前回の記事では、フライロッドがどんなモノかというお話をざっくりさせていただきました。で、今回は具体的に入門者のために具体的にロッドやリール、どんなものを買えばいいのか、実際にフライフィッシングのプロショップに行って吟味してきましたので、それを元にズバッと紹介しちゃいます。
まずは連載で提案させていただいた「ブランドで買え」路線から
お邪魔させていただいたのは東京は水道橋にお店を構えるフライ専門店「ハーミット」さん。フライフィッシングなんてマイナーな釣りの専門店があるなんてことに驚かれる方もいらっしゃるかもしれませんが、あるんですよー。やってるんですよー! そのハーミットの店長は稲見一郎さんというお方。
ぶっちゃけフライの専門店って愛想が悪い小難しい店長さんが常連さんかこって一見さんお断り!なところが多いのですが、ハーミットの店長、稲見さんはニコニコ接客で、気さくな店長さん。なので、ビギナーの方も気軽にたずねてみてください。あ、そうそう、「SLOWLOOP」(うちのまいこ・芳文社)という、最近界隈で人気の釣り漫画に出てくるモデルのお店はココですよー。
編集「実は入門者向けの連載で、道具はフライ6大ブランドの商品を買えって書いちゃったんですけど、ハーミットさんで該当の商品はありますか?」
稲見「なるほど(笑)選んだとなると、オービス、セージ、スコット…、ウィンストン、Gルーミス、トーマス&トーマスあたりかな?」
編集「あ、Gルーミス忘れてた…。ルーミスは入れてなくて、代わりにリールのハーディー入れています」
稲見「ああ、ハーディーか。うちで扱ってるのは、オービス、スコット、ウィンストン、ハーディーかな〜その中では」
さて、そんなブランドの話をしつつ、店内にディスプレイされている今どきのフライロッドを吟味。そして、ハーミットさん現在の傾向とトレンドを掴んだ上で選んだブランドと番手はこれだ! 6大メーカー全てからまずは1本づついくよ〜。Gルーミスさん、忘れててごめんなさい!
おすすめフライロッド 6本 ブルジョアジー編
さて、連載中に紹介させていただいたブランドのロッドであれば、ほぼ、どれを買っても問題ないのですが、スペックやシリーズの傾向からズバッと指定しました。アクションで選ばなくていい! フィーリングで買え!的なアドバイスもさせていただきましたが、それも、まぁ無責任なので、若干、日本の渓流での釣りを意識したロッド選びをしています。
※スマニューの皆様は「フライの道具の正しい選び方、入門編!【どちゃくそ簡単!フライフィッシング講座#01】 – ルアマガ+|内外出版社」をご覧ください。
道具は品格で選べ!そう、ブランドで選べ。
ええっとですね。爆弾発言をしますよ(業界的には)。フライフィッシングの道具はブ…
フライロッドは8ft後半の長めのロッドがトレンドなんですが、当連載ではなるべく8ft前後、長くても8ft6in以下を選んでいます。
さて、ほんの少しだけ、難しい話をします。ここ15年くらいフライ界隈では、日本ではロングリーダー・ロングティペットというフライのテクニックが流行っております。このシステムは長いロッドのほうが扱いやすい、フライの釣りのシステムなんですね。
非常に優れた考え方ではありますが、ルアマガプラスが提案するフライフィッシングの形とは方向性が違うため、敢えてそこに準じ無い、今後の連載でこの釣りを難しいものとしないための道具選びとして、比較的短めのロッドをチョイスしています。ま、細かいことはいいです。当連載は簡単なフライフィッシングをまずは楽しむというのがテーマですので、どうか信じてついてきてください(笑)
ではいきまーす。
SCOTT GS 773/4 #3 7′ 7″ ¥98,000←ハーミットさんで購入可能
ORVIS 14YF スーパーファインカーボン 804-4 ¥54,000←ハーミットさんで購入可能
Winston Freshwater AIR 4wt.8′ ¥113,000←ハーミットさんで購入可能
Tomas&Tomas AVANTT 864-4 ¥122,500(税込)
SAGE 376-3 DART ¥84,000
HARDY HD HROZEN803W ROD ZENITH 83 ¥72,000
あ、値段見て目が飛び出ました? 小生も乾いた笑いが出ました。でも、まぁ、上に挙げた6本のどれかを買えば、とりあえずエグゼグティブなフライフィッシングが可能です。ちなみに、フライロッドの場合、ライフタイムワランティー(生涯保証)制度をとっているメーカーが多いですので、この値段でもある意味安いのかもしれませんね(保証については各メーカーで確認ください)。
あとは、メーカーホームページを穴が空くくらい眺めたり、ハーミットさんのようなプロショップなどに出かけて現物を確認して、なんか自分とフィーリングが合いそう〜くらいのノリで選んで大丈夫です。
「数万円もするのにそんなのでいいのか!」
はい。大丈夫ですって。大枚叩いて買うわけです。自分の手足のように使いこなしたくなりますから! そう、買ったロッドが、あなたの形になっていきますよ! そういう釣りなんです。
じゃあ、次! リールですが、コレ買ってください。もう1個しか指定しません!
