メイドインジャパンにこだわり、高品質なロッドをリリースするテンリュウ。中でも、ライトジギングゲーム用のロッドブランドとして、多くのファンを持つのがホライゾンシリーズだ。そして、同シリーズのハイエンドラインとなるのが「ホライゾンプログレッシブ」となる。
このハイエンドラインに新たに加わるスピニングモデル2機種の詳細をお伝えする前に、まずはこのホライゾンプログレッシブがどのような特徴を持つのか、おさらいしてみよう。
テンリュウの技術の粋を集め、最高のパーツを使用した中・上級者用ロッド
レギュラーモデルとなるホライゾンシリーズは、展開するゲームによって「MJ(マルチジギング)」「SL(スロージギング)」「LJ(ライトジギング)」と3つのジャンルで展開されていて、この全てのジャンルを統括した上で、最上位として存在するブランドが「ホライゾン プログレッシブ」となる。
ホライゾン プログレッシブのブランクスの特性は、オールカーボンチューブラーとバット部の4軸カーボンの採用で、全体的に張りがありシャープな使用感となっている。
またガイドには、チタンフレームトルザイトリングを使用しており、ロッド全体の軽量化に大きく寄与している。
※トップガイドのみチタンフレームSiCを使用
ホライゾン プログレッシブ「MJ」や「SL」「LJ」といったジャンル分けはないのだが、ラインナップされる機種ごとにそれぞれ違った特性が与えられていて、ターゲットや使用するジグの重要などで、きめ細かく機種を選択することが可能だ。以上のことから、ホライゾン プログレッシブシリーズは、初心者向けというよりは、さらに高い次元でジギングを楽しみたいという、中・上級者向けのシリーズであると言えるだろう。
1つ上のクラスを狙えるポテンシャルを持つ、ライトジギング&SLJモデルが追加!
そんなホライゾン プログレッシブシリーズに新たに加わるのが、スピニングモデル2機種で、それぞれライトジギング用とSLJ(スーパーライトジギング)用となる。
ここからは、それぞれの詳細をテンリュウ開発担当の舟木さんに解説して頂こう。
軽く繊細だが、6~7kgのヒラマサも獲れる! ライトジギング用「HPG612S-M」
まずは、このモデルのコンセプトから教えて下さい。
舟木「ベースとなっているのは、ホライゾンLJの「HLJ611S-FM」というモデルで、このベースモデルをさらにスペックアップしたのがプログレッシブの「HPG612S-M」となります。ライトタックルを使用して、そのスペックの限界ギリギリのところでターゲットと対峙する楽しみを堪能できる、というのがコンセプトで、ホライゾンLJではティップ部にグラス素材を使用していて、喰いこみの良さを実現しています。
一方で、プログレッシブのHPG612S-Mは、全てカーボンチューブラーを採用しているため、より軽量で高感度な仕上がりです。ここは、ベースのホライゾンLJとの大きな違いの1つです」
【スペック】
●全長:6ft1in
●重量:109g
●ルアー重量:最大200g/適正150g
●ラインMAX:PE2.0号
●価格:58,300円(税込み)
ブランクスの各部分で、弾性率の違うカーボンを採用しているとのことですが?
舟木「はい、ティップには低弾性、ベリーにかけては中弾性、そしてバット部には高弾性のカーボンをそれぞれ使用しています」
弾性率の違うカーボン素材を使い分けることのメリットは?
舟木「まずティップ部に低弾性カーボンをマグナフレックス製法で使用することにより、感度を向上させながらも、グラス素材に近い喰いこみの良さを実現しています。
例えば、ジグをシャクり上げた後にテンションが抜けそうになる瞬間があります。そういった状況でも、柔軟性のあるティップがしっかりと追従してくれるので、完全にテンションが抜けきらず、魚のバイトもしっかりと取ることができます。
もちろん、ティップに張りがあるロッドでも、上手に操作すれば同じくバイトを取れるんですが、プログレッシブならロッドの性能である程度オートマチックにカバーできますよ、という感じです」
では、ベリーからバット部にかけてはどうでしょうか?
