海のサクラマスが釣りたい!飛距離と強アピールにこだわった専用ミノー『トラウジョン(フォレスト)』を使ってみよう

北海道には海サクラがいる。もちろん、サクラマスが遡上する九頭竜の河口にも米代川の河口にもいるはずだが、道南のそれは数も多く歴史も長く、釣りも確立されている。タックルメーカー・フォレストの家泉好延さんは、専用のルアーを開発。地元のエキスパートたちとともにこの釣りをさらに進化させようとしている。

●文:ルアーマガジンリバー編集部

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【プロフィール】
家泉好延(いえずみ・よしのぶ)
1971年栃木生まれ、栃木在住。フォレスト営業兼企画開発プロスタッフ。釣りはトラウトオンリーで、渓流からサクラマスまで幅広いジャンルに精通する。海の釣りは海サクラがほぼ初体験。

海サクラはそれほど難しい釣りじゃない

海で釣るから海サクラ。食性も動きも完全に海のフィッシュイーター
トラウトアングラーなら誰でも大好きな紡錘型の体型。流麗で精悍で完璧。小魚を探して回遊し、イワシを追いかけ、オオナゴを捕食する。そして稀に、釣り人の放ったルアーに食いついてしまう。この海サクラは、白銀の魚体に背中の青い色が印象的だ。この青は、海を回遊するゆえの独特の色なのかもしれない。

北海道の冬は、川や湖が凍り付く地方もあるので、トラウトを狙えるフィールドが限定される。

そんな中、道南の日本海側の海でアメマスが釣れるということに気づいた釣り人がいて、それが徐々に「海アメ」という呼び名で広まり、島牧村を中心にアメマスダービーという釣り大会まで開かれるようになったのが20年以上前のこと。

日本海は太平洋に比べると水温が高くベイトも豊富なので、冬でもこの釣りが成り立ったのだ。真冬に始まった海アメの釣りが広まるにつれて、冬が終わって春になってもアメマスが釣れることが分かり、同時にサクラマスも釣れ始めたことで、徐々に「海サクラ」の釣りも確立された。

フォレストの家泉好延さんが海サクラを狙って、初めて北海道に渡ったのは3年前。地元のエキスパート、斉藤正利さん、佐々木元史さん、笹谷正平さんのサポートを得ての釣りだった。

仲間と共に海サクラマスを確率していく
家泉さんの釣りをサポートする、北海道のエキスパート達。左から笹谷正平さん、斉藤正利さん、佐々木元史さん。

エキスパートたちに教えてもらい、自らも海サクラの釣りを理解していくうちに、色々なことが分かってきた。まず釣り場。定番は河口に近いサーフだ。

家泉「北海道の場合、河川内のサクラマスの釣りは全面的に禁止されているので、本州のような釣りはできなくて、狙えるのは湖と海ということになるんです」

川によっては、河口から左右の一定距離を釣り禁止にしている場合もあり、そんな河口規制のない川では、河口からずらりと釣り人が並ぶということになる。次に季節。スタートは2月中旬だ。

家泉「日本海側の場合は、2月中旬ごろを境にアメマスが釣れにくくなり、サクラマスと入れ替わっていくと地元の人は言います。3月〜4月がハイシーズンで、徐々に釣れるエリアを北に移しつつ、6月くらいまでは釣れ続くらしいですね」

海サクラはベイトを追いかけながら回遊していて、遠くでヒットすることもあるし、岸近くまで寄ってくることもある。3月よりは4月の方が接岸する傾向が強い。

磯場やサーフ、オカッパリと海沿いであればどこでも狙える

磯の先にある釣り場へ。トラウトの釣りでは、なかなか体験できないシチュエーションに、家泉さんは新鮮さを感じたという。足元を波に洗われながらのサーフも釣りも、海サクラでは定番の環境だ。飛距離の稼げる道具で広く探る。

