さて、あのベイトロッド専門メーカー「フィッシュマン(Fishman)」2021年の新商品として注目を集める1本のトラウトロッドに注目。新潟をホームに、ルアマガプラスでもおなじみの、フィッシュマンテスター・西村均さんがその、トラウトロッドについて解説してくれます!
大規模渓流……いや小規模本流を攻略するための6ft台という長さの選択
3月、いよいよ渓流解禁しましたね、今年も良い釣りをしたいと思うFishman西村です。
【Profile】
西村均(にしむら・ひとし)
新潟県をホームに置きながら様々な釣りを楽しむエキスパート。渓流からソルトまで、なんでもござれ。ドクトルニシニシのニックネームでも親しまれる、フィッシュマンのテスター。
しかし今年は大雪です! 川に降りるのに御覧の通り、ザイルやアイゼンが必須です。早く本格的な春が訪れて欲しいものです(笑)。
さて、その2021年、Fishmanから発売される数機種のうち、トラウトにターゲットを絞った1本をご紹介したいと思います。
『Beams Lower62L』
今、渓流ロッドの主流のレングスは、だいたい5ft台くらいだと思います。片手でひょいっと投げる、あまり飛距離は要らない、飛距離が足りなければウェーディングで詰めれば良い。
ルアーアクションもバチバチトウィッチで魅せる。そんな想定でしょう。僕もブランシエラの39、52、エクスパンの43LTSなどはその様な使い方です。
が、時として、そのようなショートロッドじゃ上手くやれないフィールドに立ち、もっとレングスがあればなぁー……と思う事もあるのです。大規模な渓流、あるいは小規模本流とでも言いましょうか、
つまり、大場所でのトラウトゲームです。
太い流れのその先のドリフトコントロールを可能にする!
特に雪代の季節などは水量も多く、普段より一段と川が大規模になりがちですよね……。
ショートロッドでも飛距離はなんとかなる、けれど、キャストで放出されたラインが水面に着いて流されてしまって、トレースラインが狂ってしまい、思ったアプローチが決まらない。
対岸の深場にルアーを沈めようとした時、この現象が大きく足を引っ張る。
そんなシーンはちょくちょくありました。ロッドがもう一声長ければ、立ててラインを極力水中へ垂直に落とし込み、渓流ミャク釣りのようなゼロドリフト釣法に近いアプローチが決まるのに……。
そんな経験を幾度も積んだ末、考えたのは、久しぶりの6ft台ライトロッドだったのです。
流下物を捕食するトラウトに対して、自然なドリフトコントロールが有効なのは、フライフィッシングのナチュラルドリフトでも御馴染みの技術ですね。
ロッドを立てて、ラインメンディングが容易になれば、渓流・本流の釣りでも今までやり辛かったアプローチが可能になる。
今までルアーの不自然な動きに反応しなかった鱒を食わせる事が出来るかもしれない。
朝霞の中からこんなのが出てきたら、一日ハッピーですね。
6ft2inの、渓流ベイトロッドとしては近年にない長さ。
それが繰り出すラインメンディングの小技を使って、未だ手が出ぬあのピンへ。Fishman久々の2ピースブランクスにはハリを持たせ、かつての名機『Beams70L』のような軽快な操作感を出しました。
低弾道キャストは当然、飛距離も十二分、そしてレングス由来のメンディング性、そしてルアーコントロールの容易さ。
ランディングネットからはみ出しそうな魚を楽しんでキャッチ出来る、必要最低限のパワー。
これだけ贅沢に欲しい性能を詰め込んだ、往年の6ft台トラウトロッド、Beams Lower62L。ルアーを見たことも無いような魚が潜むだろう、未投の水域へ。
己の指先同様の感覚でルアーをプレゼンテーションする。その恍惚の釣りを是非経験してみて下さい!
脳汁がだだ漏れになる事間違いなしでしょう(笑)。