ソルトウォータールアーターゲットとして全国的人気を誇る「シーバス(スズキ)」
なかでも東京湾(神奈川、東京、埼玉、千葉)はルアーシーバス発祥の地であり、湾奥や干潟、河川、磯など様々シチュエーションがあり全国的にも“激戦区”といわれる。そんな激戦区を知り尽くす、キャスティングのカリスマ店員・小出さんに毎月、前月の釣果状況及び、翌月の釣果予測&オススメルアー&オススメフィールドを予想して頂きます!東京湾にとって最もタフとなる夏、だが決してチャンスがないわけではない!小出さんに根掘り葉掘り聞いちゃいました!!
夏はオフショアの釣りにも夢中なキャスティングのシーバスエキスパート!!
6月の東京湾シーバスの状況
ルアマガ+「6月の上旬より関東も“梅雨入り”をしましたが、東京湾のシーバスの状況はいかがでしたか?」
小出さん「6月は前回の予想がかなり的中したかなと。その理由も今年の梅雨が、全然雨が降らない空梅雨だったり、雨量が多すぎたりなどもぜす、程よい雨量の梅雨だったお陰で、河川では雨による溶存酸素量も増え、水の状態も良くしっかり魚が入ってました!
多摩川、荒川、旧江戸川も好調でデイゲームではかなり釣果が出てましたよ!
釣り方も前回で解説した通り、バイブレーション。河川の水深によってサイズや重さを使い分けて使用していました。活性の高い時は表層や中層でも喰ってきましたし、喰い渋くなればボトムをリフト&フォール。
クロダイも良く釣れてましたし、他魚種も釣れるほどそれだけ河川にベイトが入ってきている証拠だと思います。
河川のナイトゲームも橋脚の明暗を中心にポロポロ釣れていました。ですが、やはり前回お話した通り、6月は昼間に潮が動く時間帯が多いのでデイでの方が釣果が安定していましたね。
しかし、唯一予想が外れたのが港湾部のオープンウォーター(若洲海浜公園など)でのイワシパターンが不発。
それもベイトはイワシやサッパなどのベイトはしっかり入っていたのですが、思った以上に河川のコンディションが良すぎてシーバスも河川に集中していたのが原因かと。代わりにタコが今年東京湾では大発生してますけどね(笑)」
6月のヒットルアー!
モアザンリアルスティールTG18g(DAIWA)
小出さん「先述した通り、河川のデイゲームで釣果が爆発したのはバイブレーション。
やっぱどうしてもこの時期の魚は涼しい所に入りたくて、川に入ってくる理由も海で流れが緩いところにいるよりも水温が低く、流れのある川にいる方が居心地が良いんです。勿論同じ条件でベイトも集まってくる。つまり、流れがしっかりと効く、河川の流心を中心にシーバスもベイトも含め魚はつくんですよ。6月は河川にいる魚はまだそこまでだれてなく、活性が高い個体も多いのでので表層、中層でベイトを追っかけています。
都内の荒川や旧江戸は川幅が広いところなので、キャストの飛距離は重要です。しかし飛距離を出したいがためにあんまり重すぎるとボトムを引きずってスタックしてしまう。そうなると18gぐらいの鉄板バイブがベスト!!
自分の行ったフィールドではモアザンリアルスティールTG18g(DAIWA)がハマりましたね。
モアザンリアルスティールはノーマルの18gとTG(タングステン)モデルの18gがあります。但し、TGの方が動きのピッチがタイトで、引き抵抗もよりしっかり感じられます。どちらが良いというのではなく、フィールドによって使い分けて頂ければと思います」。
7月のキーは「雨とリアクション」7月の東京湾シーバスの攻略予想とオススメルアーは?
