あのMEGABASS(メガバス)とのスペシャルコラボロッド、BUCHINUKI POWER MOBILEのスペックを大公開!



企画から1年以上の歳月をかけてじっくり、開発をすすめてきたメガバスとのコラボロッド「BUCHINUKI POWER MOBILE」そのコンセプト、スペックを公開。スタンバイしているのは唯一無二のパワースピニング「LM-714MS」と、ねじ伏せ型パワーベイト「LM-714MC」。強力無比な双子のマルチピースロッドがなぜ生まれたのか。そしてどこに向かうのか。



湾岸地域の足場高エリアで、なるべくネットを持参せずに釣りをしたい

当初開発時のコンセプトは、その多くのポイントが足場高でフェンスやガードなどが設置されている、東京のベイエリアで、なるべく身軽に釣りを楽しみたいという思いからだった。仕事帰りに、タックルを持ち込むのに、おそらく難関になるのは「ランディングネット」。

もちろん、それを持ち歩ける状況であれば、持つに越したことはないが、仕事帰り、電車に乗って動くにせよ、少々、ランディングネットはかさばるものだ。理想は、ロッド、リール、そしてルアーボックスに、コンパクトなフィッシュグリップ。あとは腰巻きタイプのライフジャケットくらいだろうか。それぐらいならば、コンパクトに持ち運びが可能だ。

そこで、4ピースのマルチロッドで開発することが決定。なおかつ、足場高、フェンスやガードが設置されているポイントで、釣り上げたターゲットを素早くロッドだけでぶち抜いて、なるべく地面に付けず、さっとフィッシュグリップでホールド、そして写真を撮ってリリースというスマートさを実現できる「湾岸ぶち抜きパワーコンセプト」を打ち立てた。ロッドの名前の由来はそこにある。

本来ならばベイトロッドでデザインしたい。しかし、ソルトルアーマンはスピニングを好む!「湾岸BUCHINUKI」プロジェクトスタート

合理性を求めるならば、その手のロッドはベイトロッドで開発すべきだ。しかし、多くのソルトルアーマンはスピニングリールの扱いに慣れている。ついでに言うと、計画しているようなパワーロッドは、スピニングではあまり存在しない。その他にない感は「特徴」になる。

当初はLML(ルアーマガジンリンクス)とメガバスのソルトブランドであるnadarとの共同開発という形で企画がスタートした。開発コードは「湾岸BUCHINUKI」

4Pのマルチピースでぶち抜き仕様のモバイルスピニング。ひとつのコンセプトが固まった。しかし、よく考えたらマルチピースのパワー仕様ベイトロッドというのもそう市場には多くない。同じブランクを使って2仕様を開発しようということになった。

4ピースのパワーロッドというコンセプトは、開発当時と変わらない。
テストは港湾部をメインにまずはすすめられた。
港湾部以外にも、パワーを要するオフショアでのハタを相手にテストを繰り返した。この使用感がすこぶる良く…. 。


nadarブランドのメガバスへの統合が「潮目」に。C.E.O.伊東由樹氏が開発に電撃参戦

順調にテストが繰り返され、チューニングされていった「湾岸BUCHINUKI」コンセプトの2機種。ほぼブランクの調整が終わろうと言うころ、当時の共同開発ブランドであったnadarがメガバスに統合される決定がなされた。そのタイミングで、あのメガバスのC.E.O である伊東由樹氏の目に、このロッドのコンセプトが目に止まる。

メガバスの創始者にして、伝説のアングラー。深い知識から生まれる釣獲性能の高いルアー群は多くのアングラーを魅了する。ルアーだけでなく、ロッドのデザインに関しても造詣が深く、そのデザインセンスは一級。アングラー心をくすぐる、素晴らしい製品群を今もなお一線に立ち積極的にリリースする、天才エンジニアだ。

