《メバル釣れる!》ワームより簡単!? 3〜4月のシャロー攻略はプラグが釣りやすい!【リライト調査隊が調査&釣り方解説】in千葉県内房

メバルといえば、小型のワーム+ジグヘッドで狙う印象が強いかもしれない。確かにワームは釣れる。でもメバルのハイシーズンにあたる、3月〜4月は実はプラグのがかなり効果的! ということで、メバル釣りの達人・リライト調査隊のBOSS吉田にとっておきの「メバルプラッギング術」を伝授してもらいましょ!

●文:BOSS吉田(リライト調査隊)

2024 シーバス特集

実釣&解説は「リライト調査隊」のBOSS吉田! メバルプラッギングをわかりやすく教えてもらった

reLight調査隊(りらいとちょうさたい)

オールマイティに釣りを楽しむBOSS吉田を筆頭に、酔っ払い釣り初心者担当カツ、真面目な釣りバカ担当高橋五段、の3人組。釣りの楽しさを伝えるべく淡水、海水問わずルアーフィッシングを中心に活動。ハゼ~GT・サメまでやろうとしている生粋の釣りバカYouTuber。

BOSS吉田

元釣具店店員であり、釣りのジャンルを問わずあらゆる釣りに打ち込むフィッシングジャンキー。最も得意な釣りはソルトのライトゲームやシーバスだが、並行してハゼクラにも力を入れており、一過言あり。2019年から続く「Hz-1GP(ハゼワングランプリ)」に連続参戦中で、毎年優勝するほどの実力者でもある。それ以外にもエサ、ルアー問わず幅広い釣りに精通!

 メバルってどんな魚?

 スズキ目カサゴ亜目メバル科メバル属。北海道南部~九州まで幅広く生息する。「春告魚」と呼ばれ、春を代表する釣りのターゲットとして全国の釣り人に親しまれている。そんな魚の特徴を以下にまとめてみた。

メバルの基本情報まとめ
どんな魚?日中は根と呼ばれる海底の岩場や海藻などの隙間、その周辺に隠れていて、夕マズメの日が落ちる頃から夜にかけて根から離れエサを探し始める。上を見てエサが来るのを待っている場合が多く、潮通しが良い場所を好む。
ハイシーズンはいつ?2月頃が産卵の時期だが、正確には産卵ではなくメバルは孵化させて稚魚を産む卵胎生の魚。晩秋~冬は産卵に備えたメバルが釣れ始めるが、メバルにとって過ごしやすい水温15℃前後になる3月~4月がハイシーズン。産卵を終えたメバルが体力を回復する為に餌を荒食いし始めるタイミングとなる。とはいえ、夏場も釣れない訳ではなく、あくまでも釣りやすい時期が晩秋~春に掛けての時期となる。
メバルは根魚?ロックフィッシュに分類されているが、カサゴやアイナメのようにボトム(底)に張り付いていることは少なく、障害物周りの中層付近で上を見ながら定位していることが多い。狭い範囲ながら潮の満ち引きで回遊もする。
何を食べている?地域にもよるが、イワシなどの魚類から甲殻類のエビ‧カニ、バチと呼ばれるイソメ類と比較的何でも食べる。「目張」と書くように目が大きく、良く見て行動する魚でメバルより上を通ったり落ちてくる餌を待っている。

 メバルを釣りやすいポイント

漁港

 まずおすすめしたいのが「漁港」だ。足場がいいうえに、メバルが身を隠しやすい障害物や地形変化が多いのがその理由。つまりお手軽だし、狙いやすいということ。

たとえばそれは、ベイトの集まりやすい常夜灯や消波ブロック、スロープ、船が通る道(船道)にはブレイク。潮通しの良い場所であれば、海藻があったり、メバルにとって過ごしやすい環境が整っている。また、ベイトとなるイワシなどの小魚やエビ・カニなどの甲殻類、バチ(イソメなどの多毛類)がいる可能性も高い。

尺メバルと言われる30cmを超える大物は磯に潜んでいることが多いが、慣れていないと危険な場所も多いのでとくにビギナーアングラーには漁港をおすすめしたい。

こちらは過去にキャッチした尺オーバー! 房総半島の磯での釣果だ。

3月〜4月はシャローのプラッギングが楽しいし、釣れる!

 釣り方の話になるが、メバリングと言えば、小さいワーム+ジグヘッドという印象が強い方も多いのではないだろうか? 確かにシーズンを通してジグヘッドリグは釣れるのだが、プラグをの方が釣りやすい季節がある。それが春の3月~4月にあたり、シャロー(浅場)に入ってきたメバルはプラグに高反応を示すようになる。

ジグヘッドリグはもちろん釣れるが、プラグがハマる時期もある!

