大変久しぶりに日本淡水魚のお話をしたいと思います。みなさま、突然ですがスゴモロコと言うお魚をご存知でしょうか?
スゴモロコ属の魅力
淡水魚を捕獲して自宅で飼うと言う趣味を初めて、2年以上が経ちます。近隣で欲しいと思う淡水種はひととおり捕獲、飼育し、最近は採って飼うと言うより、採って見て逃すにシフトしつつあります。
ですが、飼育コンプしてみたい魚の種があります。それはスゴモロコ属と言うモロコの名を冠する一連の4種です。
スゴモロコと最初に出会ったのは、台風19号ハビキスで甚大な被害を被った、埼玉県は川越地区の用水路。仲間たちとワイワイ、タモ入れをしていたら見知らぬ柄の魚が一尾入りました。ゴマダラの背中に、透き通るような銀色の体色。そして儚い感じのする線の細い感じ。
当時はまだ、淡水魚の識別もあまり出来なかったので、仲間のマニアに尋ねるとスゴモロコと言う魚で、数の減ったレア魚だと言うのです。
妙に気になって飼育することにしたのですが
、数を減らしている理由が飼うとわかりました。遅い、トロい、うまそうなんです(フィッシュイーター的に)。釣りをやってる方ならわかるかもしれませんが、ワカサギ的な動きなんです。機敏じゃない(笑)
ただ、とて美しい魚でした。いや、実際には地味なんでコレに惹かれるのはマニアだけかもしれませんが…。
スゴモロコ、イトモロコ、コウライモロコ、デメモロコ
調べると、スゴモロコ属と言うのが存在していて、あのカマツカと親戚だと言うことがわかりました。キラキラと銀色が映える理由が理解できます。ただ、タモロコ、ホンモロコとは類縁関係は遠いようです。名前は似てるのに。
また、スゴモロコは4種いて、スゴモロコ、イトモロコ、コウライモロコ、デメモロコに分類されることが分かりました。
そんなこんなで、九州に行ったおり、佐賀県の水路でスゴモロコ属がタモに入ります。アブラボテやカゼトゲタナゴ、ニホンバラタナゴを探していた時のことです。九州だし、先日捕まえたのとは違うだろうと、ワクワクして持ち帰って同定すると、イトモロコだと言うことがわかりました。2種集まると、残り2種も見てみたいと思うのがコンプ好きの性です。
残り2種は関西、淡水魚の宝庫、淀川、琵琶湖界隈に生息するとのこと。
飼うまではともかく、捕まえて、観察ケースに入れて写真を撮ってみたいなあ、とうずうずしております。
先日の台風19号を含め、人を取り巻く環境はもちろん、淡水魚を取り巻く環境も激変していくのではないかと考えさせられる昨今。
外来魚の影響とだけミクロに指摘して、環境の破壊者と槍玉に挙げるのではなく、環境全体を見渡して解決策を模索しなければ、人知れず消えていく種もあるのではないか。しみじみ、この儚い泳ぎを見せるスゴモロコを見て感じたのでありました。
とっても愛嬌のあるレア魚。そして「いい川」に棲む魚
実は…