ヘラブナ釣りの楽しすぎる「ウキ」と「アタリ」。ワクワクすっぞ!!【未経験者が半年でヘラ王を目指す連載 #04】



ヘラブナ釣りの魅力を余すことなく伝えてください!と依頼され、10,000円以下のヘラブナ釣りセット「旋(めぐる)ヘラブナ釣り」を片手にヘラブナ釣りにチャレンジし、半年以内にヘラブナプロアングラーと互角に戦えるまでに成長してやると勇んで始めた当企画。体験し始めると、いかに哀れで無謀な挑戦だったかと思い知ると同時に、この釣りのとてつもない楽しさにハマりつつある記者による「ヘラブナ大河物語」始まるよ! 連載だから前回も読んでね!

本題に入る前に、再度確認したい「ヘラブナ釣り」の可能性

ヘラブナ釣り。この記事を書いているまでに、記者は実は2度チャレンジしています。で、すぐに次の取材が控えています。この記事は取材の様子を時系列で追っている感じなのですが、あまりにも「ヘラブナ釣り」が面白くて、シャパシャパっと記事を書くには勿体無いほどの可能性を個人的には見出し、気合いを入れて書きたいがあまり、遅筆になっていることを陳謝します。

後ろ向きなことは書きたくないのですが、あえて書きます。ヘラブナ釣りは釣り産業の中でも、どうやら斜陽ジャンルだと言うのですね。アユ釣り、ヘラブナ釣りなんて日本の釣りの「魂」とも言える釣りなのに……。斜陽だとは……。

しかし、安心しました。斜陽になっている理由はおおよそ分析できるのですが、釣り自体がとてつもなく面白いので、この釣りは「復活」できます。そして宣言します。ルアマガプラスの担当記者の私、既存のヘラブナ釣りをやられるこだわり派には忖度しません。ですが、微力ながら、この釣りが盛り上がるように尽力する所存です!





「浮き」の「アタリ」を「釣り上げる」その奥深さ

みなさま、ヘラブナ釣りと言えば、浮きの動きに一喜一憂する、そんな釣りだというイメージかと思われますが、それは間違っていません。いや、間違っています。十喜十憂します。この浮きの動きだけで、ごはん3杯たべれます。それが、どーしてか。追々説明させていただきます。

前回、初投でブルーギルを釣り上げてションボリした記者ですが、気をとりなおしてキャストです。なにせハリを飲まれてしまって、外すのに難儀したのであります。ヘラブナ釣りはバーブレスなんで外しやすいですが、ハリ外しは必要と感じました。

ということで、前回から引き続き、アドバイザーとして記者の釣りにつきあってくださっている田邊忠史さんは、横に釣り座を設けて見守り組です。必要以上にアドバイスをいただかない話に初回ロケはなっております。

profile
田邊忠史(たなべただし)

幸手市営釣り場神扇池で、チーフアドバイザーとして活躍する、ヘラブナ釣りのプロ。DAIWAのテスターとしても活動し、教え上手の褒め上手。褒められると乾いた笑いが出てしまうひねくれ者の記者にも、これでもかと褒めちりぎり、ヘラブナ釣りという深淵へ引きずりこもうとした、あれ? もしかして極悪人(震え)? 趣味の金魚ブリードもプロの域。本連載のキーマンになる。

エサを付けて5分、いや10分くらいからウキに動きが出始めます。エサは水で溶けるので効率よく同じ場所に、投入し続けて魚を寄せるのが重要なのだとか。

ぴこぴこと動き、スッと沈み……ふっと浮いたり……。実に多様な動きです。ウキ釣りなんて久々です。モンスターハンターX以来でしょうかね。ここぞと思うタイミングでアワセをくれるのですが、まぁ、これが乗らんとです。釣れんとです(なぜ博多弁)!

しまいに、カメラを構えている、ルアマガプラスなんちゃってDの鈴川が。

「あっ……」だとか「いまだ!」とか「うっ!」とか後ろで浮きの動きにアワセでぶつくさ言い出す始末。

鈴川よ、うるさい。その「あっ!」とか「うっ!」に反応してアワセちまうから静かにしやがれw とイラつくワイ。狭量な大人だぜ……。

田邊「ヘラが喰ってるアタリとそうでないアタリがあるので、それを見極めなれるようになると釣れるんですが、わかっても大変ですよ(笑)」

見かねた田邊さんが、アドバイスをくれた。



ちなみに、どうも、力強くトン! と消し込む系のアタリはアワセたほうが良いらしい。もちろんそれだけではないのだけれど、とりあえず、ピクピク揺れるだけや、中途半端な浮きの動きはスルーするスキルが必要なようだ。

記者のスルースキルは業界屈指ぃ! だけどヘラブナのアタリは微妙に反応しちゃう……。

とりあえずらしいアタリは片っ端からアワセをくれてやる! と苦戦すること数時間、まさに、何かカチリとパズルがハマるようなアタリとアワセ。刹那のタイミングが一致したその瞬間に、ついにヒット。居合抜きしたかのようなスムーズな挙動が生まれました。

何? このしてやった感。みて、みて、ヘラブナかかってるよ! いやぁ、嬉しみしかない。いや、別の釣りやってるときにヘラが釣れると、とてつもなくガッカリするのですが、最高の気分やないかい。へらぶな愛おしい。

ほんと、ウキのアタリとアワセ動作が何かにピシャリと一致した、その瞬間にパワフルなヘラブナの引きが竿に伝わってきました。感動です。

田邊さん曰く、その日の状況や、活性によってウキにでるアタリ方が変わるらしく、アワセるべきウキの動き、そうでない動きは一様ではないとのこと。その「釣れる」動き方とアワセのイメージが一瞬で一致してイージーに釣れることもあれば、そのタイミングが一致せずに、まったくハリ掛りしないこともあるようです。

記者も最初の1時間くらいは、アタリはあるのにヒットさせられないという負のスパイラルに突入しました。でも、アタリがあるのに釣れないのは完全に釣り人の技量なので、悔しいのなんの。ついでに、面白いのなんの……。プレイヤースキルが非常に必要なわけです。PS、ピーエスですよ!

