釣りをしていると様々な生物に遭遇することがある。オウムガイはフィリピンを中心とした西太平洋の熱帯域に生息しており、日本に生息していない。しかし、とある理由により日本沿岸に漂着することがある。
●文:ルアマガプラス編集部
オウムガイ
オウムガイは、オウムガイ目オウムガイ科に属する頭足類の軟体動物。ニョロニョロとした触手は90本あり、特徴的な見た目だ。釣り人に馴染みが深いイカやタコに近い存在。
「生きた化石」のひとつとも呼ばれており、約5億年前からその姿を変えずに生き続けいる。オウムガイの殻は渦巻状になっており、その形が「オウムのくちばし」に似ていることから、この名前が付けられている。
オウムガイは熱帯・亜熱帯の海に生息し、肉食性で、小魚やエビなどの甲殻類を捕食している。90本ある触手を起用に使って泳いだり、海底を這って移動する。また、触手を使って貝殻を開け、食べ物を取り出すこともある。
オウムガイの遊泳力は殻に秘密あり
オウムガイの殻の内側は真珠光沢が強く、アワビ張りチューンを施したルアーのようだ。約5億年前から姿を変えていないので、古代の釣り人はこの殻を利用してつり具(漁具)を作っていたかもしれない。
また、オウムガイの殻は巻き貝によく似ているが、中の構造は全く異なる。巻き貝のように殻の奥まで、ひと続きになっておらず、オウムガイの殻の中は仕切りが規則正しく作られている。
細かく分けられた部屋は入り口に近くなるほど空間が広くなり、出口部分の大きな空間に体が収まっている。
空洞部分には体液とガスが入っており、これにより浮力を得ている。オウムガイが死んで体が亡くなったあとは、殻の空洞部分による浮力により海面に浮かびやすくなり、海流に乗って生息していない日本などの沿岸に漂着することもある。
次のページでは、オウムガイの殻の中身に驚愕。
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