予約が取れないことで有名な、超絶人気琵琶湖バス釣りガイドの永野総一朗さん。彼の野望は全国各地のフィールドで腕を試し、学び、レベルアップすること! そんな永野さんの武者修行に密着して今回は4回目。前回の福岡に続lく九州地方ではあるものの、完全初場所となる熊本県に挑むこととなった! 直前まで悪天候という、遠征あるあるを前に、永野さんはどう攻略するのか…!?
【Profile】
永野総一朗(ながの・そういちろう)
琵琶湖の数あるガイドサービスの中でも、特に予約が取れないことで有名な釣らせるガイド「たまらんばい永野」の人。わかりやすい釣りを優しく教えてくれるが、その情熱は熱い。先日行われた陸王MOBILEでは加木屋守さんと激戦を繰り広げるなど、岸釣りアングラーとしての実力もメキメキと上昇中!
前日の撮影にて釣果のあった加勢川水系のクリークからスタート!
――前日は山本釣具センターの動画撮影で同水系を回ったという永野さん。釣果の方は?
永野「昨日は明け方まで降っていた大雨の影響で濁りと流れがいい方向に働きまして、朝は巻き物、昼間にもバックスライドで2本釣れることができましたよ」
――今日の狙い的にはいかがでしょうか?
永野「もう季節は7月でかなり暑いです。セオリー的にはカバー周りやインレットなどの水温が上がりにくい場所を中心に回っていこうと思います。ただ、昨日のように天候変化で濁りやカレントが効く場合もあるので、それも考慮に入れて動きたいと思います」
――そしてやってきたのが加勢川へとつながるクリークですね。
永野「実は昨日、巻き物で釣れたのもこのクリークなんです(笑)。でも今朝は雨が降っていないので、さすがに濁りも水位も落ち着いてしまっていますね。まずはHUクランク150から投げていきます」
――こういったクリークは似たような形式が続きますが、どういった場所を狙う、とかはありますか?
永野「何かしらの変化を狙うのは基本ですが、特に意識しているのはインレットですね。例えばここのクリークは泥底とウィードエリア、そしてハードボトムが混在しています。インレットならハードボトムが絡みやすいというのも理由になります」
――インレットなら流れが生じて泥底にならないというわけですね。そういった場所をHUクランクでどのように攻めるんですか?
永野「14lbのラインで2m前後は潜らせられるので、ボトムを適度にタッチするように引いてきます」
――なるほど。ハードボトムをきっちりと釣っていくわけですね。
永野「でも昨日と同じ釣りだと今日は難しいかもしれませんね。昨日釣って、すぐに魚が入ってくるほど魚影は濃くないように思います。移動しましょうか」
たまらんばい永野の表テク&裏テク!?
本編の武者修行と関係あったりなかったり? 永野さんプレゼンツのコレは知っていてほしい! というテクニックや情報をお届け!
アイチューンでトレースコースに工夫を!
立ち位置が限られる岸釣りは投げられる場所やルアーを通せるコースが限られてしまう。
そこで永野さんは一工夫。
永野「ルアーをまっすぐに泳がせるためのトゥルーチューンの逆をやります。つまりあえて曲がって泳ぐようにアイチューンをするんです。そうすれば、まっすぐに投げて真っ直ぐにしか引けない場所でも、ちょっとしたオーバーハングの下や護岸のエグレなんかを通してくることができるんです!」
道に迷いつつやってきたのにインレットパワーが弱体化!?
――迷っていましたね。
永野「昨日来た場所、なんなら釣った場所なんですけどね。迷ってしまいました(笑)」
――クリークとクリークの合流点にあたる野池風の場所ですね。
永野「いい感じのインレットがあって、昨日はそこで2本出ました。慎重にいきますよ」
――お願いします。
永野「…」
――…。
永野「駄目ですね。ベイトフィッシュがインレットの直下に集まっているんですよ。バスがインレットに付いているとしたら、こんなに平和にしているとは思えませんね。もっと違う場所に入っているんだと思います」
たまらんばい永野の表テク&裏テク!?
