春のシーバス攻略にはテンリュウ『SWAT』シリーズがおすすめ!激タフな「マイクロベイトパターン」を徹底攻略!in鹿児島



熊本県と並び九州のシーバスシーンの「メッカ」である鹿児島県。メジャーポイントである川内川や肝属川をはじめ、県内では多くの河川がありシーバスフィッシングを楽しむことができる。今回は志布志湾を中心とした南薩エリアをホームとする中野さんに、春の気難しいマイクロベイトパターンのシーバスにチャレンジして頂きました。果たして結果や如何に!?

【Profile】

中野慶一(なかの・けいいち)

九州は鹿児島、宮崎をホームに、シーバスやオオニベ、ロックショア、はたまた渓流トラウトと四季を通じて様々な釣りに精通するマルチアングラー。釣り以外にもツーリングやドライブなどの趣味も楽しむ。テンリュウフィールドテスター。

志布志湾シーバス釣行のムービーはこちら

ミッション! 春のマイクロベイトパターンを攻略せよ!

ソルトルアーターゲットの中でも年間を通じて釣りを楽しめるのが「シーバス」である。秋をハイシーズンとしながらも、場所やフィールドを変えれば真夏や真冬でも楽しめる魚だ。そんな年中釣りが楽しめるシーバスフィッシングでも特に難しい時期とされるのが「春」、そしてその季節の定番ともされる「マイクロベイトパターン」の攻略だ 。

時期のずれはあれど、全国のシーバスファン誰しもが毎年苦戦を強いられるパターンのひとつに違いない。今回はそんなタフな春のマイクロベイトパターンを、南薩は志布志湾周辺をホームとするシーバスアングラー、テンリュウフィールドスタッフの中野さんに攻略を依頼した。

中野「取材が決まって、数週間前から場所の下見がてら釣りをしているのですが、なかなか厳しいですね…。昨年良かった常夜灯のポイントに灯りが点かなかったり、取材前に台風のうねりや雨が降ったりと中々前途多難な状況です(苦笑)」

さらに今回中野さんはメディアでの実釣動画取材は初。緊張感も追い打ちをかけるような状況だ。

中野「舟木さん(テンリュウ広報)からは『いつも通りの中野さんの釣りでいいですよ~』と電話で言われたのですが、でも電話の切り際に『1本釣れると釣れないでは違いますからね~』とも言われましたww」

広報からのプレッシャーもさらに畳み掛ける。が、果たしてスーパーロコの実力、いや意地をを見せることができるのか!?

今回の釣行は2日間、初日は夕方から小規模河川を注ぐ河口サーフにエントリー。

フィリピン沖に発生した今季1号の台風の影響により、志布志湾の外海ではウネリが発生。ウネリの影響を受けていないこの河口サーフをチョイスした。

中野「この時期になるとハク(ボラの稚魚)や稚鮎が河川に遡上してくるタイミングです、このポイントは河川とサーフが隣接しているので、フィッシュイーターは追い込みやすく、シーバスはもちろん、ヒラスズキもこのサーフに入ってきます」

中野「あ、目の前にハクがすごいいますね。雨の影響で濁りも入ってるし、雰囲気は良さそうですね」

そして中野さんが最初のポイントで選んだロッドは「SWAT 972S-ML」。SWATシリーズを代表する人気ロッドで遠投性とランカーハントに優れたロッドだ。

SWAT SW972S-ML(Distance)

【スペック】

  • 全長:9ft7in
  • 継ぎ数:2
  • アクション:レギュラーファースト
  • 仕舞寸法:150cm
  • ルアー重量:最大40g
  • ライン(PE):最大1.5号
  • 自重:171g
  • 価格:57,750円(税込)

【使用タックルデータ】

  • リール:ツインパワー4000XG(シマノ)
  • ライン:シグロンPE×8 1.5号(サンライン)
  • リーダー:ナイロン20lb

中野「まず972S-MLをチョイスした理由としてはオープンエリアのサーフということもありロングロッドが必要だったから。またマイクロベイトの時期にしては少し強めな(ML)モデルを使用する意図としては、先程も述べたようにヒラスズキとマルスズキが混在するエリアなのですが、中にはランカーサイズのヒラスズキもヒットする可能性があるからです」

中野「さらに972S-MLは投げられるルアーウェイトの幅も広く、今時期のようなマイクロベイトに似せたサイズのルアーから小型のビッグベイトまで投げれるので、この時期この場所に適したベストマッチのロッドだと思ってます。

実は昨年メーターオーバーのオオニベを獲ったのもこのロッドなんです。C・N・T素材を搭載したバットはホントに粘り強くて、オオニベだけでなく大型の青物を掛けたときの安心感たるや(笑)。また前作のSWATに比べ、感度も非常に高くて流れや潮の変化なども掴みやすくて私の釣りの中で外せさない、絶対的エースな存在です!」

中野さんがメーターオーバーのオオニベをキャッチした実釣ブログもチェック!

