テンリュウの本格派シーバスロッド『スワット(SWAT)』が2020年にフルモデルチェンジ! ここでは全モデルのスペックと各パーツのこだわりなどを詳しく紹介してきます。強いオリジナリティとメッセージ色にあふれたキャラクターを持つ各モデルは、コアなシーバスファンならずとも魅力的に映るはず。自分のスタイルに合った1本を見つけ、ぜひフィッシングショー等でチェックしてみて下さい!
久保田剛之さんによる、NEWスワット実釣インプレッション動画をチェック!
『進化した個性』と、現場での『高い応用性』、それがスワットのリニューアルコンセプト!
NEWスワットの根底にあるコンセプトは『進化した個性』です。スワットシリーズは現在主流となっているシーバスロッドとは明らかに別の流れをくむ、「曲げて獲る」ことにフォーカスが当てて開発されています。
個性的なんですが、奇をてらっているわけではもちろんなく、ブランクスにしっかりと仕事をさせてシーバスを獲るという、ロッド屋ならではのとても理にかなったコンセプトです。そして、そこが「テンリュウロッドは玄人好み」と言われる理由のひとつでもあるんです。
竿の曲がりと感度は、一般的に相反する要素だというのはご承知の通りです。ただ、テンリュウはその両立をあきらめなかったんですね。従来のスワットの「曲げて獲る」というコンセプトはキープしたまま、各パーツのブラッシュアップやロッド全体のバランス設計を最適化することで、ルアー飛距離を向上させ、さらに感度UPも達成した。これには、久保田剛之さんを始めとした、めちゃくちゃシビアな目を持つテンリュウテスター陣も唸ったわけです。
余談ですが、インタビュー取材で久保田さんに「ほとんど直すところはなかったですね。それほど全体的な性能の向上を感じた」と言わしめたほどです。この辺りは、「自社開発、自社生産」という高い技術力を持つロッドメーカーである、テンリュウとしての矜持を感じるエピソードですよね。
そして今回、NEWスワットの全モデルが公開になったので、それぞれどのようなキャラクターを持っているのかをチェックしていきたいと思います。近年のテクニカルなシーバスフィッシングの中で徹底的に鍛え上げられ、各フィールドで求められる要素を洗い出し、ロッドのオリジナリティとして組み込む、『進化した個性』が集まった厳選された6モデルはどれも魅力的! ホント、困ったものですね……。
NEWスワット、各モデル共通のコンポーネンツ
まずは、6モデル全てに共通の要素からお勉強。ちょっと我慢してお付き合いください。
●ブランク
バット部にC・N・T(カーボンナノチューブ)を採用
カーボン繊維の中に樹脂との間にC・N・T粒子を入れ込むことで、カーボン繊維間の結びつきを強化されています。これにより、粘りと強度が向上するので、よりタフな状況やハードな使用条件でも、アングラーをしっかりとサポートしてくれます。強風にも耐える粘り強い土壁を想像してもらうと、C・N・Tのイメージが湧くはず。
簡単に言うと、C・N・Tを採用することで、ロッドの自重を上げることなく強度と粘り強さを向上させることができるということ。また、ブランク全体をアンサンド仕様とし、無駄のない運動性能を追求している。
●ガイド
チタンフレーム・SiC-SリングのKガイド
ガイドにはチタンフレーム・SiC-SリングのKガイドが採用されています。実は、このガイドのセッティングはかなり吟味されていて、シーバスで使用頻度の高い2500~4000番のリールを想定し、
各モデル慎重に大きさやフットの高さを調節。
リールのスプールから放出されるライン角度により、テストではミリ単位でガイド位置を調節し、ルアー飛距離が最大となるように設定されているんですね。ちなみに、テスト中、ほんの数mm位置が違うだけで、使用感が大きく異なったこともあったそうです。
●グリップ
高感度・軽量の西陣織カーボンオリジナルグリップ
フォアグリップとリールシート部に、西陣織仕様のカーボンパイプを採用しています。写真をよくみてもらうと、カーボンが緻密に織り上げられているのがわかります。これは単に見た目が良いだけでなく、カーボンを西陣織で編み込むことで感度UPと軽量化を達成しているんですね。
グリップに日本の文化を入れ込むことで、デザイン面でもより一層の深みを与えながらも、機能性を持たせているというのが所有欲をそそります。シートリングにはローレットを刻み、濡れた手でも滑り難い加工が施されています。
NEWスワット全6モデルを一挙に紹介!
