未だに続く新型コロナウイルスの影響により、昨年は思うように釣行できなかったアングラーも多いはず。それは最前線で活躍するプロアングラーも同じである。だがしかし、やはり釣り人にとって「現場で釣りをする」ことはかけがえのない時間であると言えよう。今回は唯一無二のフルタイムエギンガーであるヤマラッピこと、山田ヒロヒトさんの2020年メモリアルフィッシュを語って頂いた。
2021年も監修作が盛り沢山!ますます目が離せない「エギング界の帝王」
【Profile】
山田ヒロヒト(やまだ・ひろひと)
「バックドリフト」や「ノーテーションソフトフォール」など、画期的なテクニックを編み出し続けるエギングのフルタイムプロ。ストイックに可能性を模索し続けるそのスタンスは、全国各地のアングラーから圧倒的な支持を集めている。愛称は「ヤマラッピ」。
2020年ヤマラッピのメモリアルフィッシュ、いや「メモリアルスクイッド」はこちら!
【使用タックル】
●ロッド:エメラルダス ストイスト RT84M(DAIWA)
●リール:ルビアス エアリティFC LT2500S(DAIWA)
●ライン:ソルティメイト PEエギULT HS8 0.5号(サンライン)
●リーダー:FCハードプラズマ(プロト)2.5号(サンライン)
産卵前のデカイカ接岸を捉えたヤマラッピのピークパフォーマンス
コロナの影響でホームの釣りを見直した1年
山田「去年はコロナの影響もあって自由に遠征などが行けない1年でした。特に春はほとんど釣りをしていませんでしたね。なので、夏から秋にかけて新製品のテストなどで本格的に釣りをするようになったという感じです。そういった状況でなかなか遠くには行けなかったのですか、なんとか数もサイズも獲れてはいましたよ。
思い出に残っているのは、12月にエメラルダスピークでキャッチした2kgオーバー。ピークのテストをずっと続けていて、最終的にカラーも決まった量産モデルが届き始めた時期ですね。しっかりとカラーも揃ったので、じゃぁ冬のデカイカを狙いに行くかとなったんです」
ヒットエギ:『エメラルダスピーク 3.5号 (DAIWA)』
山田ヒロヒトが考えるダート系エギの完成系
軽いアクションの入力でも軽快なダートを発生。潮をつかみやすいボディ形状で、レンジキープしやすいのも特徴。優れた重量バランスで抜群の飛距離が出るというところも見逃せない。山田ヒロヒトが考える釣れるエギの到達点(ピーク)だ。
山田「場所は中部エリアで、シチュエーション的には舗装された海岸線に立って釣りをしました。潮の流れがしっかりと発生し、産卵前を前にしたアクティブなイカが、ベイトの回遊とともに入ってくる。その接岸してくるタイミングを狙い撃つとデカいのが獲れると。
このパターンには潮回りと月夜が大きく関係していて、明るい夜が実績が高い。具体的には大潮前の中潮、夕方の明るさから暗い時間帯を挟まずに月が照らしてくれる状況です。あとは天候、風なども合わないと釣りが成立しないので、日並み的に実はチャンスは少ないんですよね。それで、もろもろの条件が重なった日を見計らって釣りに行ったわけです。
この日はなかなかの流れがあって、沖めの流れが緩い場所を狙って、エメラルダスピークをドリフトさせながら誘いました。すると、グッドサイズのイカがどんどんアタックしてくる。友人らと行ったのですが、この日は1500g以上が全部で10杯くらい上がりました。それで、そのなかの最大が2170gだったんです。本来はこのパターンは年明け以降、1〜2月にならないと潮回り的には難しいのですが、年内のうちに獲れたというところが自分のなかでは大きいですね。遠征ができない状況で、地元から近いエリアの釣りを改めてやり込んで狙い通りに結果が出たのが嬉しかったです」