海況の変化が原因なのか、ここ数年で湾奥エリアにまで回遊するようになり、ルアーターゲットとしてしっかり定着するようになったサワラ。群れを追いかけながら釣るボートゲームがメインなので、タックルは長すぎず、けれどもそれなりの飛距離を出せるだけの“ボートゲーム専用タックル”が必要になってくる。そこで今回は、サワラゲームにちょうど良いスペックを持った、テイルウォークのロッド&リールを紹介しよう。
解説はテイルウォークスタッフの佐々木さん!
【Profile】
佐々木翼(ささき・つばさ)
テイルウォークブランドを展開する株式会社エイテックに勤務。タックルの企画開発をメインに行い、全国のフィールドやロコテスターから貴重な情報を吸い上げ、それを元にリーズナブルかつ使いやすいタックルの開発に奮闘している。
『ボートゲーマーSSD S73M』
シンキングミノーを気持ちよくジャークできるオールマイティな1本
まずは湾奥のボートゲームでシーバスをメインに、さまざまなターゲットに対応できるマルチロッドとして作られた『ボートゲーマーSSD』。その中でもS73Mというモデルは、サワラゲームにもっともマッチした1本として認識されているという。
ボートゲーマー SSD S73M(テイルウォーク)
●全長:7ft3in
●自重:115g
●継数:2
●仕舞寸法:114cm
●適合ルアー:MAX35g
●適合PEライン:MAX2号
●価格:24,200円(税込)
佐々木「サワラゲームのメインメソッドのひとつに、シンキングミノーのジャーキングがあります。ジャーキングは遠くからでもサワラを呼び寄せるために、波立つ海面付近でもしっかりとルアーを動かしてアピールしなければならないので、ロッドにもそれなりのパワーが求められます。このS73Mは『柔らかすぎず硬すぎず』という表現がピッタリのロッドで、ジャーク時にサワラがよくバイトしてくるレンジである水面直下から5mくらいのレンジでルアーをキープさせつつ、最適なアクションを演出することができます」
対応ルアーウェイトは35gまでとありますが、結構な重さを背負えるスピニングロッドですね。
佐々木「サワラ狙いで出番の多い110〜140cmのシンキングミノー、28g以上のHSミノー、ロングサイズのメタルバイブレーションなどでメインとなるロッドですが、中型のスイムベイト程度ならば、問題なく使用できるパワーを持っています。だからといってガチガチなわけではなく、前述の通り柔らかすぎず硬すぎずな味付けなのでバイト時もルアーを弾きにくく、フッキングも決まりやすいです。ファイト時にも強力なパワーのバットとトルクのあるベリー&ティップでサワラの突っ込みを巧くいなし、アングラーに楽しむ余裕を与えてくれるモデルに仕上がっています」
『ボートゲーマーSSD S70MH』
より激しくジャークするなら15周年記念モデルのパワフルモデル
そして、よりパワフルなモデルのS70MHも見逃せないですね。こちらはテイルウォークブランド発足15周年記念モデルのうちの1本で、先に紹介したS73Mよりもパワーレンジがワンランクアップしています。
ボートゲーマー SSD S70MH 15th Anniversary Limited(テイルウォーク)
●全長:7ft
●自重:121g
●継数:2
●仕舞寸法:110cm
●適合ルアー:MAX80g
●適合PEライン:MAX4号
●価格:26,400円(税込)
佐々木「ブランクスのバット部分にレッドをあしらい、さらにスラントカットされたメタルパーツを盛り込むことで、アニバーサリー感覚を演出しています。こちらもS73M同様にガチガチではなく、負荷が掛かればスムーズに曲がってくれます。しかしながら反発力はS73Mよりも強く、より激しい縦さばきでのジャーキングで誘うことができます。同じルアーでもジャーキングの強さの違いで釣果に差が出る場合は、2本の使い分けがオススメです」
両モデルともに7ft台の長さは、ボート上で使いやすそうですね。
佐々木「シーバスガイド船クラスのデッキ上でも比較的自由に取り回せる、そして力まずにキャストしても十分な飛距離を出せるだけの長さに設定してあります。また、大型の乗合船でのアンダーハンドキャストでも、ティップが水面を打たずにスムーズなキャストができるので、特にS70MHならシイラクラスもカバーできます」
『スピーキー』
カーボンワッシャーで強化されたドラグでサワラの突っ込みもいなす!
