未開の釣りを開拓し、近場の水辺で戯れる。どこまでもジブンの魚に寄り添うツララのロッドは、大衆的ではないが人に優しく、設計・意匠は鮮やかに屹立する。最新素材は使っていないのに、目からウロコの新しさ。懐古主義? いやいや、枯れた技術の水平思想。その革命は、エリアトラウトにも。福田雅宏さんの釣りからその深淵を伺う。今回は福田さんがエリアトラウトの最重要アイテムという偏光サングラスについて解説。
●文:ルアーマガジン編集部
福田雅宏さんのプロフィール
福田雅宏(ふくだ・まさひろ)
エリアトラウトでは、トーナメントのみならず自分の釣りを掘り下げる探求者。ビッグシーバスゲームや、ビッグレイクのネイティブトラウトでも知られるマルチエキスパートだ。
脳内を直接反映させられるスプーンに魅入られる
危険防止のため、キャップや眼鏡の着用はエリアトラウトのマナー。魚の反応を絶えず観察するため、ほとんどのエキスパートは偏光レンズを掛けている。
福田「魚の背中の色で、釣りやすい、釣りづらいが分かっちゃう。背中が日焼けして黒かったら、放流から日が経っているからスレているだろう、とか。それって、みんな知っているけど、初めてエリアに来たら分からない。また、釣れ続かせるためには、常時ルアーへの反応を伺っていないと状況を把握できない。食わなかったら、どういう感じで食わなかったのか。じゃあルアーを変えたら反応がどう変わったのか。それは全部、偏光グラスなしでは把握しきれません」
手元への感度や、ラインの動きでもアタリは感知できるが、目視での把握に勝るものはない。
福田「まずは偏光グラスを入手する。また、高品位なものは、透過率など見えやすさで様々にモデルが揃っていたり、加工によって寿命が長かったりします。持論ですが、ロッドやリールと同じくらい重要だと考えています。少なくとも、フレームは安くでもいいので、レンズはいいものを使ってみてください。ウデが上がって、ひとつ上のロッドやリールを買おうと思ったら、偏光レンズも上質なものにするタイミング。水中から得られる情報量が変わってきます」
福田「例えばオレンジのレンズだと、茶色系のボトムにいい。レンズとボトムを同系統にすると、コントラストが上がって、湖底の起伏や岩の輪郭が分かりやすくなります。藻が多いポンドなら、グリーン系とか。一気に情報量がアップします」
実際に福田さんのレンズ越しに、水中の様子を撮影。光量や水質、ボトムの色などでベストなレンズカラーは変わる。見えにくさは疲れに直結し、それは釣果へリンクする。1日トータルで関わってくるのが偏光グラスだ。
流行りに飽きても、釣りに飽きさせない何か。その「何か」を自分の中に探し求め「楽しい!」を提示してくれた福田さん。それもツララの精神に通じるスタイルだ。
『エリアトラウト ギア&マニュアル』発売情報
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- 発売日:2022年11月16日
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