングの操作
それではいよいよ使い方! このテキサスリグを使ったライトパンチングとはどのような釣りなのだろうか!?
岡「パンチングと聞くと難しそうな印象を受けるかもしれませんが、このライトパンチングは、上記のリグさえ組めばとても簡単です」
その流れは以下の通り。
1:リリーパッドの上にキャスト!
※この時の距離はピッチング程度で
2:ロッドワークで落としたい、あるいは落ちる場所までリリーパッドの上をずる引き!
※リリーパッドが濃い場合は軽く跳ねさせてあげるのがポイント
3:リグが落ち始めたらラインを緩めてフリーフォール!!
※この時、ロッドワークで緩めてもいいし、クラッチを切ってフリーでフォールさせてもOK!
4:着底したらアタリを聞くように軽くロッドをあおって1~2アクション!
5-A:グーッと重くなったり、ラインが走っていけば魚なのでしっかりフッキング!!
※素早いファイトで潜られないように注意!!
5-B:何もなければリリーパッドの上までリグを上げて、2に戻る
※この時、テキサスリグのすり抜けの良さが活きてくるんです!!
これの繰り返しなのだ!
そうすれば・・・
釣れる!!
その場でこの釣りを教わった自分にも釣れた!!
なお、落とす間隔は、50センチ位の距離感で落として上げるのがコツとか。バスのすぐそばに落ちなければ食ってはこないそうなので、飽きずに何度も落とすべし!!
[実は冒頭の写真のヒシモエリア(6畳程度の広さ)で20分程釣りをしている間に、自分は2尾、岡さんは1尾+アタリ多数という釣果でした。これ、スゴくないですか?]
タックル&釣り場考察
岡「タックルですが、6フィート10インチ~7フィートくらいのMH~XHパワーのロッドで、普通のカバー撃ちができるタックルであればOKです。グラディエーター・アンチで言えば、ブラスターが適していますね」
岡「今回はフロロラインを使っていますが、PEラインでも問題ありません。そのため、例えばフロッグタックルをそのまま流用してしまっても大丈夫です!!」
[自分が2尾釣り上げたのは、6フィート3インチのMLロッドでした。フリーフォールさせた後のアクションや、ヒシモから抜けてくる時にティップが入ってしまうのが若干ストレスでしたので、やはり強めのロッドの方が色々適しているようです!]
岡「狙うリリーパッドですが、ちょっとした塊になっている場所があれば、そこは十分試す価値があると思います。また、護岸の終わりなどの変化が絡んでいる場所ははやり有力ですね。手数が重要な釣りなので、気になる場所にはどんどん撃っていきましょう」
岡さん「ライトパンチングのライトは軽いウェイトの意味も持ちますが、専用タックルを用意せずとも簡単にできる、気軽なと言う意味も持っています。なので、ヒシモなんかに直面しても難しく考えず、この釣りを試してみてください!! きっと楽しい釣りができるはずです!!」