舟木「ベリーには中弾性、バット部には高弾性カーボンを採用しているのは先ほど説明しました。これによるメリットとして挙げあられるのは、軽さと感度です。フッキングまで持ち込んだ魚が根に走るタイプだった場合、初動でいかに主導権を取るかというのがキャッチ率を上げる部分で重要となります。
プログレッシブなら、その初動の時点での遅れがなく、フッキング後の根から離す動作までを確実に行える。これは、プログレッシブのベリーからバット部にかけての感度特性が大きく影響していると考えています」
ガイドには、チタンフレームのトルザイトリングが採用されていますが、これの意図は?
舟木「ロッド全体の自重を軽量化するというのはもちろんあるんですが、それだけではありません。まず、ホライゾンLJと比較してハイフットのものを採用しています。これにより、ラインがスムーズに放出されます。また、良型の青物とのファイト時にもロッドの持つパワーを生かしきることが可能となっています」
全てにおいて妥協なく、徹底して鍛え抜かれた上で完成の域に達したモデル。ライトタックルでありながら、6~7㎏のヒラマサなどとも十分にやり取りできるポテンシャルを持つ。自らの釣りをさらに進化させてくれそうな1本でもある。
SLJをとことん突き詰めたたどり着いた結論。「HPG642S-LL」
もう1追加モデルに関しても、コンセプトをから説明をお願いします。
舟木「このモデルのベースは、ホライゾンLJの「HLJ631S-FLL」です。ライトジギングモデルと同様に、オールカーボンチューブラーのブランクスを採用し、感度を大幅に向上させ、軽量化(ベースモデルに対して7g)や感度の向上を実現しています。
ルアーウエイトは、SLJで使用頻度が高い60g前後を想定してセッティングしています。スーパーライトジギングモデルではありますが、大型の青物でも十分獲れるパワーを持っていて、ブリクラスがヒットしても問題なくやり合えますよ」
【スペック】
●全長:6ft4in
●重量:97g
●ルアー重量:最大100g/適正60g
●ラインMAX:PE1.5号
●価格:58,300円(税込み)
想定しているターゲットは?
舟木「SLJで人気のイサキやアマダイ、ハタなどの根魚、フラットフィッシュまで自由に楽しんでもらえると思います。カーボンチューブラーティップですが、低弾性のマテリアルを採用しているので、グラス素材のような柔軟性を持っています。なので、イサキやアマダイなどの口が弱い魚がヒットしても、バレにくくキャッチ率の向上を実感してもらえるはずです。
また、感度面も大幅にアップしているので、特に、アタリの出方が繊細な魚でも、しっかりとバイトを取って掛けていける、攻めの釣りが楽しめるようになっています」
ちなみに、このモデルは他のホライゾン プログレッシブのラインナップより、リアグリップが短くなっている。
舟木「そうですね、約40mmほど短い設定ですね。これは、水深20~30mほどの比較的浅いエリアでも釣りをすることが多いSLJに合わせて、キャストがしやすいようにショート化しています。アンダーハンドでキャストしてジグを落とし込むような場合にも、リアグリップがウェアにひっかかりにくく、取り回しの良いレングスとなっているんです。
一方で、大型とのファイトでもちゃんと脇に挟んでファイトできる用にもなっていますので、安心してやり取りに集中してもらえると思います」
ガイドに関してはいかがでしょうか?
舟木「ベースモデルと比較して、口径の大きいリングを採用しています。これにより、使用できるラインの太さがアップしています。また、キャスト時のラインの抜けも向上しているので、アンダーハンドでジグを投げるような状況でも飛距離を伸ばしやすいですね」
物足りなさを感じている上級者にこそ使ってほしい
はっきり言って、価格面でもスペック面でも、ホライゾン プログレッシブは初心者におススメするシリーズではない。というのも、ホライゾン「MJ・SL・LJ」という、より幅広い層が使いやすいモデルがすでにラインアップされているからで、プログレッシブはそういった普及モデルでは物取りなさを感じる、上級者にふさわしい性能を持ったシリーズだと言える。
今回追加されたスピニングモデル2機種に関しても、ライトジギング、スーパーライトジギングモデルとして、ロッドのポテンシャルを使い切ることができるアングラーには、たまらない仕様となっている。
気になるリリースのタイミングは、5月下旬を予定しているとのこと。気になる方は是非、店頭でチェックしてみてほしい。