アップグレードシリーズのPEラインのニューモデル登場に合わせて、リーダーの新作もリリース。フロロカーボンリーダーはアップジーリーダーV12ハードとV10ソフトの2タイプをラインナップするが、その特性と使い分けは? 両リーダーをすでに実戦配備しているシーバスエキスパートの三宅伸豪さんにうかがった。
解説は大阪湾シーバスのエキスパート!
【Profile】
三宅伸豪(みやけ・のぶひで)
大阪府出身、在住。大阪湾のショアシーバスゲームのエキスパートで、タチウオテンヤの世界にも造詣が深い浪速アングラー。長年、釣具店に勤務した経歴を持ち、タックルの目利き力も優れる。現在は自身の膨大な経験と知識を活かし、使って心地よい商品を世に送り出す釣具メーカーの『三宅商店』代表。エックスブレイドアンバサダーを務める。
V12ハードもV10ソフトも細くて強くてノットが組みやすい高性能リーダー
三宅「パッケージから出して、スプールから糸を引き出したときに、これはめっちゃ良い糸やな、と直感しましたね」
アップジーリーダーV12ハードとV10ソフトの使用感をうかがうと、ファーストインプレッションから高評価。
三宅「表面がツルッツルで触るとフロロカーボンらしい硬い感触はあるけど、糸径の誤差は感じられない。均一性が高い。品質の良いフロロカーボンリーダーの資質を感じました。透明感がありながらも水に近い屈折率で魚に違和感を与えにくいやろうなとも思いましたね。そして、なんといってもすごいのは細さですわ」
メーカー発表によると、同社従来品比で糸径約5%スリム化。強度約1.3倍とあります。
三宅「細くて強い糸は実釣で強力な武器になりますからね。あと実釣時の使用感でいうと、V12もV10もノットがよう決まりますね。私は、シーバスで使うリーダーは何もないオープンウォーターなら14lb。流れが速くて障害物があるところでは25lbまで使います。硬いフロロカーボンリーダーは太いほどノットがかっちり決まりにくくなりますが、V12もV10もノットが非常に組みやすい。V12とV10をうまく使い分ければ、釣果にも結びつくと思いますわ」
気になる使い分けは次のとおりだ。
アップジーリーダーV12ハード/V10ソフト(XBRAID)
【スペック】
●号数:ハード3号(15.5lb)~7号(32lb)、ソフト3号(14lb)~7号(30.5lb)
●素材:フロロカーボン
●比重:1.78
●カラー:ナチュラル
●規格(m):30m
●価格:オープン
V12ハードはロングキャストや繊細な喰わせの釣りにも有効
三宅「V12ハードは、いわゆる低伸度のフロロカーボンリーダーです。使用感は従来のフロロカーボンリーダーのイメージですが、前述のとおり細くて強い。太号数を使うほど根ズレに強く、障害物やボトムをタイトに狙う釣りで活躍します。
またV12の強さと細さを活かして、私は遠投して遠くのバイトをかけにいく釣りに使います。日中にメタルバイブレーションを遠投。低伸度で感度も良いから小さなアタリをとって、かけにいけます。あるいは港湾のナイトゲームで14lbを使い、シンキングペンシルを流すとか。繊細な釣りでランカーが喰っても対応可能な強さがありますからね。遠投がマストのサーフのキャスティングゲームにもええと思いますわ」
V10ソフトはナイロン的な伸びが接近戦でフッキングミス&バラシを防止
三宅「V10ソフトの特長は、フロロカーボンでありながらナイロン的なしなやかさと伸びがあることです。ルアーの泳ぎを損なわず、魚の吸い込みも良くなります。メリットはそれだけではありません。私は、シーバスでV10ソフトのしなやかさと伸びをショックリーダーとして活用します。
シチュエーションは、距離20mまでの接近戦。低伸度のフロロカーボンリーダーは近距離のバイトを弾いたり、バラシやすくなりますが、リーダーでショックを吸収すれば獲れる魚が増えます。フロロカーボンだから根ズレに強く、強度もあるから障害物周りの接近戦でも強引なファイトで寄せることができます。
またフロロカーボンであるからこそ、ナイロンのように水を吸収して劣化することが少ないことも大きなメリットですね」