NEWスワットにはどんなモデルがラインナップされているのか気になっているアングラーも多いはず。まずリリースされるのは以下の6本。使えばきっと、各フィールドで有利に釣りができる『進化した個性』を実感できるはず!
●SW842S-LML Tidal Walker
港湾部を軽快に攻めるランガンショートロッド
ショアからの釣りで、近距離の正確なキャスティングや中間距離のテクニカルゲームに対応する。港湾部・中規模河川・運河など、機動性の求められるフィールドを、限られた装備でランガンしていくのにぴったりの1本だ。小型バイブといった各種プラグ、ワーム類と、ベイエリアで使用するルアーに幅広く対応する。
【SPEC】
●全長:2.54m(8ft4in)●継数:2本 ●アクション:レギュラー ●適合ルアーウェイト: MAX30g ●適合ライン/PE:MAX16lb/MAX1.2号 ●ロッドウェイト:130g ●価格:48,500円(税抜き)
●SW922S-M Overambitious
激流に潜むシーバスを制圧するパワーモデル
流れの強い河川や干満差のある潮流が強いエリアなどで、流れに負けずに強引にシーバスを寄せてくることができる。また、ルアーを繊細に操ることができる操作性も持ち合わせている。各種プラグ、スピンテールやメタルジグ、ビッグプラグにも対応。ブランク全体に迸るシャープさと芯が残るパワーが売りだ。
●SW932S-LML Tidal Walker
遠投もピン撃ちも可能なレングスで、シビアなフィールドを攻略
湾部や中規模河川に適した前作のタイダルウォーカーをロングレングス化。ピンスポットを打ち抜くアキュラシー性能と、ロングキャスト性能を両立させた。ハイプレッシャーエリアの手付かずのスポットのアプローチが可能になる。ベイエリアで使用するルアーに幅広く対応し、デイ・ナイト問わず、シーズンを通して攻めの一手として活躍するモデルだ。
【SPEC】
●全長:2.82m(9ft3in)●継数:2本 ●アクション:レギュラーファスト ●適合ルアーウェイト: MAX35g ●適合ライン/PE:MAX16lb/MAX1.2号 ●ロッドウェイト:140g ●価格:51,000円(税抜き)
●SW972S-ML Distance
久保田剛之監修のバーサタイルランカーハンティングロッド
孤高のランカーハンター、久保田剛之さん監修モデル。ターゲットのサイズに応じてパラボリックに曲がるブランクで、ショートバイトを絡め取るしなやかさも兼ね備えている。曲げて獲る性能はさらに研ぎ澄まされ感度とシャープさもアップ。エリアは中・大規模河川やサーフ、干潟で、磨き上がった遠投性能でさらに使いやすくなった。
●SW1163S-M Variable Master
磯のヒラスズキゲーム対応のロングモデル
狭いスリットにタイトにルアーをアプローチし、ヒットさせたら一気に寄せてランディング。瀬を超えて魚を寄せてくる際も、ロッドを保持したまま魚を留められるしなやかなアクションが特徴だ。足場の低い遠浅の磯場のヒラスズキゲームをメインに、その汎用性を生かしてゴロタ、消波ブロック、サーフでも活躍する。
【SPEC】
●全長:3.51m(11ft6in)●継数:3本 ●アクション:レギュラーファスト ●適合ルアーウェイト: MAX50g ●適合ライン/PE:MAX25lb/MAX2.0号 ●ロッドウェイト:225g ●価格:67,000円(税抜き)
●SW1253S-MMH Variable Master
柔と剛の絶妙バランスで荒磯に挑む
シャープさと粘りの要素をバランスよく配合した、荒磯対応のロングモデル。シャープな振り抜きとアキュラシーキャストを実現しながらも、ヒット後はバラシを軽減するしなやかさでサポート。エラ洗いや激しい突っ込みにも素直な曲がりで追従する。波風が強く、足場の高い磯場でも高いパフォーマンスを発揮する1本だ。