本編の武者修行と関係あったりなかったり? 永野さんプレゼンツのコレは知っていてほしい! というテクニックや情報をお届け!
インレット攻めは直下のみにあらず!
あらゆるフィールドで一級ポイントとなるインレットだが、釣れるかどうかの見極め方があるのだとか。
永野「インレットはバスもベイトも惹きつける場所です。とはいえ、ベイトフィッシュがのんきに泳いでいるとそこにはバスがいないかもしれません。そんなときには、周辺に目を向けてみましょう。インレットのすぐ近くにあるベジテーション、ちょっと離れ場所にあるマンメイドストラクチャーなど、どこか別の場所にバスが待機していることがありますので、そういった場所も狙うべきです」
――ルアーは何を使っているんですか?
永野「この季節のカバー撃ちでは定番となるバックスライドです」
――ワームはワイドホグですか?
永野「そうです。スタッガーワイドホグ3.3。本気フックの#3/0を逆付けして、0.9gのネイルリグをお尻側にいれて使っています」
――その他、永野さんオススメのノーシンカー系リグは別記事で紹介します(笑)。
永野「なんですかそれ(笑)。気温も高いし、セオリー的には川に行くのが正解かもしれないのですが、ちょっときになるので野池に行ってみます。見えバスがいるかもしれないんです」
見えバスに挑む永野さん
永野「いました。昨日と同じところにいます。どうしたらいいかな…」
――かつてはNBCの岸釣り大会も行われたメジャーフィールド・立岡池。そのバックウォーターで見えバスを発見した永野さん。遠いので会話はできません(笑)。とりあえずルアーはコイケシュリンプのお尻をカットしたものを使っています。
永野「気づかれた!?」
永野「殺気を感じたのかな…」
永野「正直、僕には厳しいタイプの魚かも」
永野「ルアーの目の前でホバリングしてました(笑)」
永野「顔を舐めるように引いても無反応です。諦めます(笑)」
――ちょっとこの天候だと野池は難しいんですかね。みたところ水の動いている場所もなさそうですし…。
永野「やっぱりカレントですよね。川に行ってみましょうか」
たまらんばい永野の表テク&裏テク!?
本編の武者修行と関係あったりなかったり? 永野さんプレゼンツのコレは知っていてほしい! というテクニックや情報をお届け!
ラインは『アブソルートMG』!
今回の取材で永野さんは、ベイト・スピニング問わず見慣れないラインを使っていた。緑色に見えるが…ナイロン?
永野「アブソルートMGですよ。フロロカーボンラインでありながらラインカラーは緑でなんです。これは水中で目立ちにくい色を採用しているんです。しかもアブソルートAAAよりもしなやかで扱いやすいんです。あと、コストパフォーマンスもいいですよ!」
灼熱の浜戸川!
――やってきたのは浜戸川の堰ですね。川というフィールドの中でも特に流れが発生しやすいエリアです。
永野「まだ川の濁りはあるのでクランクベイトを巻きつつ、地形を見ていきたいと思います。ルアーはHUクランク150です」
――ボトムを叩いて地形を把握していくわけですね。
永野「そうなんです。初見の場所ではとくに有効な手段だと思いますよ。ここだとそうですね…。馬の背が2つあるように思います。それがわかったら別の手段を入れていくんです。今回はスタッガーワイドホグのバックスライドリグをズルびいてみます」
――反応はなさそうですね。
永野「このままインレットの直下も撃ってみましょうか」
永野「山本釣具センターのスタッフさんの話では、この角でビッグベイトを吊るしてデカイのを釣る人もいるらしいです」
――それはすごすぎますね(笑)。
永野「よし! 次の堰に行きましょう!」
たまらんばい永野の表テク&裏テク!?