また、ワーム+ジグヘッドの場合、たとえ軽量のジグヘッドを使ったとしても、ゆっくりリールを巻けば沈んでいく。ジグヘッドの重さやロッド角度、リールを巻くスピードを熟知している上級者であれば問題ないかもしれないが、シャローを攻略している最中は、油断すると根掛かりしてしまう。意外にも細かい戦略を立てる必要がある。

メバルプラグに関しては、フローティング、シンキング、サスペンド等様々なタイプがあるが、たとえばシンキング(沈むタイプ)タイプであってもリーリングを開始すると水面に浮上する、浮き上がりやすいものが多いので、ゆっくり巻いても沈みにくい。

メバルをルアーで狙う場合、基本的にはスローなただ巻きが効果的。たとえばプラグとジグヘッドリグを同じ速度でゆっくり巻いた場合、浮き上がるプラグは水面付近を引けるのに対し、ジグヘッドは沈んでしまうのでシャローで根掛かりする可能性が高くなってしまう。その点で言えば、メバルプラグは根掛かりリスクが低い分、ジグヘッドよりゆっくりシャローエリアを引けるメリットがある。

また、飛距離に関しても、プラグの方が飛距離が出るタイプが多い。その理由は、飛距離を出すために飛行姿勢やウエイト配置にこだわったモデルが多く、そうしたプラグは空気抵抗が少なく良く飛ぶ。ジグヘッドの場合はワームを取り付けることで、空気抵抗を受けやすくなり、ある程度の重さがないと飛距離は出しにくい。

タックルはメバル専用が好ましいがスペックが伴っていれば、エリア用、アジング用、ハゼクラ用ロッドでも代用可能

  • ロッド:6ft〜7ftクラスの1〜5gのルアーがキャストできるメバリング用ロッド。エリア用、アジング用、ハゼクラ用ロッドでも代用可能。
  • リール:PE0.3号〜0.6号が巻けるスピニングリール1000番〜2000番
  • ライン:PE0.3号〜0.6号
  • リーダー:フロロカーボン1〜1.7号

潮回りを意識せよ! 実際にどのタイミングが釣りやすい?

月明りがなく潮の干満差が大きい大潮~中潮を狙うと釣りやすい。特に、エサを求めて深場からシャローに入ってくる可能性が高い上げ潮のタイミングがおすすめだ。

満月だと月の明かりでエサとなるベイトが広範囲に散ってしまい、メバルが1ヵ所にまとまっていない場合がある。下げ潮でも釣れないことはないが、シャローに入ってきたやる気のあるメバルが下げ潮と共に深場に移動してしまう場合があるので急に釣れなくなる事がある。

気になっていたルアーを使ってみた

Sマジック(アクアウェーブ)

まるでモヒカンのようなデザインのボディが演出するのは、滑らかなS字軌道。ワイドな泳ぎにもかかわらず、プレッシャーを与えにくい「ハイアピール✕ローインパクト」なアピールが特徴だ。遠投性能にも優れ、広範囲をテンポよく探ることができるシンキングモデル。

【スペック】
●サイズ:45mm●ウエイト:3.0g●カラー:20色(+新色2色)●価格:1400円(税別)

シャローマジック(アクアウェーブ)

水深20cmまでを探るために開発された小型のシャローミノー。1.8gのウエイトに対して、シンクレートはシンキングに設定しているが、低比重に設定されているため水馴染みが抜群! 投げて巻くだけで広範囲のシャローエリアを効率的に探ることができる。リトリーブスピードの変化で泳ぎのアピールを変えられるのも特徴。

【スペック】
●サイズ:45mm●ウエイト:1.8g●カラー:30色(+新色2色)●価格:1400円(税別)

新色にも注目!「C.マットピンクO.B.」&「半生シラス」

今回は新色をいち早く入手! 「C.マットピンクO.B.」は、ボディ全体がマットピンクだがベリー(お腹側)がオレンジベリーと強アピール系のカラー。早く反応を見たい時や暗い所を狙う場合に有効だ。

「半生シラス」は、クリアボディにウロコ模様の薄いホワイトバック(背中側)とベリーのリア(後ろ側)にシルバーラメという組み合わせ。比較的弱めのアピールだが、明かりが透過して存在感も出る常夜灯周りに有効なカラーだ。クリアベースのカラーは、派手なカラーで釣った後、釣り場をスレさせないようにするために使ったりする。

釣り人なら誰しも新色は気になるものだ。ということで、今回はこの2色もローテーションの中心に据えることにした!

実釣は千葉県の房総半島にて! 結構な悪条件…ちょっとやばいかも!?

実釣当日は、幸運にも上げ潮を狙える時間から釣り場に入ることができたのだが、若潮で潮があまり動かないという状況。半ば強引に釣りを強行してしまったこともあり、期待と不安の入り交じる気分の中、目星をつけていた千葉県内房の漁港に到着した。

港内を見渡してみると魚の姿が見当たらない。強風で狙い難かったが、港内の海藻が溜まっている場所を発見!

