フィッシングショー大阪2023会場内、ユニチカブースにて、これまでにない革新的なラインが展示されていた。ナイロンラインのコア部分にエステルラインを内包した「U-TEC SHIN-SAYA」。果たして、どのような特徴があるのか?
●文:ルアマガプラス編集部
ナイロンのしなやかさと、エステルの低伸度・高感度性能を併せ持つ
去る2023年2月4〜5日に開催されたフィッシングショー大阪会場の、ユニチカブースにて公開された新製品ライン「U-TEC SHIN-SAYA(芯鞘)」。
ナイロンラインのコア部分にエステルが入った、非常に斬新なモノフィラメントラインとなっている。ナイロンとエステルのハイブリッドラインである「U-TEC SHIN-SAYA」は、どのような特徴があるのか?
【ナイロンラインと比較した場合】
- 低伸度なので高感度。操作性が良く、アタリがとりやすい
- 吸水性の軽減でラインが長持ちする
【エステルラインと比較した場合】
- しなやかでトラブルが少ない
- 根ズレに強く、滑らか。耐摩耗性に優れる
- 結束強度が高いため、リーダーなしの直結でもOK
つまり、ナイロンラインの特性であるしなやかさを持ちつつ、エステルラインの低伸度や高感度といった特性も持つ、両者のいいとこ取りのようなライン、それはナイロン×エステルの「SHIN-SAYA」の特徴と言える。
「PE、フロロ、ナイロン」とSHIN-SAYAの特性を比較
ルアーフィッシング等で一般的に使用されるPEライン、フロロカーボンライン、そしてナイロンラインと、ユニチカの新しいライン「U-TEC SHIN-SAYA」を、比重や強度、伸度で数値的に比較したのが下の表だ。
特性 | PE | フロロカーボン | ナイロン | |
---|---|---|---|---|
比重 | 0.96~0.98 | 1.78 | 1.14 | 1.2 |
引張強度(g/d) | 30~40 | 4~6 | 7~10 | 6~8 |
結節強度(g/d) | 15~20 | 3~5 | 6~9 | 5~6 |
切断伸度(%) | 2~4 | 23~26 | 20~30 | 20~30 |
ナイロンラインよりもやや比重が重めで、フロロカーボンよりも引張強度、結束強度が高いというのがわかる。切断伸度とは、どれくらい伸びると破断するかという数値だが、数値を見るとナイロンラインと同等の数値が出ているようだ。
次に初期荷重、つまりアタリに対する伸びを、ナイロンラインと「U-TEC SHIN-SAYA」とを比較。荷重に対して伸びが1%低減。数値的にはたった1%? と受け取られるかもしれないが、100mあたりで換算すると1mも伸びを抑えているということになり、これがアタリに対する感度として明確な差が出るということを、ユニチカは訴えている。
ユニチカでは、耐摩耗性に関する試験も、同社従来製品と比較する形で行っている。具体的には、サンドペーパーでダメージを与え、切断するまでの摩耗回数を比較しているのだが、この面でも圧倒的な耐摩耗性を発揮するという結果が出ているようだ。
「U-TEC SHIN-SAYA」の具体的な発売時期は、現時点では不明。2023年のリリースとだけ明記される。価格とスペックは次ページに明記。
<追記>
「U-TEC SHIN-SAYA」の発売時期は、2023年3月を予定。
U-TEC SHIN-SAYAの特徴を動画で見る
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