身近なフィールドで手軽に楽しめるルアーゲームとして人気のチニングだが「最初の1尾まで辿り着けない…」、そう悩んでいる人も多いかもしれない。中でも人気が高いリバーチニングを、高い実績を出すことで知られる石川さんに解説して頂いた。
●文:ルアーマガジンソルト編集部
【Profile】
石川仁希(いしかわ・ひとき)
チヌやアジをはじめとするルアーゲームを得意とする。製品開発にも携わる25歳のジャッカルフィールドスタッフ。「アジングが好きすぎて愛媛に移住しました!」と、現在は愛媛に住んでいるが、現在でも出身地の大阪へチニング釣行するほどの行動派アングラー。愛称は「ひとまめ」
チニングのメジャーフィールドで釣果を得るためにすべきこと
チニングの本場関西と言えば、淀川や武庫川、浜寺運河等河川が人気フィールド。石川さんはそんな釣り場に通い、チニングを良く知るアングラーの一人だ。
石川「これからの時期の河川は、梅雨の時期に入るので、雨が多く水がニゴることが多い。ニゴるとチヌの活性が上がり、ルアーへの反応が良くなります。そのため、難しいことは必要なく、比較的イージーに釣れるシーズンだと思います。底を感じながら巻いて釣ったり、速いアクションで反応させるなど、テンポのいいスピード感のある釣りに向いている時期とも言えますね」
高釣果が期待できるシーズンだが、加えて石川さんは水の流れに注目してしていると言う。
石川「釣行するタイミングとしては、満潮から干潮へと潮が下がる時間帯がオススメです。流れが出るとチヌの活性が高まり、活発にベイトを捕食します。また、川の流れと下げの流れが同調している方が、ルアーをナチュラルに操作できて、違和感のなく誘えます。自然に流れてきたベイトを演出しやすいとも言えます」
群れで移動するチヌが、足を止めるスポットを見つけることも、釣果を上げる上で有効な手段。
石川「川は頻繁に地形が変化するフィールドなので、魚の居場所も頻繁に変わります。居場所を見つけるため、遠投やラン&ガンで広く探ることが大事です。障害物が他の場所より多い所やゴツゴツとした地形のポイントにいることが多いですね。そういったポイントは他より明らかにアタリも多くなるので、しっかりと攻めます」
釣り場でのアプローチは「巻くだけ」という石川さん。誰でも可能な釣りだが、何かコツはあるのだろうか?
石川「大事なのはリールを巻くスピードだと思います。その時々の活性によって反応の良い速さやルアーに適したスピードがありますね。アタリが多く活性の高いタイミングでは、より速く巻くことでチヌを騙しやすい。また、ルアーを追いきれず、アタリが出にくい低活性時は、ゆっくりとルアーを動かすことで反応を探る。状況に合わせた適切な速さを試してみて下さい」
チヌが多い場所を効率よく見つけ出す
群れで行動し、居心地が良かったりベイトが多い場所に居着く習性のあるチヌ(クロダイ・キビレ)。より多くの個体が溜まるポイントを見つけることが重要となる。そこで注目したいのが、河川のボトムの形状だ。河川の地形は、川の水流や浚渫工事等で頻繁に変化する。そういった地形の変化や岩や石、コンクリートなどがボトムに入っているようなスポットにも、チヌがついていることが多い。
淀川の河川敷のように、パッと見同じようなシチュエーションが続くようなフィールドでは、ラン&ガンや遠投で広い範囲を探っていくことが重要。しっかりとボトムを探知できるルアーで地形を探り、他の場所と障害物の大きさや量、感触が違う場所を見つけていく。また、チヌの反応も重要なヒントで、アタリの数も多くなる。
チヌ(クロダイ・キビレ)の活性に合わせて狙い方を変える
魚の活性が高い状況では、見切られにくい速いスピードでルアーを動かしたい。また反対に、活性が低く動きが遅い時は、ルアーに追いつけるゆっくりとしたスピードでないとアタリを得ることが難しい。
石川さんは、リールのハンドル一回転4秒を目安としているが、タックルや釣り人によって速さの感覚は変わってくる。それぞれのスタンダードな巻きスピードを決めて、その日の最適なスピードを探るようにしたい。
また、障害物等があれば、ロッドをポンポンと2回ほど弱めに煽り、乗り越えさせる。根掛かり回避の意味もあるがチヌのバイトを誘うアクションとしても効果的な動きだ。
ボトムの変化を手早くサーチ!チニング高実績ルアー
チヌの反応を見つけ釣果へと導くためには、サポートするアイテムも重要と石川さんは話す。
石川「まずはしっかりとチヌにアピールし、ルアーの存在を気づかせてくれるワーム。種類や特徴が豊富なため状況に応じて使い分けています」
