バスフィッシングと言えばブラックバス(オオクチバス)をルアーで狙う釣りが一般的だが、スモールマウス(コクチバス)をルアーフィッシングで楽しめるフィールドも存在している。両者の違いや釣り方などを比較し、解説していこう。
●文:ルアマガプラス編集部
身近なフィールドで楽しめるバス釣り、比較的冷水を好むスモールマウス
ブラックバスを狙うバスフィッシングは、全国の池や湖、ダムなど身近なフィールドで手軽に楽しめる釣りとして人気が高い。一方で、スモールマウスバスを狙う釣りは、実践できるフィールドが限定的。
ただ、両者ともルアーに対する反応は非常に積極的であり、戦略的なゲーム展開が楽しめるということは共通する。弊社刊行の『ルアーマガジン』の2023年9月号(7月発売)では、スモールマウスバスの組むほど、近年では高い人気をみせている。
そこで、なんとなくわかったつもりでいる、ブラックバスとスモールマウスバスの、魚としての特徴の違いや、実際に釣りをする上で異なってくる両者の狙い方などの視点で、比較していこう。では、まずはブラックバスの特徴から。
ブラックバス(オオクチバス)の特徴
目
視野はかなり広く、水辺に立つ人の姿はほぼ把握できるという。光の感知力は高いのに瞼がないので日光を嫌う。
口
オオクチバスと呼ばれるように、大きな口で吸いこむようにしてエサを食べる。肉食魚でエサは小魚や甲殻類など。
エラ
人間でいう鼻で、内側にあるエラで呼吸をする。傷付けると大変なことになるので触らないように。
側線
体の両脇にあり、水圧や水流などを感知する人間にはない器官。濁った水中でも動けるのは側線があるからとされている。
体型
やや細身で素早く泳ぐことができる。釣って自慢できるのは、でっぷりと太ったフットボール体型だ。
サイズ
長さ重視派、重さ重視派とあるが、一般的には50cm以上が釣り人の目標。世界記録のウエイトは10.12kgだ。
なんでも食べる!
水中だけではなく水面や水面近くを飛ぶ昆虫を食べることもある。食欲は旺盛だ。
性格
一般的にはどう猛で大食いとされているが、実は繊細で好奇心が旺盛なのを知っているのが釣り人だ。
狩りは超本気!
ただし捕食時の動きはすさまじく、エサを追い詰めて水面を割ること(ボイルと呼ぶ)もある。
仲間
学術的にはスズキ目サンフィッシュ科オオクチバス。シーバス(スズキ)も広い意味では兄弟魚になる。
隠れファンも多い!?
ブルーギルもスズキ目サンフィッシュ科。体高があり同じサイズではバスよりも引きが強い。
スモールマウスバス(コクチバス)の特徴
ラージマウスバスに比べ、小さな口と茶銅色の虎柄が特徴で冷水や流水への適応する。成魚の体長は30~50cmほどであり、JGFA日本記録は52cm・2.72kgとなっている。
側線上部鱗数が11 ~ 13とラージマウスバスに比べ1.5倍近く多いため、持ち前の遊泳力と相まってエサやルアーを探す能力が非常に高い。1990年代はじめの桧原湖、1995年に野尻湖などで確認され、ルアーフィッシングの対象魚という観光資源として利用されている。
口
スモールマウスと呼ばれる所以でもある口。ラージマウスと比較して、多くの個体で上顎の端が目より後ろに到達しない。
模様
「虎柄」とも呼ばれるように、体側部にくっきりとした模様が複数本入ることが一般的。また、目の後方~下部にかけて、放射状に走る縞模様も特徴的だ。
食性
スモールの釣りが盛んな桧原湖や野尻湖は標高の高い山に囲まれたハイランドレイク。そのため、ベイトフィッシュや甲殻類の他、セミやガなどの落下昆虫も有力な捕食対象となっている。
スモールマウスバスが好む場所、そして性質
分布
私有地以外の水域でレジャーとしてキャッチ&リリースが認められているのは桧原湖と野尻湖のみ。どちらも標高が高く、サマーシーズンの避暑地としても盛んな地域のため、グルメや観光スポットなども豊富。
流れに強い
遊泳力が高く、流れにも強い。おまけに回遊性も高いので、動きの速さに翻弄されることも多い。
優れた探知能力
側線が発達しており、視力も高いため、餌やルアーを探す能力は非常に高い。
猛烈なファイト
同サイズのラージマウスバスに比べ、引きが強いのも特徴足元で垂直方向へ逃げていくのもスモールならではだ。
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