そんな溺愛するSWAT 972S-LMに、先発ルアーとして組み合わせたのは120mmクラスのシャローランナー。

中野「これだけハクがいるので、スモールサイズのルアーよりも124mmのシャローランナーでアピールを重視してアプローチしていきます」

いきなり水の中には入らず、手前から丁寧に探る中野さん。

水面を見るとベイトとなるハクが多数入っているのを確認できる、手前のブレイク付近で待ち伏せている魚も考慮し丁寧にアプローチしていく。

120mmから80mmクラスのフローティングミノーやシンキングペンシル、トップウォーターバイブレーションとアクションやスピードの違い、またはマッチ・ザ・ベイトに寄せたりと、ルアーローテーションを繰り返し様々な角度からアプローチするも反応なし。

中野さんが初日のサーフでSWAT972S-MLで使用したルアー。120mmのサーフェスミノーからシンキングペンシル、ウェイク系ルアー、85mmのリップレスミノーまで様々なタイプ、サイズのルアーをローテーションした。

満潮時にエントリーしたサーフだったが、気づけば一気に潮が引き、遠浅のサーフは水が足首程度の水深になっていた。

そしてサーフからすぐ近くの河川ワンド部に移動。時折ベイトは跳ねていてシーバスの気配もあり。最干潮の時間帯を過ぎ、上げが始まるタイミング。しばらくすると…。

中野「食った!」

85mmの小型リップレスミノーに待望のバイト!

慎重に寄せてくるが、まさかのフックオフ…

中野「セイゴクラスでした。こればかりはどうしようもない(苦笑)。今日は一旦宿に戻って休憩しましょう」

やはり一筋縄ではいかない、春のマイクロベイトパターンシーバス。明日のデイゲームで果たして結果を出すことが出来るのか。



運命の2日目。小規模河川をランガン!そして…!

2日目は小規模河川をメインにランガン、昨日と同様ハクパターンのシーバスを狙っていく。

ファーストスポットは小規模河川の水路と河口部が絡むエリアにエントリー。前夜実釣後、雨が降り、河川にはさらに濁りが入った模様。

このポイントで使用するロッドは「SWAT 842S-LML」。SWATシリーズのラインナップでも最も短いショートレングスの機動性やアキュラシーに優れたモデルである。

SWAT SW842S-LML(Tidal Walker)

【スペック】

  • 全長:8ft4in
  • 継ぎ数:2
  • アクション:レギュラー
  • 仕舞寸法:131cm
  • ルアー重量:最大30g
  • ライン:最大1.2号
  • 自重:130g
  • 価格:53,350円(税込)

【使用タックルデータ】

  • リール:ヴァンキッシュC3000(シマノ)
  • ライン:キャリアハイ6 0.8号(サンライン)
  • リーダー:ナイロン16lb

中野「予想通り、ベイトやシーバスは入っていて時折ボイルしているのですが、思った以上にゴミが多いですね…。潮は流れているのですが、外海のウネリがすごくてゴミが押し戻されて、目当てのスポットにずっと溜まってますね」

反応がないとみるや、対岸の少し上流部へ移動。ここは流れ込みが2つあり、最初の流れ込みでは反応がなかったものの、2つ目の流れ込みは増水し、濁りも入ったタイミングもあってか眼の前にはハクも見え、時折近くでボイルも起こる。

中野さんは55mmの小型バイブでチェックしたあと、80mmの小型シンキングミノーにチェンジ。
一見、バスフィッシングのようなシチュエーションであるが、中野さんは842S-LMLのアキュラシーを活かし、ショートキャストで丁寧に流れ込み付近へルアーをアプローチ。

中野「842S-LMLは曲がってくれるので狭い場所でもティクバックを取らなくても、軽いピッチングで十分しなりを活かして投げれます」

流れ込みの少し先にショートキャストし、小型ミノーをも少し強めのジャークアクションで誘いをかけていく。すると抑え込むような猛烈バイト!

中野「ヒット!」

すかさず中野さんはファイトに優位な位置に移動するも、シーバスは勢いよくエラ洗いをし、フックオフ。

中野「くう~、流石に場所が狭すぎて、アワセが完全に決まってなかったか。あと喰いも思ったより浅かったですね。下げ潮が効いて、流れ込んだ水の泡の位置が川の沖側に流れてタイミングとしてはドンピシャだったのですが。悔しい!」

端から見れば勢いよく魚がルアーに食いついていたように見えるが、濁りに水温低下、そしてマイクロベイトとやはり一筋縄ではいかない。

中野「まさにマイクロベイトパターンの洗礼ですね。気を取り直して次のポイントに移動しましょうか」

次に向かったのは最初のスポットとは異なる小規模河川。河川内にエントリーしウェーディングで対岸のポイントへルアーをアプローチしていく。

ロッドは先程と同じく842S-LML。

ここも先程と同じくキャストアキュラシーが、ロッドにもアングラーにも求められる場所。しかし、中野さんは臆することなく、対岸のカバーやシェード付近へキャストを決めていく。

中野「通常はベイトタックルでアプローチするような場所ですが、最近はもっぱら842S-LML使用しています。力まずとも、今打ち込んでいるような狭いスポットへテクニカルなキャストが楽にできて、投げてて楽しいロッドです」

ミノーやシンキングペンシルでアプローチしたあと、ルアーをトップウォーターペンシルにチェンジ。

中野さんが使用した9cmのトップウォーターペンシル

対岸のシェードへタイトにキャストし、しなやかティップでペンシルのナチュラルなスライドアクション演出しているとすぐにバイトが! 惜しくも乗らなかったが、中野さんの集中は途切れることなく、さらにキャスト&アクションを繰り返しながら河川を下っていく。

そして遂に、ルアーが勢いよく水中に引きずり込まれた!

