全国的に人気の高い、堤防からのショアジギング。初夏から夏にかけては、大型の回遊も見込めるため、多くのアングラーが注目する時季でもある。そこで、お手軽にライトなタックルで楽しむライトな堤防ショアジギングの釣りを解説していこう。
●文:ルアーマガジンソルト編集部 ●取材協力:グローブライド株式会社
足を使い、価値ある一尾を追い求める、ストイックアングラー
松永 昌己(まつなが・まさき)
熊本県在住。地元の九州を中心に陸っぱりメインでシーバス、ヒラスズキ、青物といったターゲットを追い求める。自身の体力を使い価値ある一本を手にする釣りが得意。
都市湾奥部の堤防でも、良型青物のチャンス!
小型から大型の回遊魚まで、様々なターゲットを楽しめるのが魅力のショアジギング。最近は特に、誰でも簡単に始められる堤防からの釣りも人気だ。
松永「都市部から近い湾奥部でもショアからの青物狙いが楽しめるんです」
今回、ショアジギングのベーシックな釣り方を教えてくれたのが松永さん。大阪湾などでは、青物狙いのライトなショアジギングが人気ですね。
松永「そうですね、大阪湾周辺でいえば、ムコイチこと武庫川一文字堤防が超メジャースポットで、実際によく釣れます」
武庫川一文字といえば市街地から渡船に乗ってすぐ。大阪近辺ではアクセスも良く手軽に釣りが楽しめる場所だ。
松永「ムコイチは、タチウオのイメージも強かったんですが、ハマチから場合によってはブリサイズまで狙えるので、ショアジギも人気が高いんです」
武庫川ではどういったポイントでの実績が高いんですか?
松永「ポイントと言うよりも、そのときの魚の回遊次第になってきますね。堤防の先端部も良いんですが、曲がっているところにベイトが溜まりやすいので、中間付近も良かったりします」
【変化がある場所はベイトが溜まりやすい実績ポイント!】
武庫川一文字は長い沖堤防だが、釣れる場所はその日の回遊によって決まってくる。どこでも釣れる可能性はあるので、とにかくキャストしてチャンスを物にする。これが堤防でのショアジギングの基本戦略となるのだ!
ベイトフィッシュと回遊次第
青物が回遊するタイミングはその日によって変わってくる。ただし、ベイトフィッシュが見える場所に溜まっていればその付近は有望スポットだ!
ジグ着底後、表層までワンピッチジャークが基本!
武庫川一文字のような湾奥部の沖堤防は、どういった釣り方が良いのだろうか? 松永さんの答えはいたってシンプル。
松永「ベーシックなワンピッチジャークで大丈夫です。ただし、いつ回遊があるか分からないのでシャクリ続けることが大事。ターゲットが回ってきたときに、ルアーが確実に水中にあることを念頭に、キャストし続ける」
ど日中でも回遊次第でチャンスあり!
堤防では朝夕マヅメといった時間帯以外にも時合いは訪れる。正午といった真っ昼間でも青物が回遊するタイミングがあるので気が抜けない。
釣果が上がるタイミングはあるのだろうか?
松永「もちろん、朝夕のマヅメ時は活性の高い、捕食モードの魚の回遊が多いんですが、日中でも十分チャンスはありますね」
あきらめずに投げ続けることが重要なんですね。
松永「そうですね、とにかく投げて続けるというのは重要です。湾奥部なので、潮流は緩めですからジグは30~40gと、比較的ライトなものでOKです。タックルは、ミドルクラスのパワーのものでも十分対応できますから、体への負担は軽めです」
とは言え、常にシャクり続けるのは、特に初心者にはハードルが高いですよね?
松永「ジャークをするのに疲れたら、ただ巻きでもOKです。最近はブレードの付いたジグもありますから、それならただ巻きでも十分アピールできるのでオススメですよ」
ただ巻きでも良いのはショアジギに慣れていない人にとっても朗報!
松永「基本はジグでボトムを取ってから表層までジャーク。それからのフォールで誘っていきます。あと、ただ巻きでいえばセットアッパーのようなロングリップミノーも良く釣れますのでルアーローテーションの一つとして使ってみてください」
ボトムから表層までシャクり続けることが大事!
釣り方はベーシックそのもので、まずはボトムを取る。それから1回シャクってリールを1回巻くワンピッチジャークで表層付近までシャクり上げてくる。回遊次第のポイントではとにかくシャクり続けることが大事だが、疲れたらただ巻きするだけでもOKだ。
着底後、表層までジグをジャークしながら巻き上げるのが基本。疲れたらタダ巻きでもOK!
堤防ショアジギ オススメルアーローテーション
堤防で青物などを狙う場合に、松永さんが実践するルアーローテーションを解説。タイプの違うメタルジグを使い分けることで、釣果率を向上させる。
「初夏から夏は大型も混じります!」
秋に比べて初夏から夏にかけての湾奥部では、大型青物の回遊もある。「大型が喰ってきても大丈夫なミドルタックルがあれば安心です」
また、メタルジグで反応が悪い場合は、ディープダイビングタイプのミノーなども有効! では、実際にどのようなルアーを使用するのかを見ていこう。
ルアーローテーション① サムライジグR[DAIWA]
ショアジギングビギナーにも扱いやすい、スタンダードジグ。安定した飛距離とアクションで、ローテーションの軸となる。また、高貫通力のサクサスフックが標準装備されており、ショートバイトでも刺さりは抜群!
松永「朝夕はグロー系、濁りはゴールド系、日中はブルーなどのナチュラル系カラーがおすすめ」
ルアーローテーション② サムライジグR TG[DAIWA]
あともうちょっと沖へ飛ばしたい、または向かい風でキャストが難しいときはサムライジグRよりも遠投性能が優れるTG。タングステン使用で比重が重いため、ノーマルのサムライジグRよりも、同重量ならシルエットが小さいので、喰い渋るような低活性時でも、違和感なくバイトを誘えるのが特徴だ。
ルアーローテーション③ サムライジグR スピン[DAIWA]
シャクり疲れたり、他のジグで反応がないときはただ巻きベースで使えるスピンテールタイプが効果的。小型ブレードが青物はもちろんサワラなどにアピール抜群。超速巻きにも対応!
ルアーローテーション④ ショアラインシャイナーZ セットアッパーランカーハンター125S-DR[DAIWA]
ジグで反応が薄いときはミノー! セットアッパーはスローにただ巻きするだけで自動にバランスを崩して喰わせの間を演出。ワンピッチジャークに疲れたときに使用するのも◎。超スローでも自動に誘ってくれる大型狙いのミノーだ。
堤防ショアジギング用タックルセッティング
松永さんが、堤防諸アジングでよく使用するメタルジグのサイズは、ライトウエイトに分類されるの30~40gサイズ。このサイズのメタルジグを効果的に操作する場合、ブランクスがよく曲がってしっかりとジグをアクションさせられる、ドラッガーXの100Mがオススメとなる。
ただし、大型のブリクラスを狙う場合には、パワー的に余裕のある上の番手のドラッガーX100MHがおすすめ。それに組み合わせるリールは、大口径タフギアのBG SWがマッチするだろう。リーズナブルな価格設定にも関わらず、中・上級者でも使用できるハイスペックリールとして人気が高いモデルだ。
【堤防ショアジギング使用タックル】
- ●ロッド:ドラッガーX 100M・ドラッガーX 100MH(DAIWA)
- ●リール:BG SW5000D-CXH(DAIWA)
- ●メインライン:UVF PEデュラセンサー×8+Si2 2号
- ●リーダー:ソルティガ フロロリーダー クロスリンク40lb
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