そのハリ掛りするタイミングは基本的に刹那なわけですが、それがやや広かったり、より狭かったりするので、「喰うアタリ」見極めて闇雲にアワセをくれていれば、初心者でもそれなりに釣れるわけですが、さらなるタイミングの見極めができないと釣果は伸びないので、もうこのゲーム性は半端ない! 半端ないんよ!

後ろでカメラを撮っていた鈴川にもしょうがないので、釣座に座らせて体験させます。「あっ」とか「今だ!」とかツッコミをいれたりしてくれた鈴川。やってみなっせ。釣って見なっせ?

後ろから見ながらアワセのタイミングをイメージしていたようで、竿を握ったときは「俺、一瞬で釣ってやりますよ」的オーラを出していた鈴川ですが……

1尾を釣るのに時間かかったよね。ほら、みてごらん、見てるより難しいだろ? でも、楽しくない? やみつきになるよね。やみつきキャベツだよね? 鈴川も記者と同じくゲーマー類ゲーマー科に所属するので、その楽しさに一瞬で陥落。

鈴川「こ、この釣りはヤバイですね……」

だろ? すんげーおもしろくね? たかだか歴でいうと1時間くらい先輩なだけですが、もう得意顔です。こういう人いるよね〜。なぜ、流行らないか意味がわからないというくらい、面白い釣りです。こりゃ、きっとメディアの伝え方だよ。どーせ、仙人みたいなプロが、ヘラブナ釣りを小難しくしてんじゃないの(暴言失礼)!?

上手い人は1日で2桁、いや3桁釣るらしい。休み時間はながくとったけど、この程度の釣果ということは、へぼへぼなのである。個人的には1日で数尾釣れれば、釣りとしては上出来なのだけど……。

と、あーだこーだしていると、施設終了の時間になり納竿。実は翌々日に、この日の自分の釣れ方が納得いかなくて、すぐに再チャレンジにでかけるわけですが、それはまたの機会のお話に。

初めてのヘラブナ釣りでわかった初心者的考察

道具は、掛け値無しに「旋(めぐる)へらぶな釣り」セットだけで釣りができる

この連載記事の始まりであり、きっかけの格安ヘラ釣りセット。これだけ持っていくだけで、とりあえずはヘラブナ釣りに挑戦できます。これはガチ。

かちどき 旋(めぐる) 段巻カーボン玉の柄1本物・9寸玉網セット
玉の柄1本物
玉枠:9寸
網目:機械編み3mm
¥8,778
2020-08-05 15:29

この釣りは思っているより忙しい

のんびり釣りもできるけど、釣果を上げたければ、全ての動作を効率よく的確に、流れるように行う必要がある攻撃型の釣りであることが発覚。今風に言うと「全集中・常中」をマスターする必要がある。ようは全ての所作を洗練して集中! ステイ・フォーカスが必要。

浮き釣りが奥深すぎる

魚のアタリをとる浮きの動きが、面白すぎる。簡単な部分もあるけど、複雑さを覗かせて釣り人を大いに楽しませてくれる。この釣りの奥深さを支える重要な部分。取材時に、「浮き職人」の方にお会いすることもできたので、このお話もいずれ……。

美しい浮きは、ヘラブナ釣りの魅力が詰まってます。

エサの配合、システムの繊細さが楽しい

雑でもなんとかなるけど、雑じゃない方がより楽しめるというのがヘラブナ釣り。ハリスの長さをミリで調整したりする器具があったり、エサの配合や種類も状況や狙うレンジで変えたりと広がりは多様。極め尽くすことができないんじゃないかという奥深さがあるのです……。

ヘラブナ釣りのウキも一種類じゃない。使い分けがいずれ必要に。そして、ハリスの種類の多さよ……ステキ。
エサをつける速さも大事だとか。

魚はそこにいる

自然のフィールドでヘラブナを探す、そんな釣り方もあるようですが、このヘラブナ釣り、基礎を会得し、さらなる高みを目指すなら「管理釣り場」が主戦場になります。この管理釣り場であれば、よっぽどのことがないかぎり、魚はそこにいるわけで、釣りになります。そう、魚がいなくて釣りが成立しない。なんてことはありません。なので、比較的、安定して釣りを楽しめる環境が用意されているといえます。

管理釣り場はフェバリトスペースになること間違いなしや!

さぁ。記者は深みにハマりそうです。秋まで、もう時間は残されていませんが短期間でいけるところまでヘラブナ釣りのテクニックを磨いていくことにします。次回ですが、小話を挟みつつ、ヘラブナ釣りの啓蒙のために奥の手を使うことにします。

ほら、メタボのオッサンがきゃっきゃいいながら遊ぶより、女子が出てきた方が素敵だし盛り上がるでしょ。お任せください。おじさん、プロデュース力には定評があるんですよ……では、急展開、お楽しみに〜。

盛り上げるぜヘラブナ! ファイッ、オー!