ルアマガ+「まもなく梅雨が明け、本格的な夏を迎えます。7月の東京湾のパターンを教えて下さい」。
小出さん「日に日に水温が高くなっていく時期で、梅雨が明ける7月の後半まで梅雨のパターンは有効かと思います。しかし、梅雨が明ければ一気に夏が始まります。梅雨時期だったら雨が降ったりして水温が上がらずにシーバスも口を使ってくれるが、梅雨が明けたあとは水温が上がり、川にいるシーバスもだれてしまう。そうなると喰いが渋くなります。
しかし、海に比べ、流れがあり酸素量の多い川には引き続きシーバスもステイ。
よって7月の河川では攻める場所は変えずに攻め方を少し変えます。それがリアクションです。
バイブレーションただ巻きだった6月とは違い、リアクション要素を多く入れ魚の喰い気にスイッチを入れさせます。丁度これから発売されるミニエント70(DAIWA)は特にベスト。
川の流心にフルキャストして、流心でリフト&フォールや3Dダートを入れて喰わせます。
また、バイブレーションのリアクションだけでなく、ワームも有効。コアマンのVJシリーズやブルーブルーのジョルティなど。
ワームのデメリットであった飛距離を解消されたものを各社リリースしはじめ、使っている人は増えています。
バイブレーションはどうしても引くのが速くなったり、リアクション的要素で喰わすんだけど、シーバスの目の前に、あんな柔らかくて波動の弱いものがくれば食べちゃう(笑)
だるくなっている魚がワームだと違和感なく口を使ってくれるんですよね。
今までは飛距離が出なくて、手前のポイントしか狙えませんでしたが、川の流心に届くワームが出てきているので、今後は渋い時期はワームの需要も更に上がりそうですね。
あと7月の河川でのボーナスチャンスは雨が降ったあと!雨量の少ないしとしと雨ではなく、ドカっと雨が降ったあとの河川はかなりチャンスです。雨量の多い雨が降れば水温が下がり、一気に魚の活性が高くなるんです。透明度が10cmないような激濁りの河川でもかなり釣れます。
濁ったあとだとルアーゆっくり巻いても釣れるし、日中でもかなり派手なカラーのルアーでも釣れます!ルアーはしっかり見せられるものならばミノーなどでもOK!
また秋には最盛期を迎える河川のナイトゲームのはしりが7月から始まります。この時期の河川はベイトも育ってきてハクがイナッコサイズ(10cm程)になり、他にもサッパやハゼなどもベイトも捕食します。
河川上流域でのイナッコイメージでは、前回紹介したサイズアップバージョンのモアザンクロスウェイク90F(DAIWA)、そして中流域、下流域での表層のサッパやイナッコイメージにはソラリア85F(DAIWA)を使用します。
あと万能に使えるのが、モアザンスイッチヒッター85S(DAIWA)。河川の上流域から下流域まではイナッコやサッパをイメージしながら、表層での使用。また沈めればボトムのハゼをイメージして使用も出来ます。都内の河川ではこの3つが使いやすいと思います」。
ルアマガ+「7月の港湾部はどうでしょうか?」
小出さん「7月の港湾部は水のいいエリアでの壁打ちが例年のパターンです。実は6月頃からポロポロ釣れ始めています。
この時期の港湾部のシーバスは数は多くいるのですが、群れでおらず、活性も魚ごとにバラバラ。
オカッパリで釣れるであろう魚はカニやエビがいるであろう港湾部のストラクチャー(壁、橋脚)にじっとしており、食べれたと思った瞬間動き出すような魚です。
これをただ巻きではなく、ストラクチャーの壁際をミノーのトウィッチング、ジャーキング、橋脚をバイブレーションのリフト&フォールなどのリアクションで喰わせます!
この魚は活性が高いと言ってもリアクションをいれないとほぼ喰いません。
具体的なルアーでいうと、ベイソールミノー73S(DAIWA)のジャークやトウィッチング、ミニエント57S(DAIWA)の3Dダートやリフト&フォール。こういった小技を効かせたリアクションで喰わすのが港湾での7月です。
非常にテクニカルですが、かなり釣った感が味わえる釣りなのでチャレンジしてみるのもアリですね」。
小出さん「7~8月が東京湾でシーバス釣りをするのが一番厳しい時期です。
厳しい時期なんですが、決してシーバスが釣れないということではありません!!。上記のポイント選択やルアー、釣り方をアジャストさせればきっとシーバスと出会えるはずです!
また7月は日中潮が動かなくなり、朝夕のマズメ時に潮が動くことが多くなります。河川では雨後のマズメ(朝、夕)港湾ではストラクチャーがしっかりあるような小場所を潮の動くマズメ時に狙えば釣れる確率がグッと上がりますよ!!」
次回は7月を振り返りながら、8月のパターンを予測して頂きます!東京湾シーバスを今月もエンジョイしましょう!!
小出さんオススメのシーバスルアーは下記キャスティングオンラインにて購入も可能!!要チェックだ!!⇩