DAIWAのプロアングラーによるSTEEZルアー解説&実釣企画『奥義継承』。第1回&第2回はハシタクこと橋本卓哉さんによるSTEEZスピナーベイト、STEEZポッパー(実釣は梅田京介さん)を紹介したが、第3回である今回は長谷川耕司さんに依頼。その対象となるルアーが、長谷川さん自ら監修した『STEEZペンシル』。琵琶湖のベテランプロガイドがゲストに『高確率で釣らせる』ためのペンシルベイトには、どんな秘密が詰まっているのか? そして、現場で実釣する若手DAIWAプロアングラーとは、一体誰なのか!? 最後までゆっくりとご堪能いただきたい。
【Profile】
長谷川耕司(はせがわ・こうじ)
DAIWAプロスタッフであると同時に、開業してから20年を超える琵琶湖のガイドサービスFLASHPOINT代表、そして琵琶湖必釣ワームとして高い人気を誇る『アノストレート』を擁するルアーブランドBOREAS代表という、『三足のわらじ』で活躍。
ペンシルベイト…なのにトップウォーターの概念からは外れた存在!?
第2回のハシタクさんによるSTEEZポッパーに続き、同じトップウォーターのジャンルである「STEEZペンシル」が今回の主役。そして、その解説をしてくれるのが、監修&開発を担った長谷川耕司さんだ。
長谷川「確かに、大きく括ればトップウォーターというジャンルに入ると思いますが…既存のトップウォーターの概念からは、少し外れた存在かもしれません」
…え? 『トップだけれど、トップじゃない』ということか!? いきなり禅問答みたいな話になってきたが…。ま、まずはその特徴を教えてもらうとしよう。
STEEZペンシル60F/75F(DAIWA)
【スペック】
●全長: 60mm/75mm
●重量:4.2g/7.2g
●タイプ:フローティング
●フック:♯10/♯7 ※すべてサクサス加工トレブル
●カラー:全12色/全8色
●価格:1,463円/1,463円(税込)
●発売:2019年4月/2021年3月
STEEZペンシルが最初に登場したのが2019年の春。長谷川さんの強いこだわりもあり、当時は60Fのみとペンシルベイトにしては『小粒』とも言えるサイズだったが、今年の3月にはサイズアップ版の75Fも追加リリースされている。
規則正しく動き続けるモノに、バスは異常なほどに興味を示す
長谷川「一定のリズムで規則正しくドッグウォークさせることができる。これがSTEEZペンシルの最大の特徴であり、釣れる理由でもあります。というのも、バスという魚は同じリズムで動き続けるモノに対して異常なほどに興味を示し、それをずっと追尾し続けて最後には堪りかねて口を使ってしまうからです」
――バスにはそういう習性があるのか! でも、他のペンシルベイトでも同じように規則正しく動かせば釣れるのでは?
長谷川「確かに、一般的なペンシルベイトも理屈としては一緒ですが、実際に一定のリズムでアクションさせようとすると、それなりのコツが必要になります。ビギナーは最初からクランクベイトのようなタダ巻きルアーを使うことはできるけれど、いきなりペンシルベイトのドッグウォークはできませんよね」
――確かに! しかもSTEEZペンシルのようにサイズが小さいと、より繊細なアクションを要求されるので、余計に難しくなるかもしれない…。
長谷川「この規則正しい一定のリズムを実現してくれるのが、頭の先っちょしか水面から出ていない、ボディの大半が沈んでいるような浮き姿勢です。アングラーにより前方から引っ張られる力と、テールに集中したウエイトが沈もうとする力が相殺されることでムダなアクションを生み出すことがないので、一定リズムのドッグウォークが可能になるんです」
スティーズペンシルのアクション模様や動かし方はこちらの動画マニュアルもチェック!
食い気満々ではないバスにも口を使わせるためにボディサイズは小さめ
――しかし、そもそも何故小さいのか? もちろん既存のバス用ペンシルベイトでも、STEEZペンシル60F同様の小型サイズがないわけではない。それでも一般的には80mm以上が投げやすく、アクションさせやすいと思うのだが…。
長谷川「トップウォーターだからこその存在感や派手なアピールが効きにくいときに、使って欲しいペンシルベイトを作りたかったからです。バスの意識は上を向いている。けれども水面を割ってまで食おうとする活性ではない。だから派手目なアピール力は極力抑え、バスがイージーに口を使えるようにサイズそのものを小さくして、よりバスが興味を持つように前述の一定リズムのドッグウォークを出しやすくしたんです」
――このサイズだと、タックルはスピニングが扱いやすそうだが…。
長谷川「重量も60Fで4.2g、75Fで7.2gと軽いのでスピニングタックルが間違いないですが、さらなる飛距離やキャストアキュラシーを求めるならば、ベイトフィネス用タックルがオススメです。ロッドはウルトラライト~ライトアクションで、PEラインを使った方がモノフィラメントライン単体で使うよりも飛距離が格段に伸びます。一定のリズムのドッグウォークを長く続けてバスを惹き付けるには、飛距離は重要なファクターになりますから」
【長谷川さん使用タックル例】
●ロッド:スティーズC64L-SV・STハーミット(DAIWA)
●リール:スティーズAIR TW 500XXHL(DAIWA)
●ライン:PE0.8号
●リーダー:ナイロンorフロロカーボン6~10lb
スポーニングから回復傾向にあるデカバスはSTEEZペンシルの格好の餌食!!
――どんなシチュエーションで投入するのがベストだろうか?
長谷川「僕がガイドをする琵琶湖の北湖を例に挙げるなら、ちょうど今の時期はスポーニングから回復に向かうバスが多くなります。そんな食い気は徐々に上がってきているけれども、積極的にベイトフィッシュを追い回して食うまでには至らないようなバスを狙うには、STEEZペンシルは最適です」
――サイズが小さいだけに、小バス地獄に陥りそうな予感…(笑)
長谷川「確かに、それがSTEEZペンシルの弱点ですね(苦笑)。小バスは適水温になりやすいシャローエリアに群れやすいので、デカいバスを釣りたいならシャローはパス。回復系のでかバスは沖に出る傾向が強く、ウィードエリアなどのカバーや水面まで出ている取水塔のようなストラクチャーにピッタリと着く傾向にあるので、できる限りタイトに長い距離をトレースすることがキモですね」
――小さくてもやっぱりトップウォーターなので、バスが上ずりやすい朝夕のマズメ時が良い?
長谷川「日中でも急にピーカンになったり、突然風が止んで湖面が静かになったり、それまで釣れていたボトムでのワームの釣りが急に反応がなくなったりと、変化が見られるタイミングならば、むしろ積極的に投入してほしいです。既存のトップウォーターでは難しい状況こそ、STEEZペンシルが活躍するとき。実釣担当の●●くんには完璧に使いこなしてもらい、ぜひともデカいバスをキャッチしてほしいです。小バス地獄は勘弁です(笑)」