中野さんは慌てることなく、一呼吸おいてからしっかりとフッキング!ロッドの粘りを活かし、シーバスの引きをいなしながら丁寧にファイト、そして浅瀬へ誘導しランディング。

中野「イメージ通りに表層でバイトしてきましたね!気持ちよかったー! そしてプレッシャーからも解放ですww」

タフなマイクロベイトパターンをトップウォーターペンシルで攻略! 価値ある1尾をキャッチし、スーパーロコの意地を見せてくれた!

ベイエリアから小規模河川にベストマッチな『SWAT 842S-LML』

今回、貴重な1尾をもたらしてくれた「SWAT 842S-LML」について改めて優位性や適したフィールド、ルアーなどを中野さんに教えて頂いた。

中野「私がこのロッドメインで使うのは今回のような小規模河川。

小規模河川はこの志布志のエリアには何本もあって、その川ごとに変わったシチュエーションがあります。オープンエリアはもちろん、テイクバックが取りづらい場所や、ピンスポットキャストが決まらないと釣れない場所と様々です」

中野「ルアーを飛ばすことだけでなく、テクニカルにキャストが要求されるシーンが多くあるのですが、この842S-LMLはその両方を高次元でこなすことができます。しかもキャストフィーリングもすごくよいので投げていて非常に楽しいです」

中野「使う季節としては今回の実釣のようなマイクロベイトパターンの春先や、夏から秋の前半戦で使用する機会が多いです。ルアーもマイクロベイトに対応した5~10gクラスのルアーから、ベーシックな12~20cmクラスのミノーをはじめ30gまでのルアーも使用可能。

また、小規模河川のシーバスはセイゴクラスから80cm超えるランカークラスまで様々なサイズが混在します。特に河川に遡上する魚はすごくアグレッシブなので引きもパワフルです。そのような魚と対峙してもしっかりロッドが粘ってくれるので安心してファイトができます」

中野「前モデルのSWATでも同番手があったのですが、今モデルはC・N・T搭載により圧倒的に感度もよくなって、キャストフィールもパワーも向上していますね」

しなやかなティップがトップウォーターペンシルに「生命感」を吹き込む!

今回ヒットしたルアーは9cmクラスのペンシルベイト。鹿児島では本州に比べ一足早くデイでのトップウォーターゲームが楽しめる。

中野「今回廻った小規模河川はどこも水深は浅めのシャローエリア、且つ普段はかなりのクリアウォーターなのでトップは非常に有効なんです。でもトップも、ドッグウォークする際に『固いアクション』になってしまうと、とたんに口を使ってくれないこともあるんです。

ですが、842S-LMLであれば、ティップがしなやかなのでペンシルベイト本来のナチュラルなスライディングアクションを演出することが可能。

コツとしては、ロッドのしなやかさを利用して、ラインスラッグをうまくコントロールすること。ラインを巻きすぎず、適度な弛みを出すことでスムーズなスライディングアクションと喰わせの間を入れてあげることが出来ます」

中野「また、今回のポイントは対岸のカバーとシェードが複合するポイント。距離も近く、ルアーを的確にスポットに送り込むアキュラシーの高さも求められるのですが、842S-LMLはベリーからバットにしっかりとしたハリがあり、しなやかなティップとの組み合わせでピンポイントキャストも容易に行えます」

中野さんがキャッチしたシーバスは、842S-LMLの強みを最大限に活かしたからこそ穫れた「必然の1尾」といっても過言ではない。

中野「九州にも今回のような小規模河川は沢山ありますし、おそらく全国では数え切れないぐらいあるんじゃないかと思います(笑)。また、あまりチャレンジしたことはないのですが、港湾部や都市型河川などのアーバンなエリアにも有効かと思います」

5月を迎え、まもなく全国的にデイでもシーバスゲームが楽しめる季節がやってくる。しかし、まだまだベイトサイズも小さく、ハイシーズンのようなアプローチでは攻略することは難しいだろう。

しかし、自身の「手の延長」のように繊細に扱えるロッドで、これまでアプローチできなかったスポットへルアーを送り込むことができれば、ハイシーズンのような釣果はもちろん、これまで穫れなかった「1尾」をキャッチすることが可能、さらなるシーバスゲームの広がりと楽しさを体感できる。

テンリュウの「SWAT」シリーズはその楽しさを味わえるロッドであることは間違いないだろう。