的確に射抜くからこそ、「釣った」と言える、至高のゲーム。
二次元の中で可能な限り精度を上げていく
取材は5月末、梅雨入り間近を感じさせる雨が降り注いでいた。トップウォーターにとってローライトの恩恵は大きいが、ことスポーニング直後のこのタイミングにおいて雨は水温低下で活性を下げる要因になりやすい。
朝は全体をボートで流しながら、水色に合わせてディスタンスを調整し、キューをベースにバンクから少し沖側の縦ストまで、コールアップの時間も考慮したスピードで探りを入れていた。
最初のヒントを掴んだのは、上流部。地形が切り替わるバンクに浮きゴミが絡むポケットで釣り上げた1尾だった。読みとは裏腹に意外と魚はバンク際にいるかもと判断した菅沼さんは、より移動距離を抑えて誘えるミクラをチョイス。1尾目を釣り上げてから、わずか30分足らずで追加の魚を捉えた。
その後の追加は叶わなかったが、菅沼さんのフロッグゲームは毎投、記者から見ても「ここで食わせる!」という明確な意図が感じることができる。その姿はまさにハンターが獲物を一撃で仕留めるがごとく。
フロッグゲームは狙いすました一撃の繰り返しであることを思い知ると同時に、だからこそそのゲームに魅了されるアングラーが多いことを改めて感じた。
「釣れた」ではなく、「釣った」と言えるイメージを持って、引き金を引く。それこそが極意なのだろう。
エイト[ディープフォレスト]
スライドタイプのスリムフロッグ。「オイカワなどの細長いベイトを食い始めた時や秋に強いフロッグですね」
通常通りトゥイッチで誘いつつ、ここぞという場所で強めのアクションを入れてリアクションを誘発させるのがオススメ。
Dフロッグ[DAIWA]
風が強い時、波が高い時、ブッシュが濃くてアピールが欲しい時に使用。現行モデルのスティーズフロッグではなく、あえてDフロッグを選んでいる。
ホンカー[テッケル]
ツインブレードによるサウンドやアピールでより深い場所からも魚を引っ張れるフロッグ。「完成度が高いです。荒天時でも使える、数少ないフロッグですね」
キュー[ディープフォレスト]
スカートはマメに替える
右がオリジナル。左がスカートを替えたもの。「基本、フロッグのチューンはしないんですが、スカートがへたってたりしたら、替えるぐらいはしますね。アクションの良し悪しはもちろん、そこでの愛着も沸きますし(笑)」
キューLD[ディープフォレスト]
ブレードが取れてしまったキューにスカートを刺し、タングステンウエイトを内蔵したチューンの通称「LD(ロングディスタンス)」。文字通り飛距離を活かしたり、重さを活かした吊るしの釣りにも有効。
カラーで圧倒的に釣果に差が出るタイミングあり!
菅沼さんのカラー論は、水質に合わせることをベースに自信てコンフィデンスが持てる色を推奨。しかし、早春のアカガエルや夏場のギル偏食時にはベイトに合わせたラインナップが圧倒的に釣れるらしい。
ノットは通称「挫折ノット」
菅沼さんのノットは、ダブルクリンチの最後を諦めた挫折ノット。「最後のループをくぐらせないほうが、締め込みやすいですし、あまり糸が抵抗にならないんですよ。このノットで抜けたことはないですし、ややこしいノットで結び変えるのが面倒になるくらいなら、かんたんなノットでこまめに結び変えることをオススメします」
取材協力
戸面原ダムボートセンター
〒299-1742 千葉県富津市豊岡2874−1
TEL:0439-68-1587
『ルアーマガジン』2023年9月号 発売情報
ルアーマガジン史上初めてのスモールマウス×オカッパリの表紙を飾ってくれたのは川村光大郎さん。大人気企画「岸釣りジャーニー」での一幕です。その他にも北の鉄人・山田祐五さんの初桧原湖釣行や、五十嵐誠さんによる最新スモールマウス攻略メソッドなど、避暑地で楽しめるバス釣りをご紹介。でもやっぱり暑い中で釣ってこそバス釣り(?)という気持ちもありますよね? 安心してください。今年の夏を乗り切るためのサマーパターン攻略特集「夏を制するキーワード」ではすぐに役立つ実戦的ハウツー満載でお送りします! そして! 夏といえばカバー! カバーといえば…フリップでしょ!! 未来に残したいバス釣り遺産『フリップ』にも大注目ですよ!
※本記事は”ルアーマガジン”から寄稿されたものであり、著作上の権利および文責は寄稿元に属します。なお、掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。 ※特別な記載がないかぎり、価格情報は消費税込です。