超超ジュラルミン製メインシャフトにより軽量化と軽快で滑らかなオシュレーションシステムを生み出す。 様々な魚種、シチュエーションで活躍する汎用性の高いギア比を採用。クラス最上級の滑らかさと感度を持ち合わせている。 3000&3500のドラグセッティングは耐久性を優先したタフアレイカーボンドラグワッシャー。
ローターバランスにもこだわった。リトリーブ時のブレを徹底排除し、スムーズな巻き心地を実現。加えて均一性のあるラインの巻き具合を生み出している。 スプールは均一性のあるラインの巻き具合を実現。標準スプールには深溝タイプを採用し、太ライン~極細ラインを大量用で巻き取るキャパシティーを持たせている。 ドラグ部にラバーパッキンを装備。ドラグワッシャーへの水の侵入を防ぐ。ワンウェイ部分にもラバーパッキン&キャップを採用。
心臓部でもあるギア部分にはテイルウォーク史上初の3Dアルミマシンカットギアを採用。クラス最上級の回転精度を目指した。 ボディ&ローター等主要部品には強化カーボン成分を配合するエンジニアリングプラスチック(ポリアミド)T.S.C.Bを採用。 ベールはラインの引っかかりが無い一体型のステンレス製ベールアームを採用。キャスト後は明確なテンションのベールアームがしっかり戻ることでラインのヨレやフワ巻きを排除。
スピーキー3000HGX(テイルウォーク)
●自重:255g
●ギア比:5.2
●最大ドラグ力:9kg
●最大巻取長(ハンドル1回転):78cm
●糸巻量:PE1号480m
●ベアリング数:ボール6/ローラー1
●価格:24,200円(税込)
スピーキー3500HGX(テイルウォーク)
●自重:270g
●ギア比:5.2
●最大ドラグ力:9kg
●最大巻取長(ハンドル1回転):82cm
●糸巻量:PE1.5号380m
●ベアリング数:ボール6/ローラー1
●価格:25,300円(税込)
これら2本のボートゲーマーSSDと合わせて使いたいリールが『スピーキー』ですね。
佐々木「はい。スピーキーはテイルウォークが自社開発した初めてのコンパクトスピニングリールで、耐久性を追求することでタフな使い方でもヘコたれない、初期性能を可能な限り維持することにこだわって造り上げた自信作です。ギアには超々ジュラルミン素材による3Dアルミマシンカットギアを搭載し、滑らかな回転性能を追求しています。そして強化カーボン素材を配合したT.S.C.Bを採用するボディとローターの主要部分は、堅牢性とともに軽量化にも貢献しています」
ドラグ性能も、相当な力を入れて開発されたとのことですね。
佐々木「そうなんです! まずは2000&2500サイズはバスやトラウト、エギング、ライトソルトなどを想定したセッティングで、ライトラインがスムーズに滑り出せるラグフリーフェルトワッシャーを採用しています。一方の3000&3500サイズですが、サワラやシーバスなどのライトオフショアゲーム、ライトショアジギングなどをカバーするので、不意の大物がヒットしてもラインをスムーズに放出しつつ粘り強く耐える、タフアレイカーボンドラグワッシャーが搭載されています」
サワラはショッパナのダッシュがハンパなく、それに加えて歯も鋭いのでフッキング直後にラインブレイク…なんてことも多々ありますよね。
佐々木「そうなんです!! それを防ぐためにも、このカーボンワッシャーによるスムーズかつ耐久性の高いドラグ性能は、サワラゲームには欠かせない武器だと思っています。重量的にも最大サイズの3500で270gと軽く、ボートゲーマーSSDとのコンビで1日中キャスト&ジャークし続けても、体力的な負担はかなり軽減されると思います。手前味噌ですが、ロッド、リールともに価格もだいぶリーズナブルに抑えていますので、サワラゲームのタックル導入を考えているアングラーには、ぜひともトライしてほしいです!」