「回収中にディープからチェイス!」こんなときどーする?

暑い、アツい、クソ暑い!!! うだるような熱波にやられて思考回路がシャットダウンしがちなこの季節。いったん頭をクールダウンして、3つのキーワードをもとに整理整頓。サマーパターンの攻略法を教わろう。

●文:ルアマガプラス編集部

2024 シーバス特集

Profile

玉置 証(たまき・あかし)
1981年奈良県出身。25歳を過ぎてからバス釣りにハマる。津風呂湖をホームに独自のビッグフィッシュ理論を構築、ライナーやディープトレーサーなど個性あふれるアイデアでも注目を浴びる。まもなく自身のルアーブランドで第一弾のソフトベイトを発表予定だ。

『ディープ』の攻略キーワード

  • ベイトのレンジはガン無視!
  • バスのほうから「寄ってこさせる」
  • ロングワームと10XD

エサのレンジは気にしない。強いルアーで魚を動かせ!

ディープで釣れてもディープにいない!?

たとえば朝のうちは涼しくて、シャローを流していくとバスがちらほら見えたのに、日中はめちゃめちゃ暑くなって気配がなくなってしまうような日。じゃあタナを下げてみようか、と狙うのが「夏のディープ」のイメージですね。

もちろん、ずっとシャローに固執しているタイプのスクールもいると思います。そいつらのほうが行動が読みやすくて、総合的には釣りやすいかもしれない。昼間になると同じエリアのなかで横移動してシェードのなかに入っているだろうな、とかね。津風呂湖だったら僕も経験で推測できるので。

その一方で、時間帯によってタナを変えながら行動しているバスもいて、どのぐらいの割合なのかはわかりませんが、夏場にそういう魚を追いかけるなら水深10mぐらいまではアプローチしますね。いちばん深いところだと、12〜13mでも釣った経験があります。

津風呂湖のディープにはワカサギがたくさんいて、そのレンジを細かく気にしながら釣るという考え方もあるとは思うんですけど、僕の場合はガン無視です。

もちろんエサのレンジに合わせれば釣りやすい。風が吹いて、ワカサギがシャローまで上がってきたときにそこへルアーを持っていってやれば、バスも「ほら来たか」ってなるでしょうし。

ただ、そのときどきで反応するルアーさえ見つけることができれば、エサがいない場所でも追ってくれるんですよ。

仮にバスが水深8mで釣れたとして、「こいつは8mにいたんだな」とは考えていません。中層の3mに浮いていたやつが 5m潜って食ったのかもしれないし、10mより深いところからルアーに気づいて上がってきた可能性もある。

そこがバスのテリトリーの範囲なら、そのぐらいダッシュすることはぜんぜんあると思ってます。

そういうことを考えると、ディープだからダウンショットで、みたいなアプローチはできなくなってしまう。ワカサギに合わせた2in台のワームを入れても、5m離れたところからバスを呼んで来れるのか? って話です。ロングワームとか10XDを使うのは、別にデカいルアーにこだわっているわけじゃないんです。

バスの近くにルアーを送り込む方法もありますが、むしろ遠くからルアーを見つけてもらって追わせたほうが確実に食わせやすい、というメリットもあるんですよね。

「ディープ」の魅力

正直なところ、シャローだからディープだから…という理由でなにか区別することはないんです。ルアーもほぼ同じものを使ってますし。ただ、ディープでは一度に3通りの反応がもらえそうなアプローチを心がけてますね。浅いほうにいたバスを潜らせてバイトさせるのか、深いほうから引っぱってくるのか、もしくはバスのタナに持っていって食わせるか。この3つをワンキャストで狙えるトレースコースを選ぶことで、魚と出会うための効率が上がると思ってます。

たとえばロングワームのフリーテキサスでディープをねらう場合、玉置さんは一気に深いほうへ落とすことはしない。いったんシャロー〜ミドルレンジに投げ、ダウンヒルで落とし込んでいく。「なにかがバンクから降りてきたぞ」とバスに気づかせるプロセスを演出するわけだ。狙っていたレンジ以外のポジションからもバスを引き寄せやすくなる。

こんなときどーする?

