フックが刺さった指を”ストリング・ヤンク・テクニック”で応急処置した個人的体験記【写真解説あり閲覧注意】



釣り人がいつ遭遇してもおかしくない身近なアクシデントといえば、指にフックが刺さってしまうこと。特に毎日かなりの数のフックを触る釣り雑誌編集者としては切実な問題であるが、今回の犠牲者はルアマガ編集部フクシゲ。応急処置としてどのようにして刺さったイチモツを抜いたのか、その個人的体験を綴る。

※本記事の構成にあたり、以下若干刺激的な写真が登場します。「血が苦手」「先端恐怖症」「指に針が刺さっているのを見たくない」等、苦手な方は閲覧ご遠慮くださいm(_ _)m

それは撮影中に起きたアクシデントだった。

某日。フクシゲは写真撮影スタジオにて、『ルアーマガジン』で使う写真をカメラマンK氏に撮影してもらっていた。

撮影対象はルアー。点数が多いため、撮影しやすいようキレイに整列させるのがこの日の役割。釣り雑誌編集者としてその作業はすでに手慣れたもので、K氏と談笑しながらも撮影は順調に進んでいく。

いつも通り何事もなく撮影を終えられる。フクシゲもK氏も、そう思っていたに違いない。

だが、危険とは日常の中に潜むもの。決して気が抜けていたわけではないし、雑に作業をしていたわけでもない。

しかし、運命の悪戯なのか、並べているルアーがひとつ、撮影台から滑り落ちそうになったのだ。

すかさず手を伸ばすフクシゲ。

ルアーは落下する事もなく手中に収まった。傍から見れば何も変わらない。撮影は順調に進んでいる。そう見えても何ら不思議ではなかった。現に、カメラマンのK氏は変わらずシャッターを切りながら会話を続けており、フクシゲもそれに応じている。

だが、危険とは日常の中に潜むもの。

嗚呼。。。

やっちまったぜ。ブッサリ。。。
「カエシまで刺さってるって」

フックが刺さった!そんな時の対処法を紹介!!

指にフックが刺さった、しかもカエシまでイッテる、 こんな時どうすればいいのか!?

もちろん、間違いない方法は病院へ駆け込むこと! ←コレ絶対ね。

…ではありますが、もしものために、その場でどうにかする方法を知っておくのは決して悪いことではありません。釣り場では何が起こるかわかりませんから。

そこで今回紹介するのは、フクシゲが実際に体験した抜き方、

ストリング・ヤンク・テクニック[String-Yank Technique]

知る人ぞ知る、釣り糸を使った抜き方です。



体を張ってストリング・ヤンク・テクニックを試してみる

さあ指にルアーのハリが刺さってしまいました! 順を追って、ストリング・ヤンク・テクニックの方法を説明しましょう。

1:釣り糸を用意する

まずは釣り糸を用意します。できれば伸びない糸がいいので、PEラインが適しているようです。

2:フックを抜く準備をする

ワームフックが刺さったのなら話は早いのですが、今回のフクシゲのようにハードルアーが刺さってしまった場合、まずはルアーからフックを外しましょう。ペンチで普通に外してもいいし、もしニッパーがあるならば、シャンクから切断してもいいと思います。

この時、他に人がいたら手伝ってもらうべきです。利き手に刺さったら・・・絶望です。
こんな状態にします。改めて見て見ると、ものすごく、刺さっています。

3:釣り糸をフックにかける

釣り糸を、指に刺さっているフック部分にかかけます。

この時、ダブルラインにするなどして、抜いたフックがあらぬ方向に飛んでいかないように注意しましょう。

4:抜く準備

このあと、ラインを一気に引っ張ってフックを抜くのですが、針の角度によっては中々抜けないばかりか、より深くささったりと、悲惨な結末にもなってしまいます。そこで、シャンクの部分を軽く押さえて、フックの刺さっている角度が変わらないようにしてあげましょう。

今回は別の人に手伝ってもらっていますが、もし一人で対応しなければならない場合、壁に軽く当てるなどして、とにかくフックの角度が変わらないようにしましょう。

5:抜く

いよいよ本番です。抜く時のポイントは、刺さっているハリと平行に、逆方向に引っ張ること。
そして思い切ってやること。そうすれば・・・

あっさりと抜けました。

抜いた直後はちょっと血が出てしまいましたが、圧迫止血をするとまもなく止まりました。

応急処置として覚えておいて損はない

初めてのストリング・ヤンク・テクニックについて。

はじめに手でフックを抜こうとした時はびくともしなかった(あらためてカエシの性能を文字通り身を持って体感…)にもかかわらず、この方法で一瞬のうちに抜けてしまいました。

そして何より、抜く瞬間の痛みがないことに驚きました(一番痛かったのはルアーからフックを外す時)。

あくまでも緊急時の応急処置としてではありますが、もしもの時に備え、この対処法を覚えおいて損はないなぁと思った次第です。

※注:本記事は個人的な体験を表明したものであり、紹介した方法がすべての類似症例に対して有効であることを保証するものではありません。また、この対処法はあくまでも応急処置にすぎず、処置後の傷口の感染リスク等を避けられるものではありません。できるだけすみやかに医師による診察と適切な処置を受けることが必要です。


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