百選錬磨のアングラーが理想とする釣りを、こだわりを持って形にしてサポートするリューギ。釣れるフィネス、ヘビーキャロライナリグを自信を持って自分の武器にできるお役立ちシンカーが、伊藤巧さんプロデュースで登場!
ビーツに関して紹介してくれるのはもちろん伊藤巧さん!
【Plofile】
伊藤巧(いとう・たくみ)
リューギのプロスタッフにして、説明不要のスーパーヤングアングラー。TBCでの活躍を皮切りに、H-1グランプリや陸王・艇王を制覇! その勢いでとうとう世界に飛び出し、今なおその活躍は止まらない!! ベイビーフェイス&優しい口調、時折飛び出すドS&過激発言のギャップがたまらないというファンが後を絶たないとか!?
夢のヘビキャロシンカーの全容が明らかになる!
すでにプロトの段階で話題にもなっているリューギのヘビキャロ用シーンカー『ビーツ』。改めて、どんなアイテムなのでしょうか?
伊藤「ロストしない、夢のヘビキャロシンカーです。先に言っておくと、形状的にはツボみたいなものにチューブが刺さってるデザインが印象的だと思うので、僕はツボチューブの名前でリリースしたかったんですが、リューギのイメージはそぐわないみたいで却下されました(笑)。なので『ツボチューブ』としつこく言い続けてやろうかと思っています(笑)」
それではビーツ改め(?)、ツボチューブの解説をお願いします(笑)
伊藤「ではなぜツボチューブがこの形になったのかと言うと、ヘビキャロにおいて根がかりって言うのはふたつあるんです。ひとつは軽いスタック程度の根がかりで、これバイトチャンスでもあるんですよ。シンカーが引っかかってそれがパン!と外れたときにルアーも素早く動く。急にピュッと動くのがきっかけになるわけです。リアクションスイッチを狙う動きになるので、根がかりがすべてが悪いかと言うと、そうではないんですよね」
それがひとつめの根がかりですね。それではふたつ目は?
伊藤「とってもイライラする、ロストするほどの根がかりです。普通のリグ以上にイライラしますよね。環境にもよくないのは当たり前なのですが、まずタングステンシンカーが高価。さらにスイベルをセットしてその間にコンボストッパーのLサイズを2個付けてリーダーつけてフックをつけてワームをつけるので付属品が多いわけです。それを組み上げるのも面倒で、それが根がかったらショックは大きいですよね」
確かに。その辺りの手間がヘビキャロをやらない理由だったりもします(笑)
伊藤「でもビーツ、いやツボチューブなら、軽いスタックはするけれども、致命的な根がかりにはならずに外れるんです。チューブの部分がロッド側で、ツボがワーム側になるように使うのですが、根がかったときにバシッとシャクると、シンカーの上側にチューブが付いているおかげでシンカーが立ち上がって、上から外してあげることができる。シンカーが上にポーンと飛んで根がかりを回避してくれるわけです」
従来形状のシンカーだと、ラインがシンカーを立ち上がらせることができないわけですね。かなり画期的です。
伊藤「まとめると、とにかく根がかりしづらい。いや、致命傷になる根がかりはしづらい。って言うんですかね。あえて引っかかるのは残してて、それがスカンスカン取れていく。いまのところタングステンのプロトではロストは1回のみですね。アメリカでも日本でも使っててその1回だけ。絶対の自信を持って根がかりは減りますよと言えますね」
チューブ部分にもこだわりが!
伊藤「ヘビキャロシンカーって個人的には21グラム以上を使うことが多いんです。そのため、飛ぶときに擦れてラインが傷付くこともありますが、高性能なチューブを長めにセットすることでそれも回避しているんです」
致命的な根掛りを回避するだけが役割ではないと。
高性能なチューブと言うと、どういったものなんですか?
伊藤「柔らかすぎるとあんまりよくない。ハズレにくくなります。硬めがキー。厚くて硬いです。ふにゃふにゃはダメ」
リューギのおかげでトントン拍子で完成!?
開発で苦労した点はありますか?
伊藤「ないですね。というのもリューギチームが非常にクレバーと言うか、エリートなんで自分が思ったことを形にしてくれちゃうんですよ。僕が思っている以上の物を作ってくるんでグゥの音も出ません。今回もこういう形でこういうチューブでこういうのはどう?って言ったら、ハイこんな感じでしょう? みたいな。ハイまさしくそれでーす!で終わりました(笑)。もちろんテストはするんですけど、もうサイコーで、タングステンになったら超サイコーです終わりみたいな(笑)。最初は鉛だったのですが、タングステンになることで、より致命的な根がかりが回避できるようになりましたね」
実際に使う上でのポイント
そもそもヘビキャロとは?
伊藤さんにとって、そもそもヘビキャロとはどんなリグなのでしょうか?
