荷物が大量に積めて、悪路もよく走り、車中泊もこなす。そんな釣り人が求める条件を楽々クリアする三菱のデリカシリーズ。そんなデリカに、弟分のデリカミニが満を持して誕生した。果たしてデリカミニは「釣り車」としてどれほどの実力があるのか。マルチアングラーで普段はデリカD:5が愛車のおかまりさんが検証!
●文:ルアマガプラス編集部 ●撮影協力:三菱自動車/早川河川漁協
おかまりさんが、釣り人目線で三菱 デリカミニをチェック!
岡田万里奈(おかだ・まりな)
「おかまり」の愛称で親しまれ、フライフィッシングからソルトルアーまで幅広く活躍している岡田万里奈さん。YouTubeにて「おかまりチャンネル」も運営中!
↓デリカミニのインプレッションは動画をチェック!↓
【外観チェック】
デリカの血統をしっかりと受け継ぐ、かっこかわいいルックス
5月某日。少し大きめ石がゴロつく河原に降ろされたデリカミニのかっこかわいい容姿にさっそく飛びつくおかまりさん。「このちょっと怒っている感じの目がいいですよね〜、顔がとってもかわいい」デリカミニのアイコンである半円形のLEDポジションランプから続くグリルやロゴはデリカD:5をしっかりと受け継いでいる。
この特徴的なLEDランプはメーカーオプションでアダプティブLEDヘッドライトが選択可能。光軸を自動調整することで、対向車などを眩惑することなくハイビームを維持し、悪天候で活躍するフォグランプが搭載されるなど、タフで力強いデザインと機能を両立している。
また背部に目を向けると、テールゲートガーニッシュに大きく「DELICA」のロゴが。このデリカミニが歴代デリカ・ファミリーの一員である証だ。「全体的にゴツいイメージで本当にデリカの弟分ですね」とおかまりさん。
「ルーフレールがあるのもポイント高いですね」標準装備でルーフレールがあればすぐにキャリアを装着できるので、例えばフローターやカヤックの積載、荷物の多いキャンプでは非常に便利だ。
【内装チェック】
快適なヒーター類と、充実した運転支援機能
さっそくドアを開けておかまりさんが運転席に乗り込む。このデリカミニ、車高が4WD仕様は1830mm(2WDは1800mm)あるので、伸長が167cmあるおかまりさんでも余裕の出入りだ。
「乗り込むと思っていた以上に広いですねー、ナビの画面も大きくて見やすいし、エアコンのタッチパネルの操作感も最先端な感じ。しかもシートヒーターが着いてる!」
真冬の釣りでは心底寒い思いをするので、シートヒーターがあるととても救われた気持ちになるという、アングラーならではの意見。ちなみにデリカミニにはオプションでステアリングヒーターも装備できる。
またデリカミニには同一車線運転支援機能「マイパイロット」も一部グレードに標準装備。アクセルペダルから足を離していても車間距離の保持をアシストし、ステアリングを自動制御することにより車線中央付近を走る手助けも。運転で眠気を感じたら休憩するのが大前提だが、釣りは早朝からの行動が多いので、こういった運転支援機能は本当に助かる。
「ちょっとギアをバックに入れてみましょう、じゃーん、バックカメラに加え、360度カメラもついてるぅ」と歓喜の表情をこぼす。オリジナル9型ナビゲーション(ディーラーオプション)には、駐車時に車体上から見下ろしているように見えるマルチアラウンドモニター(一部車両オプション)の映像がくっきり。
またルームミラーにもこの背景が投影され、さらにルームミラーはリヤカメラの映像も。つまり後席に荷物をたくさん積載している状況でも後ろの状況が視認できるのだ。街灯のない河原などは夕暮れ近くなると後部が見にくいし、大きい岩なども視認できるから、ここも釣り車として重要なポイントだ。
様々なシートアレンジが、余裕の積載と快適な車中泊を可能にする
おかまりさんが後部ドアの下に足を入れるとスライドドアが自動で開いた。キーを持っている状態で、助手席側電動スライドドアの下に足先を入れてサッと引くと、ドアが自動で開閉するハンズフリー機能だ。これなら両手に荷物を持っている状態でも乗るのが楽。
