昨年初夏、DAIWAソルトルアー部門の「隠し玉」として突然のフルモデルチェンジが発表されたハイスタンダードシーバスロッド『21 ラブラックス AGS』。DAIWAらしからぬセンセーショナルな発表に、驚いたシーバスファンも多くいたことでしょう。かくいう大木もその一人。ずっと触ってみたいと思っていた想いが実り、年をまたいだ2022年3月、遂にインプレを敢行して参りました! そしてはっきり言いましょう、これはもう…ハイスタンダードを超えています…。
自称・編集部イチのシーバスフリーク・大木
【Profile】
ルアマガプラス編集部・大木
元大型釣具量販店の店員という経歴を持つルアマガプラス編集部員。バスソルト問わず、幅広く釣りを楽しむことをモットーとする。得意な釣りはシーバスで、時間があれば地元湘南河川でロッドを振るう。特技はモノマネ。暖かくなってきた最近、やっと釣りに行けた(行った)寒さに弱い34歳。
彗星の如く突如現れた「21ラブラックスAGS」
昨年6月、2021年の新製品ラインナップにも紹介されていなかった製品が突如SNSとYoutubeにて公開されました。そうDAIWAのハイスタンダードシーバスロッド『LABRAX(ラブラックス)』。
2015年にモアザンシリーズ以外で初の「AGS」を搭載し、全モデル専用設計のブランクスは軽量高感度かつキャスタビリティに優れ、シーバスゲームだけでなく、サーフゲームやショアジギングを楽しむアングラーからも多くの支持を得ていました。
またハイエンドシリーズ「モアザン」とは違ったシルバー基調のシックなデザインは、所有感を満たし、ハイスタンダードロッドの「存在感」をシーバスファンに大きく印象づけたシリーズとなりました。
そんな同シリーズが昨年、6年の歳月を経てモデルチェンジ。前モデルからどのような進化を果たしたのか、今回編集部イチのシーバスファン・大木がガッツリインプレッションして参りました。
大木感激! このキャスタビリティは癖になる!
既にメーカーHPやYouTube動画をチェックされている方も多いと思いますが、21ラブラックスのキャッチコピーは「振感覚」。
読んで字の如く「キャスト=振」と「感度=感」に対して圧倒的にこだわり抜いたのが4代目のラブラックスです。
まず「振」について、NEWラブラックスのブランクスは、DAIWAのカーボンテクノロジーのひとつ「HVFナノプラス」を採用。
特徴を簡単に説明すると、粘りや強度を重視した筋肉質でパワフルなブランクスのHVF技術と、東レ(株)のナノアロイテクノロジーが融合することで誕生した、軽量かつ高感度のしなやかでシャキッとした細身のブランクスとなります。
そして軽量化されたブランクスに、DAIWA独自の軽量な「AGSガイド」が搭載されることで、ブランクス本来の軽さをそのままに、竿先の重さも感じることなく、ロッドの重心が手元に集中し、振り心地が非常に軽くなるのです。
よってキャスト時の振り抜きスピードも向上し、遠投からピンポイントキャストまで容易に行えます。また、キャスト直後のティップのブレの収束も早くなり、キャスト時の安定性を生み出してくれるのです。
今回DAIWAからインプレ用に借りたのは、86MLと90Lの2機種で、港湾部や河川で使用する最もベーシックな番手だったのですが、どちらもキャストしてみるとロッド自体の「振り軽さ」がまるでシーバスロッドではないような感覚でした。
実際のアクションは違いますが、エギングロッドやLクラスのスピニングバスロッドに近いキャストフィーリングを感じました。
細身のテーパー且つ高弾性なブランクス、さらには手元に重心があることから、ルアーのリリースタイミングも非常に分かりやすく、ロングキャストからピンポイントのアンダーハンドキャストもスムーズに行えます。
また、軽いリップレスミノーとオーソドックスなウェイト(16.5g)のシンキングペンシルを投げ比べてみましたが、もちろんシンペンが気持ちよく飛ぶのは言わずもがな。
5.6gのシャロールスリム98F-SSRも、目算ですがメーカーHPのアベレージクラスの飛距離(41m)を出すことができました(※90L使用時)。組み合わせたリールに巻いているPEが1号と、ルアーに対して太めだったので細ければもっと飛ばすことができたでしょう。
これまで自身が使っていたシーバスロッドは、ロッドを大きく振りかぶって投げていましたが、ラブラックスの場合はコンパクトなスイングだけでも、ロッドのキャスタビリティとパフォーマンスを最大限に発揮することが出来るのを体感できました。
新ブランクス&新設計の恩恵で「感度」もすこぶる良好!
