6月に入りブラックバスのスポーニング(産卵)シーズンは終盤。産卵を終えたバスが増えてくる、いわゆる「アフタースポーン」と呼ばれる時期に突入しました! 比較的釣りやすくなる時期とはいえ、アフタースポーン特有のバスの状態や付き場、アプローチを理解すればバスはもっと釣れる! 他のアングラーと差をつけるこの時期におすすめのルアーも紹介しちゃいます。現在開催されている全国規模の陸っぱりバス釣り大会『陸王ダービー2022』第2戦に参加中の皆さんにとっても、役立ち度200%でお届け!
講師は『房総の虎』高橋洋一さん
【Profile】
高橋洋一(たかはし・よういち)
現在は片倉ダムをホームとする房総リザーバーきっての理論派アングラーであり、元JBトーナメンター。2日で100匹以上のバスを釣り上げることもあるその姿から、誰が呼んだかその名も「房総の虎」。YouTubeルアーマガジン公式アカウントでは「片倉ダム実践型講習会」も無料公開中。とっても勉強になりますよ〜!
最近はバスが釣れなくなった!?
——高橋さん、今日はよろしくお願いします!
高橋「よろしくお願いします」
——早速ですが、最近バスが釣れなくて困っています! 絶対、日本のブラックバスは昔より減っていますよね!?
高橋「そうですねぇ。バスが減ったというよりは、『セレクティブなバス』が増えた。それから『キャストにシビアなバス』が増えた。そんな印象です」
——というと?
高橋「適当にどこに投げても釣れる時代は終わっているということです。1度はルアーを見たことがあるバスの割合が年々増えているからでしょう。今の日本のバスはみんな疑心暗鬼(笑)。岸沿いのバスは特にそうですね、みんなやるので。ただ、厳しくなったとはいえ、適切な『釣れる』アプローチを覚えれば、簡単には外さないと思います」
——なるほど!! では今日はその『外さない』アプローチをぜひ教えていただけますか(食い気味)!?
高橋「わ、わかりました。任せて下さい(この人、自分が釣りたいだけなのでは……)!」
6月のバスってどんな状態?
6月のキーワードはバスへの『介護』
——今は6月上旬ですが、この時期のバスってどういう状態なんですか?
高橋「6月は大体のフィールドはスポーニング(産卵)が終わってアフターの状態です。僕がお客さんにガイドをするときによく使うキーワードなんですが、バスを『介護』するようなアプローチを心がけましょう、とお伝えしています」
——介護ですか!? その心は?
高橋「要はこの時期のバスって産卵という非常に体力を消耗する行動の後で、とにかく疲れている。バスに体力を使わずに食べさせてあげるようなアプローチが有効だと思っています。例えば……」
- 早く動かさない。
- ゆっくり沈める。
- バスより下のレンジを通さない。
- タテに落とすよりは、ヨコ方向にスローに。
高橋「この時期の体力がないバスって、浮き袋の調整をすごく嫌がると感じています。だから、ルアーを通すレンジ(深さ)は気をつけた方がいい。リグをフリーフォールでストンとタテに落とすのではなく、ラインテンションをかけてカーブフォールさせるだけでも反応は変わりますよ。6月の後半になれば、バスの体力も回復してくるので、タテ方向のアプローチが強くなってきます」
6月に狙う場所はここ!
——なるほど。介護精神を忘れず、バスへの気遣いといたわりの気持ちを持ってルアーを投げ込もうと思います! ちなみに陸っぱりからだと、どんなエリアやポイントを狙えばいいのでしょうか?
高橋「まず、水がフレッシュなんだけど『反転流』になっているところ。アフターのバスはまだ流れの中を元気に泳ぐ体力がないので、流れがガードされて水が緩やかに巻いているような場所が良いです。止水域にいたいけど、汚い水は嫌だ、みたいな感じでしょうか。1例で言えば、切り立った岬の流れが当たらない裏側などです」
高橋「もう1つ重要なキーワードがあります。『甲殻類』です。この時期からテナガエビが増えてきます。他にもスジエビ、ゴリ、ザリガニなどもアフターのバスが好んで食べるベイトです。栄養価が高く、かつ楽に捕食できるからです」
——『甲殻類』をキーワードにするとどんな場所が有効ですか?