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たまらんばい流クランク術 for 琵琶湖orオカッパリ
琵琶湖でのガイドでも普段からクランクベイトは投げている永野さん。琵琶湖と岸釣り、それぞれのクランキングで意識している違いはあるのだろうか?
永野「琵琶湖では巻スピードがかなり速いです。そこからウィードに引っかかったときの速度変化が喰わせのきっかけになるんです。一方、岸釣りでは、巻き始めこそ速いのですが、ボトムなどにコンタクトしてからはゆっくりと巻きます。ボトムに何が沈んでいるか、どうなっているのかがわからないので、水中の把握と根がかりのリスクを回避するための引き方ですね」
カレントを求めて移動! 移動!
――少し上流の堰にやってきましたね。
永野「ここも同じ様にやっていきますよ」
――HUクランクとバックスライドですね。
永野「う~ん…さっきの堰よりも水深はありますね…。あ、淡水サヨリ」
――生命感はありそうですね
永野「そうですね。おっ!今度はボイル! 馬の背の向こう側で 小魚がなにかに追われていましたよ。ちょっとここからだと狙いにくいので、対岸に回ってみましょう」
永野「そのついでに別のエリアも。ここは大きなインレットが絡んでいていかにもな雰囲気なのですが…」
――バックスライド、HUクランク、HUミノーと様々なローテーションを試していましたが無反応でしたね
永野「難しいですね。さっさの堰の対岸はどうでしょう…?」
永野「…」
――さっきのボイルが嘘のようです(笑)。
永野「休憩がてらお昼にしましょう。この暑さは休まないとやばいです」
たまらんばい永野の表テク&裏テク!?
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お昼はヒライ!
一見するとお弁当屋さん…? な見た目だが、その正体はお弁当屋さん+コンビニ+食堂。といった具合。
永野「恐るべし! です。低価格で大ボリュームの蕎麦が食べられたり、名物のちくわサラダが食べられます。どれも美味しいです!」
食事後の釣りのための飲み物もそのまま購入できるのも便利すぎた!(編集部的な感想)
この日イチのカバーエリアへ
永野「ここは浜戸川でもかなり上流になります。堰堤直下には先行者がいるので、ちょっと下をやってみます」
――ベイトフィッシュはここからもよく見えるぐらいいますね。
永野「ですね。でもベイトフィッシュがたまったいる場所にHUミノー77を入れてみましたがこちらはあまり反応がありませんでした。カバーもやってみましょうかね」
――バックスライドですね!
永野「これで岸際をくまなく撃っていきましょう」
――フォールさせて着底させたら2~3回竿先を動かしてまたフォールさせて回収、といった具合ですね。
永野「そうですよ。でも全然反応がないですね」
――ほんといかにもバックスライド、といった感じの場所なのですが…。
永野「先行者もいなくなったみたいですし、堰堤側に戻ってみましょう」
永野「まずは上からコイケシュリンプマグナム2ブロックカットチューンのノーシンカーを投げてみます。ラインをしっかりと沈めて、2トゥイッチ1ポーズのペースで動かしていきます」
――詳細は別記事で(笑)。
永野「だそうです(笑)。っと喰いました…」
――ゴクリ
永野「まじかぁ…! しっかり喰ってたと思ったのに! 離されてしまいました」
――惜しい…!
永野「でもここに魚がいることはわかったので、ラストまでここでやりきります! その前にちょっと場を休めましょう」
たまらんばい永野の表テク&裏テク!?
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新作発見! TGスリムシンカークイックチェンジャー!
リングオフセットシリーズとのセットで使いやすいクイックチェンジシステムを搭載したシンカーに、待望のスリムバージョンが登場!
永野「今回はどちらかというとノーシンカー系の釣りが主体となるので出番はありませんでしたが、濃いカバーを撃つのであれば出番の多いアイテムです。現行のクイックチェンジャー付きのシンカーは球体に近いグレネードシリーズだけでしたが、こちらはスリムタイプ。いわゆるシンカーのすり抜け感が優れる形状です。デルタ状の突起を設けているので、ボトムの感知力も高いですよ」
濁り&マヅメ効果でHUクランク炸裂!