石川さんがその次に上げたのがフッキング。
石川「チヌは雑食性で、主にエビ等の甲殻類や小魚、他にも貝も食べています。そのため、口が硬く噛まれると怪我をしてしまうほど力が強い魚です。そんな口の硬いチヌに対しては、しっかりとフッキング出来るタックルやフックも重要」
石川「ハリ先が噛まれて曲がってしまっていたり、ロッドの張りを活かしてしっかりとアワセられなければ針掛かりせずに、バラしの原因になります。他にも、リグ次第では、力の伝達にロスが出てしまうので、フッキングの力が伝わりやすいフリーリグがオススメ」
もちろん、当たりが無ければそのフッキング力も披露できない。アタリを見つけるためには、ボトムの地形をしっかりとサーチする事も必要になる。
石川「地形を把握するためには、しっかりと感触を伝えてくれるシンカーの硬さが大事なので、これまでは硬い素材のタングステンを使用していました」
以前使用していたタングステンを使用しなくなった理由には、ジャッカルから新たにリリースされたボトムスイッチを使いはじめたからだ。
石川「ボトムスイッチには誰でも使いやすく、かつ感度も良くなる工夫があります。同時にリリースされたスリットクローとセットで使うとさらに効果がアップします。もちろん従来ワームとの組み合わせもアリです」
ビンビンスイッチから着想を得た、革新的なチニングアイテム
ワンタッチで取り外し可能なアイを持ち、フットボールのような細長い楕円形状のシンカーで、フックやワームをボトムから離すことで根掛かりを防止。
スイッチパーツにはさまざまな工夫が施され、シンカーを取り付けるアイや、上部にラバースカート(標準装備)やネクタイ等のアピールパーツを取り付けられるカスタムホールを装備。また、パーツ下部に備わる2本の硬いワイヤーは根掛かり抑制と共に、ボトム感知能力の向上に貢献している
石川「スイッチパーツをラインに通し、直接オフセットフックに結んでセットします。テキサスリグや直リグ等では、力の入力に影響するシンカーやリング等を介すため伝達にロスがありますが、フックに直接ラインを結ぶことが出来るためロスがありません」
【ブリーカー ボトムスイッチ解説動画】
大型アームと深いリブで、巻いても止めても強くアピール!新ワーム登場!
【スペック】
- サイズ:2.2in
- カラー:6色
- 入り数:8本
- 推奨フックサイズ:#1~2
2.2inと小さめでボディ本体自体も細いが、深く盛られたリブで水を噛み、ボリューム感と微細な振動でバイトを誘発する。シャッドテール形状のアーム先端部は動かすと、細かくハイピッチなアクションを起こししっかりアピールする。また耐久性や、ゴミなどは拾いにくくフッキング力をアシストする肉盛をフックセット部に施している。
アーム部
上下異なる向きに切れ込みを入れた事で肉厚ながら柔軟さも備え、先端のシャッドテール形状がしっかりと水流を捉えアクションしアピールする。
肉盛&スリット
フックをセットした際に通る箇所の素材を厚くし耐久性を向上。またハリ先はスリットに隠れ根掛かりやズレを防ぎつつ、フッキング時には露出しやすい構造を施している。
ボトムスイッチとスリットクローの組み合わせは最強!手持ちのワームでも使用可能!
ボトムスイッチはスリットクローと組み合わせでの使用がお勧めではあるが、既存のワームと組み合わせてももちろんOK。状況に合わせたワームローテも好釣果を導いてくれるかも⁉︎
石川さん使用 チニングタックル紹介
石川「岩場等の障害物が多い釣り場では、ロッドに張りがある方が回避させやすい。またチヌの口は硬く、しっかりとフッキングを行ないたい魚なので、ロッドの張りがとても重要です。その点、ジャッカルのBRS-S74L-LGは全体的に、特に注ーブラーティップを採用している穂先やベリーに張りがあり、根掛かりの回避も、しっかりとしたフッキングも出来ます!」
ルアーマガジンソルト2023年8月号に記事掲載!
2023年6月21日に発売した、ルアーマガジンソルト2023年8月号には、今回の記事の全文が掲載されているので、気になった方は、是非とも本誌でチェックしてみてほしい。
※本記事は”ルアーマガジンソルト”から寄稿されたものであり、著作上の権利および文責は寄稿元に属します。なお、掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。 ※特別な記載がないかぎり、価格情報は消費税込です。