海藻の溜まるポイント。こういう場所にメバルは潜んでいる。

切れた海藻が流れに押されて1ヵ所に集まり、海面に絨毯のように溜まっている。メバルの大好きな環境だ。魚影が見えない場合は、海藻の下にメバルが隠れている可能性が高く、海藻際や隙間を狙うと良い。ちなみに、切れた海藻の周りにしっかり根から生えた海藻があるとなお良い!

キャストを開始すると目の前に、海底から海面に柱の様に長く伸びている海藻を発見! 好条件だ。「大体こういう海藻の横にいるんだよなぁ」とブツブツ言いながら、「Sマジック」のC.マットピンクO.B.をキャスト。

すると、海藻の横を通る寸前に「ブルル!」と小気味のいいアタリが! ヒット直後に海藻に絡まってしまったが無事キャッチすることができた。

SマジックのC.マットピンクO.B.に食いついてきたメバル。

Sマジックはシンキング(沈む)だが、浮き上がりが早いのでキャストをして着水後、1秒に1回転くらいのスピードでリーリングを行うと、水面直下をS字を描くように攻めることができる。

海藻周りにメバルが付いていることが分かったので、次は「Sマジック」の半生シラスをキャスト。切れた海藻の横を通るように、先程と同じリリーングスピードで狙うと、なんと連続ヒットとなった!!

Sマジックの半生シラスでもキャッチ!

今回使ったルアーはアクアウェーブの「シャローマジック60」&「Sマジック」

実釣を行ったのは2月半ば。少々プラグの時期には早いかと思われたが、カラーチェンジをして連続ヒットに持ち込むことができた。なら色々試してみたいということで、早速ルアータイプをチェンジすることにした。

お次は「シャローマジック60」。「Sマジック」が1秒にハンドル1回転なのに対して、こちらは1.5秒にハンドル1回転と、さらにゆっくり攻めることができる。さらに、3.8gとは思えない飛距離とデッドスローで巻いた時の微細なロールアクションで水面直下を狙えるのと、リアフックのスプリットリングが2個仕様になっているためフッキングも深く入りやすいなところにも注目したい。

新色の半生シラスを結び、先ほどと同じように切れた海藻の横をゆっくりリトリーブしてくると「ゴ! コン!」という手応え。しかも嬉しいサイズアップ! 狙う範囲は同じでもルアーの見せ方を変えることでスレ難くなり、サイズアップにも期待が持てる。

今回の最大魚がこちら! いいサイズだ。

常夜灯の明かりが当たっている方で釣ってしまったので、暗くなっているエリアを狙うために「シャローマジック」をキャスト。引き波を出すように水面直下をデッドスローで巻いてくると目の前で「パシャン」。出たか! と思ったが、ミスバイト…。

ナイトトップ!! 波紋もしっかり出たので、すかさず同じ場所を通すようにキャスト。ゆっくり巻いてくると「ブルルルル」としっかりフッキングしてくれた。狙い的中! ミスバイトしたメバルをキャッチすることができた、非常に嬉しい瞬間だ!

【ローテーションの重要性】メバル=目張というくらいだから、よく見てるんです

「目張」と書くようにメバルは目が非常に良い。

今回は、魚影が見られず、ベイトが何だったのかわからなかったが、「見せるカラーローテーション」と動きの波動を変える「ルアーローテーション」を細かく設定することで、短時間のうちに連続ヒットさせることができた。高活性で何にでも反応が出てしまう時は別だが、キャッチ数を伸ばすためにはローテーションはとても大切!

今回も新色をローテーションの中心に据えたが、強アピールの「C.マットピンクO.B.」で広範囲のメバルを探し、弱アピールの「半生シラス」で追加キャッチを狙うというローテーションが見事にハマった! 「Sマジック」「シャローマジック」共に、カラー展開が豊富なので、もっと細かくローテーションすれば、釣り続けることもできそうだ。

キープは必要最低限でお願いします!

メバルは食べて美味しい魚ということもあり、沢山釣れたからといって全部持ち帰ってしまうと、その周辺エリアで極端にメバルの数が減ってしまう。多くの根魚がそうであるように、メバルもまた成長速度が非常に遅く、3年で15cm、5年で20cm、30cmは約10年かかると言われているくらいだ。小さい個体や特にお腹の大きい産卵絡みの個体はなるべくリリースしてあげると、長くそのポイントでメバリングが楽しめるようになる。持ち帰る場合は必要最低限だけにしよう!

今回の釣りの模様は動画でもチェックできるぞ!


※本記事は”ルアーマガジンソルト”から寄稿されたものであり、著作上の権利および文責は寄稿元に属します。なお、掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。 ※特別な記載がないかぎり、価格情報は消費税込です。