Q.「回収中にディープからチェイス!」
A.「バスが戻っていく前に先回り」

たとえばピックアップしたロングワームを追って水面までバスがついてきたら、少なくともそのルアーに興味はあるはず。潜っていく方向へ先に落として、ディープでシェイクして待っていれば「あれ、深いほうにも同じヤツがおったんかい!」みたいなノリで反応するのではないかと。実際、その方法で55cm級が食ったこともありますよ。

Q.「どういうエリアのディープを釣る?」
A.「ディープが近い中〜下流」

津風呂湖は大きく分けて3つの川筋で形成されています。夏は朝のうちならそれぞれのバックウォーター付近に魚がいるかもしれませんが、日中になって水温がどんどん上昇すると、あまりに浅すぎるエリアは避けて下ってくる。そうなると、どの川筋でもボディーウォーターに面した中〜下流域が中心になってきます。

『ディープ』の攻略キーワード①

「ロングワームのテキサスリグ」

イールクローラー10in(イマカツ)
プロトロングワーム

テキサスリグといってもカバー撃ち用のセッティングではなく、ペグ止めしないフリーテキサスで使用。シンカーウエイトとワームのバランスが大事で、「これと合わせるにはこのg数がしっくりくる」と感じたら、水深1mでも10mでも同じものを投げる。

玉置「ウエイトが重すぎると、オモリだけが動いていてワームがついていく感じになってしまうというか。ボトムに接触してガチガチ音が鳴りすぎてるな、というのも気になるし。かといって軽すぎても一体感がない」

イールクローラー10in、または玉置さんが開発中のプロトタイプには10gがベストセッティングだという。

アプローチは浅いほうへ投げてボートの真下あたりまでトレースする。

玉置「シンカーの重さを利用してボトムを自然に落としながら、同時にシェイクし続けています。ディープのバスからすると『なんか暴れ散らしてるモンが降りてくるぞ…?』みたいな感じ。それで1尾釣れたら『この動きが好きなんだな』とわかるので2尾めに繋がりやすい。止めたり動かしたりランダムに操作すると、釣ったバスがなにに惹かれたのか把握しづらいんですよ」

『ディープ』の攻略キーワード②

「10XDのボトムノック」

10XD(ストライクキング)

玉置「これはディープというか、ミドルレンジのボトムに当てまくるイメージで使います。キャスティングでも水深6〜7mぐらいならコンタクトできるはず。個体差がけっこうあるのか、モノによって潜行深度が1mぐらい違ったりもしますが」

アプローチの方法はロングワームとは逆のアップヒル。たとえば岬の付け根から沖に向かって投げ、ボトムにゴリゴリ当てながら巻き上げてくる。 

玉置「ワームをじっくり落としていって見せても食わないだろうな、という雰囲気のときに投げますね。夏の津風呂湖だと、ローライトなのに活性が上がっていないとか、小雨がだらだら続く2日め、みたいなタイミング。『だるいなぁ』と思ってるバスに対して、10XDを深いところまで潜らせてゴリゴリやることで『逃すまい!』と、一瞬でもいいから思わせる。そんなやり方です」

いわゆるニュートラル状態のバスにスイッチを入れ、瞬発的にバイトさせるのが10XDのボトムノック。中層を巻いて食うケースもあるだろうが、玉置さんは当てずに使うことはないという。ロングワーム同様、バスがボトムにいなくても惹きつけるパワーがあることも大事な要素だ。

「ディープ」を制する裏パターン

フラッシュJ3in(フィッシュアロー)

「夏ならではの釣り」として玉置さんが挙げてくれたのは、沖の表層でワームを放置するパターン。ルアーをディープに送り込むわけではないが、水深に関わらず有効なアプローチだという。

玉置「津風呂湖の香束筋に『屋敷跡』という有名なフラットエリアがあるのですが、たまにその沖で回遊しているスクールがいるんですよ。『あれ、こんなところで横に動いてるのか』と気づいたら、フラッシュJを投げて浮かべておく。ピクピク波紋を立てたりせず、置いておくだけです」

玉置さんのイメージからは意外なほどのフィネスだが、ハマったときは真夏の日中にゴーマルの金太郎飴状態になったこともあるほど強烈。

玉置「好きなのは蛍光チャートとかパールホワイト系の目立つカラー。自分から見えやすいんで、放置していてもメンタルが持つ、っていうだけの理由です(笑)」


TACKLE
【ロングワームのテキサスリグ用】
●ロッド:グラディエイターアンチGA-74XHCディフューザー、またはGA-72HCキングヘビー
●リール:TD ジリオンHLC 100H(DAIWA)
●ライン:フロロカーボン20lb

【10XD用】
●ロッド:グラディエイターアンチGA-75XXHCアンダーテイカー
●リール:レボSX(アブ・ガルシア)
●ライン:フロロカーボン20lb

【水面放置用】
●ロッド:グラディエイターマクシマムGX-64LS-STマックスクイーン
●リール:コンプレックスCI4 2500HGS F4(シマノ)
●ライン:フロロカーボン4lb
●フック:マスバリ#4
※ロッドはすべてレイドジャパン


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