家泉「もちろん、太平洋側の噴火湾の方にも海サクラはいると思うんですが、やったことが無いので全然分かりません」

3つめはレンジだ。

家泉「最初は40gくらいのジグで釣りをしたんですが、ジグでもボトムまで落とすようなことはしません。100mくらい投げて、リトリーブのスピードを早くすれば表層だし、遅ければ少し下のレンジ。深くてもせいぜい3~4mといったところです。海サクラは上を意識しているようです」

最後に海サクラはベイトをガンガン追うということ。家泉さんが長く体験してきた本州のサクラマスの場合、川に遡上したサクラマスはエサを捕食しないというのが定説だ。

家泉「だから川では目の前にルアーを送り込んでリアクションとかになるんですが、たとえば海サクラは、2月ぐらいなら13cmくらいのイワシを追いかけていて、しかもルアーに慣れた川のサクラマスと違い、広い海を回遊しながら初めてルアーと出会う個体もいるわけですから、反応がいいんです」

つまり、3~4月に道南の日本海側に行き、河口にずらりと釣り人が並ぶ場所を見つけてその横に入り、ルアーはあまり沈めずに釣りをしていれば、フレッシュなサクラマスがルアーに気づいてヒットする可能性があるということだ。

家泉「案内役がいなくても、回遊してくればチャンスはあります。少なくとも本州の川のサクラマスよりはずっと釣りやすい」

川に遡上する前の魚だからウロコがポロポロ剥がれる
魚は本州の川のサクラマスと変わりがない。海サクラなので盛大にウロコがはがれて飛び散る。ちなみに、プラグだけでなくメタルジグも海サクラには有効なルアー。

海サクラに必要なルアー

トラウジョンのプロトモデル

本州の川の支流クラスならば、ルアーが対岸まで楽に届く場合もあるが、海となると話が全く違う。飛距離は欠くことのできない要素になる。

家泉「エキスパートの話を聞いて釣りをしていると、3種類のルアーが必要だって分かってきたんです。まずは、飛距離が50~60mのミノー、次に60~80mのジグミノー、そして100~120mのメタルジグです」

その中から、まず開発に踏み切ったのが飛距離50~60mのミノーだった。

家泉「とにかく現地の釣り人はミノーであっても飛距離が欲しいって言うんです。ミノーで60mってなかなかの距離ですからね」

フォレストには海サクラに対応したルアーは、ミノーもジグミノーもジグも何もなかった。だからどんなルアーが最適なのかを考えながら、他社のルアーを使っての釣りが続いたという。

家泉「海サクラのミノーは120mmが定番なんですが、飛距離と海サクラがフレッシュだということを考慮して、ミノーのサイズを上げようと思いました。多少大きくても海サクラなら食ってくると」

そこで最終的には143mmに落ち着くトラウジョンのテストが始まった。すると、でかいミノーにはでかい魚が食ってくる傾向にも気が付いた。

家泉「120mmは使いやすいサイズなんです。でも、海サクラも海アメも、トラウジョンにはでかいのが出るんです。これで間違いないと確信しました」

飛距離を考えて、トラウジョンにはウエイトが多めに入れられ、22.5gという重量になった。

「フォレスト独自の重心移動システムで、飛距離も出るし、バランスも悪くない」

3タイプのルアーで攻略するのが定番
海ザクラには飛距離別に50~60mのミノー、次に60~80mのジグミノー、そして100~120mのメタルジグと、3タイプのルアーが必要となる。どの距離を狙うかが、まず最初の分かれ道になる。

トラウジョン143S(フォレスト)

家泉さんが、北海道のエキスパートたちとチームになって取り組んだ、海サクラや海アメマスを釣るための専用プラグ。独自の重心移動システムを搭載し、ボディ形状にもとことんこだわり、圧倒的な飛距離を実現。北海道の定番サイズは120mmだが、飛距離とアピールを優先して143mmに全長を設定した。

【スペック】
●サイズ:143mm●自重:22.5g●カラー:8色●価格:2310円(税込)

左/家泉さんも見事キャッチ! 右/斉藤正利さんがキャッチした海サクラ。小ぶりだが狙い通りのヒットには笑みがこぼれる。


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