永野「というわけで、オススメノーシンカーリグ5選でした」
――ありがとうございます! 場を休めついでにインタビューができるなんて効率的(笑)。
オススメリグ5選記事はいる
永野「ちょうどいい時間が空いたと思います(笑)。堰堤の下におりて、HUクランクを投げていきましょう」
――ここにきてクランクベイトですか?
永野「落ち着いてきたとはいえまだ濁りも入っていますし、夕マヅメにもなってきていますからね」
――チャンスがあると。
永野「堰堤の流れの落ち込みに投げて、ゆっくりとリーリングしていきます。さっきのあたりもあるし、地形的にもここにたまっているはず。ベイトフィッシュもいっぱいいます。だから…ッ!!」
――!
永野「来ました! コレは絶対にとる! よっしゃああああ!!」
――やっぱりいましたね!
永野「いましたねぇ! 最後の最後、巻きで釣れてよかったです!」
振り返って
――ルアマガ+でのオカッパリ=武者修行的な釣行は今回で5回目ですが、いかがでしたか?
永野「そうですね。はじめは岸釣りって、カバーを撃っていけばそこまで難しくないだろうと思っていたんです。フィールドをパッと見ただけでも、カバーっていっぱいあるわけじゃないですか(笑)。でも実際は違った。カバーにも良い悪いがある。いい場所ってのはいろいろな要素が複合しているんですよね。特にそのなかでも重要だと思ったのはカレント(流れ)でしたね」
――でもそういった好条件のカバーとなると…
永野「無いんですよね(笑) これはいっぱい岸釣りをやるようになって気づきましたよ」
――今回の熊本での釣行はいかがでしたか?
永野「フィールドの雰囲気は霞ヶ浦水系に近いのかなって思いました。全体的な水深が浅いし、濁りが入っているし、護岸されてている場所も多い。なのでそういったイメージを持ってやりました」
――実は永野さん、今日(取材当日)で熊本は延べ3日目なんですよね。
永野「そうなんです。冒頭にもお話したとおり、前日は山本釣具さんの動画撮影。その前の日は山本釣具さんでイベントだったのですが、その朝に釣りに出ていました」
――その結果…?
永野「3日間ともに釣れました(笑)。でも昨日は大雨の直後ということで少し違う状況だったといえそうです。そういう意味では、初日と今日はシチュエーションが近いかな。雨が降って、その影響がなくなり始めるタイミングということで」
――そんな中、最後に釣れましたね!
永野「あれはサイズ以上に嬉しい1尾でしたよ。釣りたい釣り、『巻き』で釣れましたからね。バス釣りも決して簡単ではなくなってきています。そんな状況なら、やりたい釣りをやりきるのも満足行く結果につながる近道なのかなとも思いました」
――反省点もあればお願いします(笑)。
永野「釣り場の位置関係の把握ですね。2箇所目の釣り場に行くのに迷ってしまいましたし、回る順番を効率化できなかったです」
――確かに、野池などをメインにやっているひとは釣り場から釣り場への移動に無駄が少ないと言うか、余計な動きが少ない印象ですね。
永野「ですよね。時間のロスにもつながるし、次はそういった点を気をつけられればと思います!」
――よろしくおねがいします(笑)。永野さん。今回もありがとうございました!
永野「お疲れさまでした!」
たまらんばい永野の表テク&裏テク!?
本編の武者修行と関係あったりなかったり? 永野さんプレゼンツのコレは知っていてほしい! というテクニックや情報をお届け!
遊漁券を購入するべし!
今回永野さんが釣りをした熊本県の釣り場(加勢側、緑川、浜戸川)では遊漁券が必要だ。
永野「緑川漁協さんはもちろん、山本釣具センターさんでも購入可能ですので、釣り場に行かれる際はお忘れなく!」