HARDY マーキスLWT4 ¥34,000←ハーミットで購入可能です
理由ですか? カッコいいから。そしてHARDYだから。んでもって、Made in Englandだから! そして、このリールはいずれ遠回りしてでも最後には持つことになるリールだから。です。
俺は画一的なスタイルは嫌だ! とおっしゃるならわかりました。同じ値段帯(3万4000円前後)の、自分の好みのリールを買ってください。別にどこの国で作られたリールであっても構いません。デザインで選んでください。で、できれば海外メーカーのリールにしてください。国内メーカーを虐げるわけではないのですが、兎に角、最初は海外メーカーのリールにしましょう。そうですね、アメリカのメーカーにしときましょうか。トランプさんも喜ぶでしょう(笑)。
それぐらいの値段帯であれば、変なフライリールはないと思います。機能ですか? ドラグと呼ばれるブレーキ機構に差異がありますが、そこは見なくていいです。デザインだけで買ってください。
ちょっといい加減すぎる? わかりました、リールについても次回、解説しましょう。でもとにかく今はこれで言い切らせてください。
あまりの値段に震えたあなたへ贈る、ロッド、リール、ラインのフルセットで2万円以下の「使える道具」
フライフィッシング6大ブランドのあまりの値段に震えて、フライフィッシングを諦めないでください。でも、大手通販サイトのフライフィッシングセットは買うのを控えてくださいネ。
こんな事例がありました。フライキャスティングのスクールを開催したショップがありました。お客さんは自分の道具として7000円程度で買えるフライのセットを通販で購入して持参。いざキャスティングの練習を開始しましたがいっこうにキャスティングが上達しない…。なぜかと思って原因を探ってみると、まったく道具として機能しない「フライライン」が同梱されていたのです…。
フライキャスティングにはロッドを機能させ、小さなフライを魚のいるポイントに運ぶための、非常に単純な原理があるのですが、そのセットの道具には、その原理原則を遂行できない代物だったのです…。こんな事例は多々ありますので、通販で買うのであれば、信頼できるセットを購入してくださいませ!
ということで、フライのプロショップ、ハーミットの店主、稲見さんに相談。
稲見「うーん…。ルアマガプラスさんで挙げた6大ブランドがあるじゃないですか。それの廉価モデルでもいいと思うのですが、言ってもその6つはハイエンドブランドで、あまり、安価なモデルはイメージもあるので作らないんですよね」
編集「アパレルメーカーと同じですね」
稲見「でも、エントリー層向けの廉価モデルって出さないと業界的にまずいじゃないですか。そこで、ある意味6大メーカーのセカンドライン的なブランドが存在しているんですよ」
編集「アバ◯ロに対してのホリ◯ターみたいなもんですかね」
稲見「ですです。例えばセージに対してのレディントン。HARDYに対してのグレイス…。で、別に何かのメーカーに対してのセカンドブランドというわけじゃなく、ルアマガプラスさんのいう6大メーカーに続くメーカーというのがあるので、そこのメーカーのを紹介したらどうですか? 格という意味ではベテランが見ても、お?と思うメーカーたちですね」
編集「なるほど、映えますね!」
稲見「だいたいそういうメーカーって、フライの有名なアングラーがタックルのデザインを手伝っていたりするので、モノは良いんですよ。2万円で以下でロッド、リール、ラインが揃えられますよ。で、オススメしたいのがエコーというブランドです。大丈夫、映えるブランドですよ(笑)」
ということで、エコーというブランドのセットを提示します。こちらは、ハーミットさんで揃えられますので、問い合わせてみてくださいね。
ECHO BASE 489-4 8ft #4 ¥12,000
ECHO REEL #4 ¥5,000
Axisco Quality Products エイシスフライライン DT-4F(写真は型番違い)¥2,700
合計で19,700円。あ、ごめんなさい税込みだと21,276円。2万円超えちゃいましたけど、趣味に投資する金額としては、これぐらいなんとかなりますよね!安くはありませんが…。
さて、フライキャスティングの入り口に立つためには、あと、3つ小物の購入が必要です。テーパーリーダーと呼ばれるライン。これは太いフライラインに繋ぐものです。そしてそのリーダーの先にティペットと呼ばれる細いラインを継ぎ足します。そして、その先にフライ、つまり「毛鉤」をつけるのです。最初の練習時には鉤のついたものを使用すると危ないので、3cmくらいの毛糸か、綿を用意してください。仮に本物の毛鉤を用意したとしても、3つ併せて+1500円程度です。つまり2万3000円を切るぐらいで、なんとか入り口に立てます!
さぁ、まぁ、リールの話はいずれ何処かに挟むとして、もう実戦に向かいたいですよね! わかりました。では、難しい難しいと言われている「フライキャスティング」について次回からじっくり解説したいと思いますよ! どちゃくそ簡単っすから! 1-1のクリボー倒すくらい簡単ですから!