次に「感」についてですが、先に述べた通り、NEWラブラックスはブランクスにHVFナノプラスを採用し、AGSガイド、エアセンサーリールシートなどを採用することで軽量化されただけでなく、新たな設計方法で作りあげているので大幅な感度の向上を実現しています。
ロッドが軽量化されることは=(イコール)感度も高くなります。個人的に感動したのはティップダウンさせた際の先重りが全く感じなかったこと。
前作もかなり軽くなったと感じていましたが、今作はジョイント部からティップ部にかけてのテーパーが非常に細くなっているのに加え「AGSガイド」を搭載しているので、ティップを上下どちらに構えたとしても、水中の流れやルアーの挙動がハッキリと伝わってきます。
昨今シーバスシーンで主流となりつつあるローリング主体のミノーや、微細なアクションのシンキングペンシルなどの動きも、これまで以上に感知することが可能。また海や河川における流速の変化も把握しやすく「釣れる感度」がこれまで以上に高くなっているのです。
バチやマイクロベイトパターン真っ只中の今、正直この感度があれば、春の弱い吸い込み系のバイトにも対応できるのではないかと思いました。(春は90Lがおすすめ!)
またティップが軽く、手元に重心があるのでトップウォーターやミノーのジャーキング、ダートアクションも非常に楽に動かすことができます。
個人的にはデイゲームでアクションを掛けていく釣りが大好物なので、秋のハイシーズンにその真価を体感したい! 昨年インプレしたモンスタースライダーもこのロッドを使いたかったです…。
釣果もしっかり出せました!
編集部にインプレ用のラブラックスが到着してから、シーバスの釣果を上げるべく何度か東京湾のバチパターンにチャンレンジしたのですが、全て空振り(苦笑)。
地元湘南河川のハクパターンに切り替えたところ、小ぶりではありましたがシーバスをキャッチすることができました。ヒットルアーは以前インプレ記事でも紹介した、春に発売予定の「シーバスハンターシンペンZ」。
ルアーを橋脚の暗部に向かってダウンクロスにキャストし、流れにルアーを当てながらっゆっくりリトリーブさせていると、いきなりひったくられました。
ロッドは小規模河川なので86MLを使用しましたが、フッキングもしっかり決まって、ファイト時もロッドは魚の引きに追従しながら曲がり、バラしやすいサイズでしたが余裕をもってキャッチできました!
買うか悩んでいるのであれば間違いなく「買い」です。
NEWラブラックスAGSは前作と比べると正直価格は上がっています。前作を所有していたユーザーからすると、正直値上がりを簡単に受け入れられる人は多くないかもしれません。
しかし、はっきり断言をさせて頂くとNEWラブラックスAGSは、ハイスタンダードの枠を大きく超えており、言うならば「ハイエンドに近い」ハイスタンダードロッドです。即ち、前作を所有している方は前作のイメージを捨てて良いと思います。正直ラブラックスだけど、ラブラックスじゃない。「モアザン」に肉薄するようなロッドです!
また現在エントリーモデルを所有して、レベルアップとしてラブラックスを手にしてみようかなと考えているアングラーにも絶対おすすめできます。
持った瞬間シーバスロッドの世界観が変わるし、ロッドのグレードが上がることでキャストのしやすさはもちろん、水中の情報量が大幅にアップします。操作感や情報量が上がることで、キャッチできなかった魚を間違いなく獲れるようになります。
「釣れるときは釣れる」という言い方をされる方もいるかもしれませんが、タックルが変わることでその「釣れる」魚をより増やすことができるし、「釣れないときに釣れる」ように手助けしてくれるロッドになるかと思います。
コロナが落ち着き、もし今後DAIWAがシーバスロッド試投会を開催してくれるのであれば、是非このロッドを試投して欲しいです。シーバスロッド観が180度ひっくり返されますから(笑)。そして間違いなく「振感覚」を体験できると思います。
個人的にはベイトモデルorショートロッド(7ft後半クラス)を来年ぐらいに追加でリリースしてくれないかと勝手に期待しておりますww。
DAIWAロッド企画・多賀さんの分かりやすい解説は必見です!
大木のシーバス師匠・キャスティング小出さんのインプレ動画も要チェックです!
現在DAIWA公式Webサイトではオンラインフィッシングショーも開催中!
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