伊藤「すごい弱いフィネスなルアーを誰でも簡単にボトムが取れて、遠くの変化を探れるリグ。8lbラインのリーダーでやったとして、ライトリグで沖のブレイクにある沈み物に当てるっていったら相当な集中力が必要なんですよ。でも21gシンカーだったら誰でもボトムを取れるし、そのままずるずる引いてくれば、シンカーの先はフィネス。食わせの釣りなんだけどディープを撃てるのがメリットだし、誘えもするし、リアクションでスパン!と仕掛けることもできる。
ヘビキャロってカバーフィッシングを除けばめちゃくちゃいろんなことができるんですけど、そこでストレスを感じてたのがオカッパリの根がかりで、それを回避できるのがビーツ、いやツボチューブというわけです(笑)」
ビーツのウェイトの使い分け
ウエイトの使い分けで意識することはありますか?
伊藤「まずひとつはルアーのサイズによって。ちびツイン、3inクラスなら17.5か21g。4inなら21g、4.5inから5inだったら28gって感じです。ルアーが重くなるほどシンカーとのバランスが悪くなってキャストしたときにぐるぐる回っちゃってキャストが決まらないので、ルアーのサイズで使い分けます。
それともうひとつは引っかかりとスピード感。もちろん重いほど引っかかりやすくて速い。フォールスピードじゃなくて誘ってシンカーを外したあとのスピードもですね。スローに誘うなら17.5gだし、素早くパーンと動かすなら28gのがいいってことです」
ヘビキャロのキャスタビリティ
ヘビキャロと言えばロングキャストのイメージが強いのですが、キャスト飛距離はどうですか?
伊藤「組み合わせるワームによりますね。シンカーよりもワーム。シンカーだけで投げるなら飛ぶんですが、ワームが重くなるほど飛ばなくなります。一度試してもらえると分かりますが、28gに10gのワームをつけた場合と、17.5g単体のシンカーを投げると17.5gのが圧倒的に飛びます。総重量は関係なんですよね」
オススメタックル
伊藤さんのヘビキャロ用タックルを教えて下さい!
伊藤「基本的にはロッドはストラクチャーNXS700H。これがもう僕のなかのベースです。リールはメタニウムHgレフトハンドル。ラインがR-18フロロリミテッドハードバス14lb。感度が上がる硬いラインであることも重要で、ハードバスが圧倒的に釣れます。僕はリーダーが長いので特にそうですね。リーダーはグランドマックス2号8lb。ディープをフィネスで誘うと考えると、スピニングでやるようなラインの細さもキーになります。ギリギリ切れない太さかなと。
リーダーは1ヒロ(両手を広げた長さ)。長いほうが根がかりにくい。逆に短いほど根がかりやすくなります。リーダーが短いとシンカーをパッと外したときのスピードがワームに乗っかるので相当速くなって突っ込みやすくなる。長くなるとワームは障害物の前でふわ~んと止まるみたいな。ワームの動きもフワッとしたのとピピッとしたメリハリが付けやすくて、ギャップもすごいのでロングリーダーにしています」
最適な出しどころ
使ってほしいシーズン、シチュエーションは?
伊藤「苦手な時を挙げたほうが早いですね。それは春とアフター。ポストスポーンみたいに魚が上ずって上を意識しているとき以外は釣れます。ボトム&スピードの釣りなんで、そうなるとキツい。ポストはゆったりした動きが好きなんでスピードの釣りは厳しいですね」
例えば2月だとおすすめの使い方はありますか?
伊藤「ゆっくりを意識して、根がかったときにプルッと、飛ばさずにプルッと外すことを意識してください。秋とかは、すぱぱーん!って飛ばして緩急をつける感じなんですけど、冬はプルっとほぐす、そんな感じ」
探るときに使うんですか? ここぞ!って場所で使うんですか?
伊藤「両方ですね。だから使用頻度が高い。探りなんか最高ですよ。ボトムの変化もオカッパリでわかっちゃうし、ブレイクだとかゴリゴリしているとか調べられるし、それにプラスして食わせたいときにはリアクションかけられるし。変化を探しつつ、ピンが分かれば集中して、ピンを知ってればそこを集中して底を攻めればいいですね」
使いこなしのコツを是非!
伊藤「投げるのだけがコツがいるんですけど、フィネスでボトムが取りづらい人は全員使ってください、以上!みたいな。フィネスじゃないと食わないんだけど、初心者ってボトムが取れないんですよ。でも簡単にボトムが取れて、ズルズルすれば勝手に食う。それがおいしいんです」
その投げるコツはというのを教えて下さい!
伊藤「シンカーを投げるイメージで、僕はロッドティップにシンカーをくっつけて、シンカーをぴょーんと投げます。投げられないって言う人は真似してもらえばいいと思います」
最後におすすめのひと言を。
伊藤「みなさん、ツボチューブをよろしくお願いします(笑)。特にオカッパリの救世主になることは間違いないので、ぜひ」