ビッグベイトからサイトフィッシングまで、あらゆる釣りを駆使してビッグバスを釣りまくる浦川正則さん。そんな浦川さんにとって、偏光グラスはなくてはならないフィッシングタックルのひとつ。その中でも愛用しているのが、自身も開発に携わったキファル(トライノ)というモデル。このアイテムについて、そのこだわりを語ってもらった。
●文:ルアマガプライム編集部
浦川正則のプロフィール
浦川正則(うらかわ・まさのり)
旧吉野川をホームに各メディアで活躍。常に圧倒的な釣果を出し続ける必殺仕事人。トライノのブランド立ち上げ当時から開発をサポートしている。
バスを見るだけでなく、フィールドを見るために偏光グラスは必要
——まず、浦川さんにとって偏光グラスはどのような位置付けのアイテムになるでしょうか?
浦川「偏光グラスは竿とリール、ルアーと同じように重要なタックルです。なかったら釣りにならないし、もし仮に忘れるようなことがあれば時間をかけてでも取りに帰ります。それくらいバスを釣るために重要なアイテムということですね」
——見えバスを見つけるために必要なのでしょうか?
浦川「魚を見るだけでなく、それ以外の情報を読み取ることのほうが大事なんです。1日の中で、バス自体を見ている時間はそれほど多くない。水深や地形、水の動き、ベイトフィッシュなど、フィールドをトータルで見やすくしてくれるのが偏光グラスなので。釣りは自然の情報からバスを釣るヒントを集めていくので、見ることはとても大事なんです。だから、自分の中では偏光グラスはないと釣果が半減するし、ないと困っちゃいますね」
——トライノの偏光グラスを使うきっかけなどはあったのでしょうか?
浦川「トライノのプロデューサーである斉藤洋平さんとは昔から付き合いがありました。彼はもともと別のブランドで偏光グラスを作っていて、その時代からですね。それで、斉藤さんが独立してトライノを立ち上げるということで、自分も使わせてもらうようになりました。斉藤さんは自分の釣りのくせなども理解してくれる間柄でしたからね」
こだわったのは光と風の侵入を防ぐサイドデザイン
——キファルというモデルを作るにあたっては、浦川さんもいろいろと要望を出したようですね。
浦川「こだわったのはフレームの大きさ。大きすぎると重くなるので、重くならない程度にフレームは大きくしてもらいました。そして、横から風が入らないようにするためのカーブ設計。サイドには幅を持たせて、光も入らないようにしています。かつ、曇らないギリギリのデザインに、というところです。このサイドのデザインは一番重要で、いろいろとうるさく言いましたね。光が入り込むとどうしても見えにくくなってしまいますから」
——金属フレーム等では、サイトをするときに光が入らないように手で抑えたりする必要がありますもんね。
浦川「はい、自分もそういう経験があるので、それが必要ない偏光グラスが欲しかったんです。光が入り込まないということは風も入りにくいので、バスボートで走るときなんかも楽です。特にコンタクトレンズの人は風が入ると目が乾きますし、風で視界が遮られたり、最悪の場合コンタクトが外れてしまうこともありますから」
柔らかく粘り気のあるアセテート素材を採用。テンプルには芯金が入っており、手で曲げて調整することができる。素材そのものにツヤや光沢があるので、塗装されているフレームのように表面が剥がれるようなことはない。
サイドは光や風の侵入を防ぐ、独自のヨロイデザイン。光の入る量を減らすことで、レンズ内側にチラつく反射光がなくなり、サイトフィッシングで高い集中力を維持できる。
ノーズパットは調整可能で、顔に合わせてアジャストできるようになっている。自分の顔に合わせて手で微調整できるのは嬉しいところ。
水質や天候などで3色を使い分ける
【シューターグリーン】
オールマイティに活躍するグリーン系
浦川「自分がメインにしているのがシューターグリーンにシルバーミラーを入れたもの。自分がよく行く旧吉野川だったり、リザーバーや池など、グリーンベースの水の色にマッチしていて、水中を見たときに濃淡、明暗、コントラストが出て、魚や水深、地形変化がよく見えるんです」
【ドゥーブル】
薄い色味で光量が少ないときにマッチ
浦川「次に、雨天時などローライトコンディションに使うのがスモーク・グレー系のドゥーブルというカラー。あとは初めて行くフィールドなどで、裸眼に近いイメージで見たいときもこれを使います」
【サイトイエロー】
暗い場所でもバッチリ見えるローライト専用
浦川「これは明るいレンズなので、自分の場合は土砂降りや急斜面のリザーバーなど、特に光量が少ないシチュエーションで使います。暗い時間帯でもバッチリ見えるので、朝のうちだけサイトイエロー、明るくなってきたらシューターグリーンに変える、ということもあります」
フレームの特徴とレンズの見え方は動画でもチェック!
丸一日着用していてストレスを感じない、それが名品の証
——トライノのレンズ自体の良さを感じることはありますか?
浦川「やはり道具に関しては嘘をつけない。これは偏光グラスも同じで、自分が使いにくいとなったら道具として使えない。以前はいろいろなメーカーの偏光グラスを使ってきましたが、トライノのレンズは自信を持って本当に良いと思えて使えています。レンズの歪みもなく見やすいし、さらにコーティングがしてあるので傷が入りにくい」
——釣行回数が多いアングラーも安心ですね。
浦川「はい。自分の場合かなりの釣行日数、釣行時間になってきますが、レンズを拭いたり洗ったりを繰り返してきても傷が入ることなく使えていますよ。自分がメインで使っているのは初期のプロトモデルだったりしますが、それでも問題なく使えていますからね。だから、一般の人が使ってもらう分にはとても物持ちがいいアイテムだと思いますよ」
㈱コンベックスのポラウィングSPXという純国産の偏光レンズ(CR-39素材)を使用。CR-39は厚くて硬い分歪みにくく、プラスチックレンズの中では最も透明度が高い素材だ。色が薄い(明るい)と偏光度は低くなるものだが、ポラウィングSPXは明るい色でも偏光度はすべて99%以上を維持。写真のモデルはドゥーマ(duma)。
ポラウィングSPXは裏表の両面に3種類のコーティングがされていて、長時間にわたって初期性能をキープ。
●ハードコート:傷が付きにくくなる。
●マルチコート:レンズの反射光を抑えることで明るさを高め、反射光のチラつきを防止。
●超撥水コート:水をはじくだけでなく、汚れもつきにくい。
「トライノ・キファルは僕のこだわりを詰め込んだ自信を持っておすすめできる偏光グラスです! ぜひ使ってみて下さい!」
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