ライギョ釣りにおいて誰もが通る道、それは「フロッグ作り」である。釣具店で購入したルアーをそのまま使用するのではなく、過酷なカバーゲームに耐えうる耐久性、ライギョが潜むエリアに届かせる飛距離、そして何よりも”食わせ”のアクションを生むセッティングを施す。それを作り込むのもライギョ釣りの魅力のひとつと言えるだろう。販売部イマムラが「ルアーショップ カーミット」で行われたフロッグチューニングセミナーの模様をお届けする。
フロッグ作りの基本
まずは基本中の基本をおさらいしよう。
①皮がズレないこと。
これは以前の記事でも書いたが”シューマイ”防止。詳しくは過去記事で!
②フックポイントが出ていないか。
状況によって(オープンウォーターで使用する際など)出す場合もあるが、カバーゲームでの使用を目的とした場合、ウィードレス効果とフッキングの両立がキーになってくる。
③沈まないこと。
基本中の基本であるが、あまり重くセッティングしてしまうと、アクション中に水を吸ってシンキング…なんてことも。
④何より、ライギョフィッシングの醍醐味である”アタック音”。これがないとライギョを釣る楽しさはない。
これらの基本を押さえたうえで、講師のフロッグチューニングを見てみよう。
第2回フロッグ講習会 in カーミット
場所は埼玉県深谷市のプロショップ「カーミット」で行われた。
決して広い店舗とは言えないが、バス釣りはもちろんナマズ雷魚の商品に強く、その品揃えは量販店クラス。エリアトラウト系の商品も多く扱っている。
ライギョタックルを扱う店舗は量販店を含め全国にあるが、チューニングアイテムからアフターパーツ、便利グッズまで扱っている店舗は全国的に見ても数えるほどしかない。
小池さん自身もフロッグ作りが得意なのでなんでも聞いてみよう。
今回の講師は2人。
まずは笹井氏が基本的なフロッグチューニングを解説
今回作るのはこちら。
ベースとなるのは、ヴァジュラHSP-55[ティムコ]。大きすぎず小さすぎず、場所を選ばないスタンダードなフロッグだ。フッキングにこだわった作りでありながら、カバーのすり抜けもこなす。
今回は以下のアイ、フックを使ってチューニングする。
そしてこちらが今回使用する工具類。
まずはウェイトをフック仮組みして、スレッドで固定する。
次にアイのスリーブ部分にもスレッドを巻いていく。
これは補強の為と、後にシューマイ防止の接着剤を付けるベースとなる。
スレッドに瞬間接着剤をたらし、硬化促進剤を吹きかける。
ウェイトを固定したスレッドの上に熱収縮チューブを被せ、ライターで炙る。
この熱収縮チューブはラッティツイスター製の6㎜を使用。
次はボディの加工。
バーブレスケンケンをこのフロッグにセットする場合は、腹側をカットしてフックポイントの位置を下げる。
アイのスレッド部分にパンドーを塗り込む。これはシューマイ防止。
アイ抜きを使い、フックをボディにセットする。
皮がズレないように、口元をスレッドで巻く。これもシューマイ防止。
爪楊枝を使い、スレッドにパンドーを垂らし込む。
エア抜用の穴を開ける。
エア抜き針を熱して、プスっと刺す。
セメダインスーパーXを使い、フックホールを埋めていく。パンドーを用いるのが一般的ではあるが、このボンドは塗りやすく硬化も早いので、最近はこちらを多用しているそうだ。
その上に、100円ショップで売っているラメをパンドーに混ぜて仕上げ。
コレでフックホールも綺麗に仕上がる。
これにて完成! 笹井氏、ここまで作るのに10分ほどで仕上げるそうです…。
マッスル関口氏がフロッグボディの整形を伝授!
マッスル関口氏と言えば、ビッグフロッグ使いとして有名。エコギア製のワームオイルでフロッグを巨大化するテクニックは、そのスジではよく知られた話。今回はフロッグを茹でて、フロッグを伸ばします。
まずは沸騰したなべの中にフロッグを投入! 茹で時間は5分!
熱いのを我慢wして引っ張りながら水で冷やす。
完成!!
見てわかる通り、細長くなり、お尻の方は暑さが増してます。これにより、よりベイトフィッシュライクな動きになるのだ。さらに厚みを帯びたことにより、ゲイブ幅を確保することが出来るので、フッキング率もアップ!!
最後はマッスル関口氏渾身のフロッグをじゃんけん大会で争奪戦!
マッスル関口氏が実際にライギョを釣った実績フロッグ。思い出の詰まったフロッグ…。私だったらあげませんw
さすが太っ腹です!!
今回のフロッグ講習会はfacebookでもライブ配信されたそうなので、詳しく見たい方はこちらをどうぞ!!
今回ご紹介したのは基本のチューニング。自分のアイデアでオリジナルチューニングを施すのもライギョ釣りの醍醐味のひとつ。
自分だけのフロッグを作って、終盤戦のライギョ釣りを楽しもう!