
決して簡単ではないが、刻々と変化するフィールド状況に対応できればハイクオリティーなバスが釣れる魅力的なフィールド・霞ヶ浦水系。今、カスミで最もバスを釣る男との呼び声も高い佐々木勝也さんに、春のカスミ攻略法を伝授してもらった。
●文:ルアマガプライム
佐々木勝也(ささき・かつや)
霞ヶ浦水系をホームとする陸っぱりの名手。ランガンスタイルで、シャローに差してくる大型のフィーディングフィッシュを狙う釣りを得意とする。岩手県出身、1988年生まれ。
動画でチェックしたい人はこちら!
春のキーワードは「風」「タイミング」「ベイトの存在」!
佐々木「霞ヶ浦水系を攻略する上で欠かせない要素が『風』、それにともなう『タイミング』、そしてバスのエサとなる『ベイトの存在』です。逆に春で一番キツイ状況が無風。シラウオやワカサギなどのベイトフィッシュが岸に寄せられないからです。すると、それを捕食するバスも岸から離れてしまい、陸っぱりでルアーが届く範囲にバスがいない、あるいは、いたとしても捕食モードではないのでルアーに反応してくれない、と言う状況になってしまいます。『春は風が命!』と言うくらい、とにかく重要です」
実際に今回の釣行でも、全て風が当たっているタイミングでバイトが多発した。風向きも重要で、岸と平行よりは、岸に向かって波が打ちつけられる角度が良い。
佐々木「タイミングに関しては、無風からの吹き始め、微風から強風に変化した瞬間、逆に強風からピタッと風が止んだ瞬間などにバスが急に口を使ってくれることがあります。風が吹いている日や時間帯でも、風量が変化したタイミングが重要と言うことです」
画像時は微風で魚からの反応はなかったが、このあと風が強まったタイミングで同じエリアに入り直すとすぐにバイトが。その様子は動画でチェックしていただきたい。
佐々木「この時期の霞ヶ浦水系はワカサギとシラウオがメインベイトになります。遊泳力が弱いことに加えて産卵も絡み、これらのベイトフィッシュが風で岸に寄せられている状況が狙い目です。裏に水路が続いている水門などでは、小さいフナや外来種のタナゴも出入りしています」
遊泳能力が低いシラウオは風によって岸に寄せられる。それを捕食する食い気があるバスも岸に近寄ってくる。
佐々木「時期が進行してスポーニングの前後になると、ベイトがいなくてもバスがカバーにつくことはあります。ただ、春全体を通して言えることは『ベイトがいなければバスもいない』くらいに考えておいた方がよいです」
佐々木さんはベイトの有無を判断する方法として、魚食性の鳥であるカイツブリが岸に寄っているかどうかを常にチェックしていた。
ササカツ的・春の鉄板ルアー
ガストネード110S(DAIWA)ダブルプロップタイプのシンキングスイッシャー。一定の速度で水面直下をゆっくり巻く。佐々木さんはアラバマリグを投入する前に、ルアーパワーが弱く、よりナチュラルに誘えるガストネードを先に使うことが多い。
アラバマリグ+STEEZスターリングシャッド3.3インチor2.8インチ(DAIWA)リグを真下に落とし、護岸に沿って歩きながらシェイクして誘う。バイトが浅いときはスターリングシャッドの2.8インチを使用。近年はアラバマリグにスレているバスも多いため、佐々木さんはブレードを黒く塗って使用している。
グラディカル(DAIWA)ギルやフナなど体高があるベイトフィッシュがつきやすいスポットで投入。移動距離を抑えたグライドアクションにより、ピンスポットで何度も誘いをかけることができる。佐々木さんは水門周りや沖目の単杭で使用していた。
スモールミノー 70mmクラスの小型ミノー。シラウオを捕食しているバスに効果的で広範囲に探ることができる。佐々木さんはシラウオを意識してスロー〜ミディアムリトリーブで使用。
STEEZハイドロスティック(DAIWA)これもシラウオを捕食しているバスに効果的なルアー。スモールミノーよりも食わせを意識したルアーセレクト。写真はバザーズジグヘッドSSガード付き0.9gをセット。
シャッドクランク 風が当たっている護岸などで、シンキングスイッシャーよりもアピール力を持たせたい時や狙うレンジ(水深)を深くしたい時など、スピーディーにチェックが可能。
ササカツ的・カスミ攻略タックル
【リベリオン691HFB-SB】(DAIWA)
さまざまな重量級ルアーを扱えるヘビーバーサタイルロッド。佐々木さんがアラバマリグやハネモノ、グラディカルなどのビッグベイトで使用する出番の多い番手だ。十分なロッドパワーを持ちつつ、エクストラファストテーパーでティップが入りやすいので春のショートバイトも弾きにくい。
【タックルセッティング】
リール:ジリオンTW HD 1000XHL(DAIWA)
ライン:スティーズ フロロ クロスリンク 20lb(DAIWA)
【リベリオン661MRB-G】(DAIWA)
ガストネード110Sを中心に、シャッドクランクやビッグミノーでも使用。春に多い、浅い掛かりによるファイト中のバラシをグラスコンポジットが軽減してくれる。グラスコンポジットであることを感じさせないキャスト時のシャープな使用感も特筆すべき点だ。
【タックルセッティング】
リール:アルファス SV TW 800HL(DAIWA)
ライン:スティーズ フロロ クロスリンク 12lb(DAIWA)
【リベリオン6101MLFS】(DAIWA)
佐々木勝也さんの使用頻度No.1スピニングロッド。今回の釣行では小型ミノーやシャッドで使用。PEラインとのセッティングにより、強風時でもロッドの長さを生かしたロングキャストが可能。
【タックルセッティング】
リール:エアリティ LT2500S-XH(DAIWA)
ライン:タトゥーラセンサーPE x8+Si2 0.6号(DAIWA)+フロロリーダー8lb
【リベリオン641ULFS】(DAIWA)
ライトリグを繊細に扱う場面で活躍する1本。軽い力でティップがよく振れるので、ミドストなどシェイキングが必要なリグで活躍する。春はシラウオパターンで軽量ジグヘッドリグを操作する時に出番が多い。
【タックルセッティング】
リール:エアリティ LT2500S-XH(DAIWA)
ライン:スティーズ フロロ クロスリンク 4lb(DAIWA)