高橋「土バンクやアシ・ガマが狙い目です。こういう場所はエビ類がつきやすい。かつ水が澱んでいない場所です。河川など流れがある場所のアシやガマのえぐれは絶対に狙うべきです。シェード(陰)ができていればなお良し!」
高橋洋一さん推薦・6月に効くルアー
——ここまでアフタースポーンの時期について、バスが好む場所やベイト(エサ)について、教えていただきました。で、最後に気になってくるのがルアー! ズバリ、どんなルアーを使えばいいんですか!?
高橋「グイグイきますねぇ(笑)。そこをあれこれ試行錯誤するのがバス釣りの醍醐味でしょ?」
——いやいや、それはある程度バスを釣っている方の考えで、全くバスが釣れない私のような人間にとっては、まずは1尾を釣ることが至上命題なのです! ホームフィールドの片倉ダムで単日50本以上とか釣ってしまう高橋さんですから、他のアングラーと差をつけるとっておきのルアーをお持ちなんですよね!?
高橋「(この人、目が血走ってきたぞ。)確かに、僕がよく使うルアーの中には、冒頭で言ったようなルアーを見過ぎたセレクティブなバスもバイトに持ち込める信頼度が高いものがあります。……今日は特別に教えちゃいましょう!」
——ありがどうございばず(涙)!!
イサナ2.5in【カエス】
全長 | 自重 | 入数 | 価格 |
---|---|---|---|
2.5in | 約1.3g | 10本 | 891円(税込) |
高橋「まずはKAESUの『イサナ2.5in』。先ほど説明した土バンクなどにつくテナガエビやスジエビを意識したパターンです。ノーシンカーリグ、フリーリグ、ジグヘッドリグ、ライトテキサスリグ、ダウンショットリグなど様々なリグで使ってみて下さい」
——狙う層は?
高橋「この時期はボトムよりも表層〜中層で誘えるリグをチョイスした方が良いです。バスが上を見ている傾向が強いのと、泳がないで中層をボーッとしている魚も多いので」
——甲殻類と聞くと、ボトムにルアーを置いた方がいいのかなぁとか考えてしまうのですが…
高橋「必ずしもそうとは限りません。『どこをスタートにルアーを入れるか』が超重要です! 岸際から1cmでも離れるとエビをイミテートできずに見切られることも多いです。『ここからエビが出てくるかな』とか『ここからエビが落ちてくるかな』と想像して、ルアーを入れることが大切です。そういった状況をイミテートできればバスは疑いなく食ってきます。岸の上に1度落としてから水中に入れるアプローチも有効ですよ」
——言われてみれば、水中の枝やアシ際からエビが驚いてピンッと跳ねたりする光景を見たことがあります。
高橋「イサナ2.5inは、甲殻類だけではなく、小魚を捕食しているバスにも非常に有効です。例えば霞ヶ浦水系で言えば、ギルやボラの稚魚などですね」
イサナ4.8in【カエス】
全長 | 自重 | 入数 | 価格 |
---|---|---|---|
4.8in | 約8g | 7本 | 891円(税込) |
——サイズ違いのイサナ4.8inはどんな使い方が有効でしょうか?
高橋「4.8inの方は、大きめのテナガエビやハス、オイカワ、ボラなど大きめのベイトフィッシュを追っているバスに効くサイズです。イサナの特徴として、ノーシンカーリグで、自発的にウネウネと身をくねらせながら泳ぐように斜め前方にフォールさせることができます。近年はラインの糸鳴りを嫌がるバスが多いので、ラインの重さだけで自発的にアクションさせることができる点は大きな強みです。自重があって飛距離も出るので陸っぱりで重宝しますよ。」
——他にもイサナならではの特徴はありますか?