後席に乗り込むとテーブルやUSBポートなどの便利アイテムに加え、サンシェード(一部標準装備)やプラズマクラスター付のリヤサーキュレーター(一部グレードに標準装備)など充実した装備が次々と現れる。
注目すべき点はシートの素材使いだ。上部と横には質感の高い合成皮革を使い、座面・背もたれ部にはダウンジャケットをイメージした3Dパターンの撥水シート生地を採用。ウエーダーやレインウエアなどの濡れた物を載せても問題なさそうだ。
また後席ラゲッジスペースは、シートバックにPVC、ラゲッジボードに樹脂を使うなどハードな仕様(一部グレードに標準装備)。濡れたものや汚れたものでもガンガンに収納でき、掃除も楽にできるのが嬉しい。
アングラーとして気になるのがラゲッジルームの積載性だろう。リアシートは320mmものスライド量があり、片側ずつスライドさせたり、背もたれを大きく倒せるなど多彩なアレンジが可能だ。片側だけ倒したり、全面フラットにしたりと、これなら釣り道具の積載も、車中泊も快適にこなせそうだ。
実際におかまりさんの釣り装備を載せてみる
おかまりさんが普段愛車にしているデリカD:5をデリカミニの横につけ、普段から使っている道具を積みかえ始めた。
左がデリカミニ、右がおかまりさんのデリカD:5。
「渓流とショア系のタックルに、バッカンやドカット、それに簡易的な車中泊の道具も入れてみます」D:5に比べれば小柄なデリカミニだが、実際に積みかえてみるとまったく問題なく、まだまだ余裕といった感じ。
「ほら、天井部には7.3ft(2.2m)のロッドがそのままイケますね!」デリカミニは軽自動車枠の中でも最大限のスペースを確保しているので、7ft前後までのロッドなら分割せずに積載できるのだ。
【走行チェック】
しっかりした足回りで、石の大きな河川敷も余裕で走行できる!
今回紹介しているデリカミニは、上位機種であるT Premiumの4WD仕様車。いよいよおかまりさんが河原を試乗してみることに。現場はこぶし大から大きなものだとボーリング玉ほどの石が連なる河川敷。
普通の軽自動車では少し足回りに不安を覚えそうな状況だ。「まず視界は広いですねー。こんなゴロタ石の状況でもゆっくり進めば安定してますね。石に乗り上げて、そこから落ちるときに、むにゅっという粘りのある落ち方をするので不安なく運転できます。シートもいいんだろうなぁ、なんか安心が増す感じです」
デリカミニの4WD仕様は、大径タイヤに加え、専用開発のショックアブソーバーを採用しているので、こういった河川敷や林道、泥濘部などでも威力を発揮。まさに渓流から海まであらゆるオフロードシーンに出会う釣りには最高の機能である。
【まとめ】
軽自動車の枠を超えた機能満載で釣り車としても最適!
朝から夕方までデリカミニと過ごしたおかまりさんの印象は?「今まで10年近くデリカD:5に乗ってきたんですが、やはり大きな車じゃないと釣りや車中泊は厳しいのかなって思ってました。でも今回デリカミニを1日試してみて、荷物も乗るし、座り心地もいい、車中泊仕様で寝転がったときもシートの良さを感じました。
バックミラーの機能とかサスペンションの良さもすごいと思いますが、なんと言っても軽自動車なのにかっこよさやゴツさがしっかりとあって、アウトドアにばっちりはまるデザインがいいですね。ちょっと悪ガキっぽい顔で本当に愛着の湧く車だなって思いました。これで車中泊しながら1週間ぐらい釣り旅したいな」
普段からデリカD:5に乗っているおかまりさんだからこその釣り車としてのインプレは、非常にリアリティにあふれ、実際の釣り人目線のものでした。皆さんもこのデリカミニで海から山まで日本中を冒険してみてはいかがでしょうか。
おかまりさんのyoutbeチャンネルでも動画公開中!
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