めちゃくちゃ気になってました。動画もずっと拝見してました。なんでもサバを7日も10日も熟成させて、めちゃくちゃ美味しくする「締め方」があると…。ウナギも、なんと刺し身で食べられる締め方があると….。その締め方をYou Tubeなどで公開していた方が津本光弘さん。その津本さんの名前をとってその方法を「津本式」というのですが…..。
津本さん緊急上京! まずは「立喰い寿司 にぎりて」へGO!
とあるプロジェクトをすすめるために、台風が九州に接近するさなかですが、その究極の血抜き「津本式」の発案者、ご本人、津本さん上京いただき打ち合わせをすることに。
津本「とにかく、話をする前に、熟成魚の旨さを知ってもらうには、食べてもらったほうが早いと思うわ。西新宿に僕が締めて魚を卸している寿司屋さんがあるんよ」
実は、上野駅で夕食をとったあと、その寿司屋に行こうという話になり、山手線を使い新宿駅へ。そして新宿駅西口を降りて少し歩いたた場所に、津本さんが魚を定期的に卸しているという「立ち喰い寿司 にぎりて」さん(〒160-0023 東京都新宿区西新宿7丁目9-15 新宿ダイカンプラザビジネス清田ビル ☎03-6908-5178)があり、そちらに到着。
ちなみに津本さんの本職は、宮崎県の長谷川水産という魚屋に勤めているお方なんですね。つまり、こういった寿司屋や料亭などに魚を卸すのがお仕事なのです。
熟成魚なんて一聞すると、ちょっと怖くありません? でも大丈夫なんですよ!
そんなこんなで、到着してカウンターに座ります。メニュー表を見ると、熟成肉…いや、熟成魚のラインナップが。
鬼ヤマメ?9日?? ちょうざめ8日?? カンパチ8日?? で、生サバ5日???
お魚の味を引き立てるために、数日寝かせることは普通にしますが、寝かせる日数がちょっと長くないすか??? そう、これが津本式の為せる長期熟成を可能にした「究極の血抜き」によるものなのです。しかも、ちょっと見かけない魚を卸してますね。
津本「津本式のキモは魚の完璧な血抜き。この作業を水道の水でやることで、熟成に耐えうる雑菌の繁殖しない、腐敗ではなく熟成する下地を作ることができるんよ。ちなみに、保健所で刺し身に出していい「身に繁殖している細菌」の基準値があるんですが、この処理をして5日後でも、その細菌数は基準値の2.4%だったんですよ(笑)
あと、言い方悪いけど、普通ならばゴミみたいに扱われる魚も、むちゃくちゃ美味しい魚に変わるからね。だから、定番の魚、以外に、少し変わり種の魚を送ってるんよ。」
つまり、まさに魚を寝かせられる下地ができるということですね。しかも、それにより普段はネタにしないような魚も化けると??
しかし、締め方、寝かせ方でそんなに味が変わるもの? ほんとうでしょうか。兎に角、食べて判断でございますよ!(生意気ー)。そんなこんなーで、オーナーのお任せお熟成魚のお寿司パレードがスタートします。でも、見てください。価格の安さを! 安心して食べられますよね。で、一貫目。…..。にぎりてオーナーシェフの土屋景一さん、こちらは?
土屋「チョウザメです」
!? チョウザメのお寿司? え? 生臭くないんですか。大丈夫なんですか。そうなんですか、わかりました。では、パクリ。
……。え? なんですかこの旨味と味の濃さ。右脳も左脳も、舌突、舌根も震えます。誰ですか?魚は新鮮がいいなんて言ったのは。アバロンの花園が広がるように、魚の旨味が口いっぱいに花を咲かせます。革命や! EUからイギリスが離脱する勢いの革命やないかーい!
津本「魚は新鮮なうちに締めるのが大事。だからそれは間違っていないですが、美味しくなるのは、しっかり熟成させてからですよ。新鮮な魚ももちろんアリだと思いますが、熟成させた魚を食べてみてください。このお店、本当にリーズナブルな価格で熟成魚のお寿司を食べさせてくれるので、まずは食べてみてください」
最初は熟成魚が美味しいと言っても、箸を落としてしまうほどとは思っていませんでした。すいません。でも、箸を落としてしまうほど劇的な味なんです。そう、劇場ですよ。熟成魚劇場!
ほら、どんな食通でも白身魚のブラインドをさせると、ほとんど何の魚か当てられないっていうほど、味の選別をするのが難しいって言われているじゃないですか。しかし、熟成されたお魚というのは、個性が驚くほど引き立つんです。
こ、これが、これがこの魚の味かっっっ!!という感じで引き立ちまくるのです。食事をしたあとだったのに、もう、手が止まらない! あれよあれよとおまかせコースを完食。ほんとに、新しい「魚」という食文化を垣間見た気がします。これを知らなかった自分が憎い。
津本式の「血抜き」は仕立て。熟成は料理人の技
ということで、津本式で締めた魚をいただいたわけですが、この津本式はあくまで、魚の「処理」の方法とのこと。
津本「僕は、この血抜きの方法で魚を仕立てて熟成に耐えうる素材を提供しているだけなんです。僕のやってるYou Tubeでは、魚の締め方についてはしっかりと解説してきましたが、その先を実はあまり説明できていないんです。つまりは熟成の方法。これについては、その方法を確立した料理人さんを紹介しますから、取材してください」
いや素晴らしい。公開が進んでいない、その部分。ぜひ取材させてください。
津本「やりましょう。僕は、普段、食卓に並ぶ魚や、釣り人の釣ってくる魚は、もっと美味しく食べられるということを世の中に広めたいんです。例えば、釣り人でさえ持ち帰ることを躊躇するソウダカツオ。津本式で処理したらめちゃくちゃウマい魚に化けます」
か、カツオはどうですか? 血抜きがキーとなる津本式ですが、カツオは「血の味と臭みが至高」なんて人もいるじゃないですか。血を抜いたら台無しなんてことにはなりませんか?
津本「そういう味を否定はしません。でも、津本式で完全に血抜きして熟成したカツオを食べてみてください。別の世界が広がっていますから。カツオの味が変わります(笑)。まぁ、そんなふうに、色々伝えたいことがありますよ。世の中で言われている魚の旬の誤りとかね。あと、高級魚と呼ばれない魚たちが、どれだけ処理を間違えなければ美味しかとかね」
話は尽きませんね! 原理から技術まで。なぜ津本式で締めた魚が旨くなるのか。その奥深さに触れれば、まさに「魚」という素材の革命が起きると思います。だってウナギの刺し身なんて食べたことあります? 一部の秘伝のように扱われてきた料理ですよ。
津本「タイミングが合えば、にぎりてさんで、そのウナギの半生寿司が食べれますよ。通ってみてください。確かにウナギなんですよ生でも(笑)そして、めちゃくちゃ美味しいですから」
う、ウナギの生のお寿司。そ、それを食べるまでは死ねないです。ということで、プロジェクト始動です! ルアマガプラス、津本式をガッツリ追いかけていきますので、今後ともよろしゅーです! プロジェクトの全貌はまた後日!