高橋「イサナの側面を見てもらうとわかるのですが、全体が凹んでいます。この側面がソフトベイトでありながら強いフラッシング効果を生むので遠くのバスにも気づかせることができます。トゥイッチやジャークで使うのも効果的なので1年中出しドコロの多いルアーです」
セレクティブなバスを騙すイサナの「プラス1」アクションがこれだ!
ロップホッグ【カエス】
全長 | 自重 | 入数 | 価格 |
---|---|---|---|
3.8in | 約7g | 7本 | 891円(税込) |
高橋「もう1つおすすめしたいのがこちら。ロップホッグです」
——ホッグ系ワームですね。ホッグ系はこの時期有効なんですか?
高橋「はい。中層で勝負するときに『中層で止めておけるルアー』って意外と少ないんですよ」
——?? どういうことでしょうか?
高橋「スモラバや虫系の吊るしをする人は多いと思うのですが、この時期、産卵から回復傾向にあるでかいメスは、ザリガニなどボリュームがあるハイカロリーなものを食べたがる傾向があるんです。そういった魚に対して、ロップホッグのテキサスや直リグを、カバーやアシ際で吊るして誘います」
——ロップホッグならではの利点がある?
高橋「ロップホッグは僕がプロデュースさせてもらったのですが、『中層で戦えるホッグ』が世の中になくて作ったんです」
——「中層で戦えるホッグ」?
高橋「はい。基本的にホッグ系ワームは着底するまではなんの勝負もさせてくれません。せいぜい薄いテールがピロピロと動くくらいです。一方、ロップホッグはフォールではキリカケテールが激しいバイブレーションを起こし、吊るしでは4本のツメで『下方向』に強い水押しを発生させるので、深いレンジのバスにも気づかせて寄せるパワーがあるんです。ヨコ方向に水を押すルアーは多いですが、タテ方向に水を押して深場からバスを寄せるルアーがほしかった」
——特徴的な4本のツメにはどんな役割があるのですか?
高橋「意外かもしれませんが、外側の小さなツメは内側の大きなツメを制御させるために配置されています」
——制御すると水押しが弱くなりませんか!?
高橋「いえ、逆です。吊るしでシェイクした時に、内側のツメが大きく外側に開くのですが、それが押し戻されないとタテ方向の強い水押しは発生しません。うちわの骨が薄くて反発力がないと強く仰げないのと同じ原理です。外側の小さなツメは内側の大きなツメを押し戻す役割を果たしているんです。反対に、水押しが強すぎると感じるシチュエーションでは外側のツメをカットすれば水押しを弱くできます」
——なるほど〜! 一旦話を戻しますが、今回6月という時期にロップホッグが有効になる使い方は何ですか?
高橋「6月だとでかいメスの回復系を狙う時に使います。こういった魚は浮き袋を調整するのが辛いので、表層の浮きゴミ直下に浮いていることが多いんですよ。背中を浮きゴミの下にピタッとつけてじっとしているヤツもいるくらいです。このような状況ではカバーの濃さに応じて5~10gくらいのテキサスリグや直リグを浮きゴミの隙間にねじ込んで、水面直下で誘うとでかバスが釣れることが多いです。この時もロップホッグの4本のツメによる複雑な水押しが効きます」
セレクティブなバスを騙すロップホッグの「プラス1」アクションがこれだ!
陸っぱりバス釣り大会『陸王ダービー2022』第2戦開催中!
——高橋さん、実は今、ルアーマガジン主催の陸っぱりバス釣り大会『陸王ダービー2022』が全国4ブロックで開催されているのですが、参加者の皆さんにアドバイスをいただけないでしょうか!
高橋「陸っぱりバス釣り大会!いいですね〜。一般的に、オスよりも産卵を終えたメスの方が先にアフター回復に向かいます。今回お話しさせていただいたことを参考に、ぜひそういった表層〜中層に浮いている食欲旺盛なでっかいメスを狙ってみて下さい!」
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