近年、各地で人気が高まるキジハタ(アコウ)釣り。「魅力は強烈なバイトと魚のサイズを超えた強い引き」というのは、瀬戸内アコウ釣りの鬼、土居さんだ。「インパクトが強いだけに、1尾釣れると満足度が高い釣り」。強烈なアタリをかけるワンバイト、ワンフィッシを実現する攻略法をぜひ!
●文:ルアーマガジンソルト編集部
キジハタを狙い続けて20年!
土居 大紀(どい・だいき)
広島県出身、在住。瀬戸内海をホームに活躍する根魚ゲームのエキスパート。20年以上前から瀬戸内海のキジハタを狙い続けるパイオニア的存在で、豊富な経験と知識を活かしてタックルの開発にも携わっている。メジャークラフト・スタッフ。
瀬戸内のキジハタは、6~10月が好シーズン
キジハタは、瀬戸内や関西でアコウと呼ばれる人気の根魚。
土居「僕が瀬戸内でアコウを狙っているエリアは、広島県東部の尾道市と愛媛県北東部の今治市を結ぶしまなみ海道や岡山周辺。30~35cmがアベレージで、稀に50cm超も出ます。年間通して狙えますが、6月から10月までがハイシーズンと言えます。アコウは夏の魚ですからね」
今、まさに最盛期で、しかも秋まで楽しめる! 早速、釣り方を教えてもらいましょう。まずは釣り場から。
土居「僕がしまなみで釣りをしている感覚でいうと、各防波堤で可能性があります。もちろん個体数の差はありますが、干潮で水深1〜2mになる防波堤にもいます」
そんなに浅くても?
土居「釣れます。ただ、僕は大型を狙っているのでキャストした先で水深が7~10mあるところで釣りをすることが多いです」
アベレージサイズなら多少浅くても釣れるということですね?
土居「磯なら干潮時に足元が水深1m程度の遠浅でもけっこう魚が入っています。アコウは沈み根や海藻に付きますからね」
磯は海底の障害物が多い。キジハタの付き場が豊富ですね?
土居「そうなんですけど、磯ならどこでも良いわけではなく、海岸線が張り出したり、へこんだりしていたほうが良い。釣り場によって出っ張りかへこみのどちらかに魚が溜まっています」
釣るタイミングや釣り方は別記参照。これでワンバイトを確実にものにし、満足のいく1尾と出会えるはずだ。
キジハタが釣れる時合いと好むベイト
キジハタ(アコウ)が釣りやすい時間帯は、夜というイメージが強いが、実際はどうなのだろうか?
土居「瀬戸内でアコウを釣りやすい時間は夕マヅメから朝マヅメの間になりますね。つまり、ナイトゲームがメインとなります」
やはり、キジハタは夜の釣りが中心となるようだ。ただ、これも地域差があるようで、日本海側では様子が異なる。
土居「日本海側は真逆で、日中にキジハタがよく釣れますね。食べてるベイトの違いなのか、詳しい理由はわかりませんが、瀬戸内は夜のほうが断然釣れます」
なるほど。今、ベイトの話しが出ましたが、キジハタが好んで捕食するベイトの種類は何になりますか?
土居「瀬戸内のアコウのベイトは甲殻類が多いと思います。あとはイカ、タコ。小魚はベラやメバルなどの根魚やキスなど。底物のベイトをメインに捕食して、磯などのシャローではイワシ類も食べていると思います」
ということで、キジハタゲームで使用するワームは、甲殻類をイメージしたホッグ系がメインとなる。では、釣りやすい潮のタイミングはありますか?
土居「例えばしまなみ海道は島が6つも並んでいます。潮止まり前後が良い場所もあれば、潮がグッといってるときが良い場所もある。マヅメが釣れる場所もある。ポイントによってクセが強いので、正直、一概には言いにくい。僕は潮が動いていればチャンスだと思ってやっています」