津本式の関連書籍の第三弾となる『津本式 革命魚レシピ』が発売されました。この本、津本式の名前を冠してはおりますが、実のところその内容は、ぎっしり詰まった魚料理の基本の宝庫。それもそのはず、超人気店の実力派シェフが惜しみなく技術を公開しているのですからー。
●文:ルアマガプラス編集部(フカポン)●photo by 笠原修一、市川喜栄
ちょっとした手順に魚料理の基本や人気料理店の美味しさの秘密がぎっしり。
この本、確かに『津本式』魚に施した上で取り組めば、よりいいわけですが、津本式できないし! って方でも問題なく取り組めるレシピがてんこもりです。
料理そのものの監修はミシュランシェフほか人気店の錚々たるメンツが名を連ねております。若干家庭向きにアレンジしているものもあるのですが、そのちょっとした手順には名店ならではのこだわりも。随所にそういったテクニックがシレッと掲載されています。
例えば、アジのペペロンチーノ。ここではペペロンチーノのベースオイルの作り方が記載されています。アジの料理用に書かれてはいますが、ペペロンチーノですからさまざまな魚種にも応用可能。ちょっと手順を見てみましょう。
ペペロンチーノのベースオイルの作り方
1.フライパンにオリーブオイルをしく
2.刻んだニンニクを『冷えた状態』から投入する。
3.ニンニクを弱火でじっくりと狐色になるまで炒める
4.『火を止める』
5.半分に割った赤唐辛子を入れる
6.塩をふたつまみ程度入れる
7.刻んだパセリを入れる
オイルをしいたら反射的に火を入れて、そこからニンニクを投入してしまいがち。いや、火を入れるタイミングなんてあまり気にしたことがないかもしれません。でも、意外にこういったちょっとした手順の前後が料理の風味を引き立てたり逆に殺したりするのだそうだ。火を止めたあとに唐辛子を入れるというのもその手順のひとつ。
これを注意点として教えてくれたのは、JR九州の超人気豪華クルーズ列車『ななつ星in九州』のシェフを務める川口雅由さん。川口さんは宮崎県で大人気店のPILAWを経営している。
素材を引き立てる魚料理
津本式は、魚の熟成とセットで語られることが多い仕立て方です。あえて熟成させないとう選択肢も存在するのですが、比較的安全に熟成調理をすることが可能なので注目されています。魚を寝かせて、さらに熟成処理をすると旨みがギュッと増してきます。この旨みをコントロールしながら調理するのが、魚料理の新たな可能性なのですが、旨みが目立ってくると言うことは、比較的シンプルな料理でもしっかりと味がするということでもあります。
『アイナメの葛打ち』もレシピを紹介してくれた白山洸さんは、2年連続であのミシュランガイドに掲載された人気の熟成鮨店『万(よろず)』を渋谷で営む若き大将。白山さんは、どちらかといえば、素材本来の力を活かすシンプルな料理レシピを提供してくれた。魚の全てを余すことなく使い、しっかりと出汁をとって、引き立てるための調味料を少し使うだけ。手順も簡単で、普段、賄いでアレンジして出すような品目を心がけていただいた。調味料として白山さんのレシピに登場する醤油麹は、少しの時間さえかければあらゆる料理に万能に使える一品。しかもシンプルなレシピなので、ぜひ試して欲しいところ。
醤油麹の作り方
1.鍋に醤油1:生米麹1の割合で混ぜる
2.60度で10分温め
3.常温でかき混ぜ(4〜5日)
ちょっと時間はかかりますが1度作れば日持ちします。釣り人なら釣りに戻った1日目に仕込んでおけば、4日目、5日目のレシピが華やかになるかもしれませんね!
津本式 革命魚レシピ絶賛発売中
ということで、ほんのひと手間、ほんのひと手順で魚料理が変わるそんな情報満載のレシピ集発売中。発売した4月24日時点では用意されていなかった電子書籍版もスタンバイ完了!(すいませんでした!)
そして、津本さんをはじめ、本のレシピを提供してくださった方々がパネラーを務める東京海洋大学での津本式シンポジウムが6月11日(日)に、東京海洋大学にておこなわれます。ぜひ、いらしてくださいね!
項目 | 情報 |
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開催予定日時 | 6月11日(日)12:00~16:00 |
開催場所 | 東京海洋大学 品川キャンパス 白鷹館1階教室 〒108-0075 東京都港区港南4-5 |
参加費 | 会場参加:1,500円 学生:学生証の提示で無料 /現地での確認になります。オンラインでの申し込みは不要です。 資料書籍込み:3,500円(参加費+津本式第3弾解説書『革命 魚レシピ』) ※当日、現地での受け渡しとなります。 |
入場開始時間 | 11:00~ |
プログラム | 12:00〜12:50 津本式と水産の現場 13:00〜13:50 高橋チームによる津本式論文解説 14:00〜16:00 パネラーによる座談会/質疑応答 |
登壇者(予定) | 津本光弘(水流 / 長谷川水産) 高橋希元(東京海洋大学・准教授)都合によりオンランイン参加の可能性あり。 佐久間亮介(有限会社 大元商店) 白山洸(熟成鮨 万) 東健志郎(築地omakase寿司) 保野淳(sushi bar にぎりて) 司会:深谷真(内外出版社) |
近年、革命的な魚の仕立て方として注目を集めている『津本式・究極の血抜き』。東京海洋大学にて、研究を続けてきた高橋希元助教のチームにより発表された最新論文を中心に、この津本式の効果についての解説を含め、水産の現場、食の現場、釣りの現場における活用法に関するシンポジウムを行います。
アクセス
最寄り交通機関 | 駅からのアクセス |
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JR・京浜急行 | 品川駅港南口(東口)から徒歩約10分 |
りんかい線 | 天王洲アイル駅から「ふれあい橋」を渡り約13分 |
東京モノレール | 天王洲アイル駅から「ふれあい橋」を渡り約11分 |
※席は自由席となっております
※感染症予防対策を取った上で運営いたしますが、ご来場される際にはマスクの着用と基本的な感染予防対策にご協力ください
※開催の判断は天災のほか、東京都の宣言や条例を基にしております
※会場での動画の撮影、録音は、研究の未発表コンテンツを含みますので行わないようにしてください。具体的なデータなどのSNSなどでの開示はお控えください。
※マスコミ関係者は、事前にご連絡ください。招待枠を用意しております。
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