また、小社LML(ルアーマガジンリンクス)も、母体となるLUREMAGAブランドの発足により、小売店向けブランドチャンネルとして差別化されることになった。小社のロッド群は、一般のメーカーのように多くの本数を製造販売するスタイルでないため、小売店では非常に販売しにくいアイテムとなっている限定企画アイテムだ。湾岸BUCHINUKI企画もその性質上、小社販売サイトでのみの販売になるので、「LUREMAGA」のブランドを背負い開発が進められる運びとなった。

話を戻そう。メガバスC.E.Oの伊東由樹氏の目にこの企画が止まったことは僥倖だと言えた。卓越したタックル開発技術や、デザイン技術を持つ伊東氏が、最終のブランクをチェック、アクションはもちろん、パーツデザインを含めて自ら陣頭に立ち、BUCHINUKI開発陣にそのノウハウを注入してくれたのだ。

微細なアクション調整は、よりロッドを実戦的に、そして実用的に変貌させ、小さなバランス調整だったのだが劇的に使用感が改善されたのだ。そして、なにより攻撃的な伊東イズムが注入されたデザインにより、まさにメガバスとしての風格を身にまとったのだ。

ひとことで言うと「かっこいい」だ(笑)

上がベイトキャスティングモデル。下がスピニングモデル。どちらも同じアクションで、MH以上のパワーを持つ。

テストには多岐にわたるターゲットが対象になった

開発当初のメインターゲットであるシーバスはもちろん、チヌ、タコ、ナマズ、タイ、ハタ類、ブラックバス。その使用感と強度テストを兼ねてあらゆる魚種でそのブランク性能をテスト(テスト時の模様は後日公開)。

当初コンセプトであった、足場高エリアでのBUCHINUKIランディングは、想定を超えてロッドが仕事をしてくれている。これだけのバットパワーにもなると、フッキング性能やバレにくさとはトレードオフの関係になりがちだが、そこは伊東社長をはじめ、メガバスの開発陣が絶妙なテーパーバランスでそのデメリットを相殺してくれている。

30cm台のシーバスであっても、バレやすいという認識はほとんどない。パワーゆえの身切れなどの可能性が無いわけではもちろん無いが、それでも、この使用感でここまでの追従性を身につけているのは、さすがメガバスビルドだとしか言いようがない。



テストを重ねるうちに、シーバスだけでなく様々なターゲットに対する汎用性を発揮。コンセプトとしてはパワーゲーム用ということになるが、その実力の高さを垣間見ることができた。この絶妙なパワーロッドの立ち位置で、4ピースというのはスピニングに限らず、ベイトでさえメガバスとしては、唯一無二と言える。他社を見渡してもそう同コンセプトのロッドは多く見当たらないだろう。

「シーバスはもちろん。怪魚などにもベストですね。なんというか、メガバスビルドの超汎用パワーロッドじゃないですか」

そんな経緯もあり、開発コード「湾岸BUCHINUKI」は、「BUCHINUKI POWER MOBILE」としてそのロッドのポテンシャルをみなさまに公開していくことになった。次回からは、それらのテスト風景を大公開し、このロッドの魅力をさらにお伝えしていきたいと思う。発売、受注開始は正式に決定次第、ルアマガプラスで公開していく予定だ。

一気に足元にターゲットをBUCHINUKIして、速やかにランディング。道具を少なくすることで、手軽に釣りを楽しめるコンパクト・フィッシングを提唱する。
レングスはスピニングもベイトキャスティングモデルも7ft1in。ルアーの最大が28gとなっているが50g超の大型バスルアーも容易に扱える。もちろん、30gや40gのメタルジグを背負うことも造作がない。
ただパワーがあるというだけでなく、フックセットからのやり取りでのロッドの柔軟性、追従性いついても声を大にして言いたい。すげぇぞコレ! メガバスの設計陣に心から敬意を評したい。
全体的なロッドのコスメデザインは、伊東社長がかなり肝入りで陣頭指揮。攻撃的ながらメガバスのテイストを損なわない、いままでにないデザインになった。アーミーグリーンのブランクと合間って、このオーロラパーツがぐっと活きてくる。
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