《ミニ怪魚》カマキリという異名を持つ魚「アユカケ」の獲り方や飼い方

2024 シーバス特集

飼い方

飼い方ですが、かなり難易度は高いと思ってください。夏場なら水を冷却するクーラーのシステムがあったほうがよいでしょう。水温維持に関してはヤマメやイワナと同難易度(ようは、冷水性の魚を飼う心構えでいてください。カジカと同じくらいの難しさですが、サイズがカジカより大きいので飼育はよりシビアです)。水槽内に流れを作りたいですし、温度が上がりそうならば、エアレーションを必要以上に入れて下さい。

持ち帰りに関してはバケツに対して個体数は少なめにして、極力温度があがらないようにする。そしてエアレーションは必須。春や秋はともかくですが夏場になると、ビニール袋に酸素を入れ1匹づつ封入、トロ箱などに保冷剤。極力温度を下げる工夫をするとよいでしょう。

持ち運び時は、エアレーションをしっかり入れる!が鉄則

エサは生エビや、カワムツなどの幼魚がお勧め。小さい個体から育てるなら、カーニバルなどの魚食魚用のペレットを辛抱強くピンセットで与え続けるか、赤虫などが良いでしょう。大きい個体は慣れるまでに時間がかかり弱ることも多いようです。筆者はヌマエビがエサとして採れる環境でしたので、ヌマエビで飼育していました。

飼育する水槽は1尾なら最低45cm。可能であれば60cm以上の水槽規格での飼育をお勧めします。水量が多いに越したことはありません。水温や水質の変化に対応するためにも、大きめの水槽がお勧めです。

他魚種との混泳はお勧めしません。動くものに対して、積極的に捕食行為をするタイプの魚です。最初は冬場は同サイズ程度のオヤニラミやタナゴと混泳させていたのですが、遊泳速度が緩慢なタイリクバラタナゴは餌食になりました。ヤリタナゴやアブラボテ、カネヒラは生き延びていましたが、怖いので水槽を分けた記憶があります。

なかなか飼おうとまで思う方は少ないかもなので、無駄情報だったかもしれませんね。

食べれるのか

筆者は残念ながら食べたことはないのですが、美味とのことです。機会があれば少量キープさせてもらって、食べてみたい思いはあるのですが、結構、いかついながらもカワイイやつなので躊躇するかもしれません。ハゼのような魚なので、天ぷらなどはきっと美味しいとは思います。

ということで、少し珍しいお魚のお話をさせていただきました。

日本の在来固有種は、ほぼ、絶滅危惧種に指定されています。アユカケも絶滅危惧種Ⅱ類(VU)にカテゴライズされています。捕まえたり、釣ったり、食べたりはけしからん!みたいな話もあるかもですが、行き過ぎない範囲で種を知ることは長いスパンで見れば保護の知見にもつながっていきます。

こういった生物の生息数、生息環境を維持する適切な管理体制が構築され、将来、この国のスタンダードになるように圧力をかけていくためには、日本には多種多様な魚類が居ることを多くの人が知るも大事かと思っています。少しでも興味を持っていただき、類稀な日本の自然環境を維持していくための一助になればと思っています。

では、次の魚小話でお会いしましょう!

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