4月6日(金)から8日(日)の3日間、2018年JBトップ50開幕戦「ゲーリーインターナショナルCUP」が野村ダム(愛媛県)で開催。初戦を制したのは、シマノワークスの主砲・早野剛史選手。最高峰戦に挑み、昇格6年目・26戦目にしての初優勝。これまで幾度となく優勝戦線に名を連ねながらも逃してきた、近くて遠い栄冠をついにその手に。この1勝を起点に、今シーズンは早野選手の快進撃が始まりそうだ。
「絶対勝ってやる!」勝利への気迫
本戦の2週間前に行われたJB霞ヶ浦第1戦を早野選手は準優勝で終え、勢いそのままにトップ50開幕戦へと乗り込んだ。
最高峰戦5試合のみに全精力を注ぐ選手も少なくないが、2NDカテゴリーのマスターズや各ローカルシリーズにもエントリーして存分な試合勘を維持する選手も多い。早野選手はもちろん後者だ。
「霞ヶ浦で勝てなかった…。絶対勝ってやる! かなりの気合で臨みました」
表彰台インタビューでこう発言。準優勝という結果に何も満足感はない。トーナメントプロとして狙うは頂点のみ。半ば調整の意味合いも持つローカルシリーズ参戦だが、次点という結果が早野選手の魂に火を点けたのは間違いのない事実だろう。
「(最終日は帰着まで1時間を切った)12時過ぎにリミットメイク。でかい魚を2度ミスして、これはダメだと…涙が止まらなかった」
振り返ると、そこにはドラマがあった。
予選は初日が強雨、2日目は強風と冷え込み、そしてさらに冷え込んだ決勝最終日。天候と共に日替わりで変わるプリスポーンバスの付き場を探し当て、予選は連日5キロ前後の好ウェイトを持ち込むも、この日は2キロを若干上回る程度。悔しさが込み上げる一方で、いつもの切れ味鋭いパフォーマンスが鳴りを潜める。
「あんなに気合を入れていた自分は何だったんだと。そんな自分が嫌になった。しかし…」
春という季節は時に魔物。暫定2位で首位の川口直人選手を追う展開で挑んだこの日、早野選手以上に川口選手には魔物が襲いかかっていたのだった。
キーは、日替わりで変わるプリスポーンのサスペンドフィッシュ
早野選手のウイニングパターンをひとことで表現するなら見出しの通り。日替わり、いや時間替わりで刻々と変化していく各パターンをここで解説するには文字数が足りない。
ところで、当サイトで試合前日に公開した注目の4選手インタビューを覚えているだろうか。
篠塚亮選手は13位、藤田京弥選手(最終日同船レポートをルアーマガジン2018年6月号に掲載予定)は14位、小池貴幸選手は21位とまずまずの結果で初戦を終えた。
が、しかし、驚くべきことにあの青木大介選手が39位。2014最終戦旧吉野川以来となる30位以下、予選落ちというキャリアの底を叩いた。このままシーズンが進むとは考えにくいが、予選終了後に会場内がざわついたことを記しておこう。
次戦は、6月初旬に開催される第2戦北浦。
件の4選手インタビューでもお伝えした通り、今季は霞ヶ浦水系でもう一戦(第5戦霞ヶ浦)が開催される。
この水系を得意とする篠塚選手が年間優勝に近いと報じたが、今戦優勝の早野選手も同様に条件が有利。共に「得意とは言えないリザーバー」(篠塚)、「前回(=2016第2戦)は予選落ち」(早野)だが、それぞれ好位置で開幕戦を乗り切った。
昨季のJB霞ヶ浦年間首位と2位が、次戦以降で年間レースを演じる役者となりそうな気配もある。
2018年のJBトップ50開幕戦、天候日替わり・春の乱打戦を完全征服した早野剛史選手が満を持して初優勝を飾った。その戦いの詳細については4/26発売の『ルアーマガジン2018年6月号』にてレポートする。しばしお待ちあれ。