リールの右巻き左巻き、結局どっち?プロ10人にハンドル向きとギア比を聞いた。

2024 シーバス特集

津輕辰彦さんの場合【5.8or6.2|右投げ左巻き】

津輕辰彦(つがる・たつひこ)

スピナーベイトが十八番のハードベイター。ハードルアー限定の大会「H-1グランプリ」でマスターズカップを2勝している凄腕アングラー。

【ギア比】糸巻き量を調節して巻き取り量を統一しています。

巻きモノには6.2のノーマルギアと5.8のローギアを使い分けています。ノーマルギアはラインを少なく巻き、逆にローギアは目一杯ラインを巻いています。これには理由があって、ハイギアは糸巻き量を減らすことでギア比は下がり、逆にローギアは目一杯巻くことによって上がります。これによって巻き取り量が統一されるように調節しています。ワイヤーベイトや通常サイズのクランクベイトはノーマルギア、巻き抵抗が大きいルアーに関してはローギアを使用していますね。

【ハンドル】ロッドワークは利き手(右)、リーリングは反対の手(左)

右投げ、左巻き。

僕は右投げ左巻きなのですが、キャストするときは1フィンガーで、巻くときは4フィンガーに持ち替えて巻くようにしています。なぜ右投げ左巻きなのかというと、ロッドを持つ手は複雑な動きが必要になりますが、ハンドル側は「円運動」に終始するから、左手(私の場合は利き手と逆)を使っています。ハンドル長はすべて84mmに揃えています。ハンドルについてですが、短くなるほど手首で巻くようになり、長くなるほど腕全体を使って巻くようになります。僕は腕全体で巻く方が安定して巻き続けることができると思います。

水野浩聡さんの場合【ハイギア|両投げ左巻き】

水野浩聡(みずの・ひろあき)

中部地方のため池や大江川、長良川などをホームグラウンドとするスーパーアングラー。フィネスな釣りから撃ち、巻き、ビッグベイトまで多彩にこなす。

【ギア比】そのギア比がどれだけ自分の体に馴染んでいるかがキモですね。

巻きモノに関してはハイギアを使うことがほとんどです。例えばクランク、シャッドだとハイギアでゴリゴリ巻いちゃうと、ボトムにタッチする衝撃が強くてガツンとスタックしたりするんですけど、それも加味したうえで回避できる自分なりの巻き方があるというのが前提でハイギアを使っています。ギア比がどうこうというよりは、どれだけ自分にそのギア比や巻き方が馴染んでいるのかの方がルアーのポテンシャルが最大限に出せると思います。それがたまたま僕の場合はハイギアだったということですね。

【ハンドル】ノンカスタムで右巻きハンドルです。

両投げ、左巻き。

カスタムしたことは今まであんまりないですね。10年前とかはカーボンとかコルクノブとかを使っていた時期もありましたけど、結果ノーマルの巻き感が心地よくて慣れちゃいました。あと僕自身がスポンサード関係なく20年以上シマノ製のリールを使っていたこともあり、純正の右ハンドルという形に体がしっくり来ているということもあるので。やっぱり計算しつくされてあの形になったわけで。長年の慣れには誰も勝てないですね(笑)。

山田祐五さんの場合【ノーマルorハイギア|右投げ左巻き】

山田祐五(やまだ・ゆうご)

常にでかバスを本気で追い求めるその姿勢からついた異名が「北の鉄人」驚異のビッグバス捕獲率は多くの人を魅了し、でかバスハントの第一線に立ち続けている。

【ギア比】ハイギアのほうが細かいメリットがたくさんあるんですよ。

ダム湖で進みながら釣りをしたり、琵琶湖で止まって釣りをしたりするので、一概には言えないですけどハイギアを使用することが多いですね。深いところ(5~15m)はノーマルギアやローギアの方がレンジをキープして釣ることができますね。でもハイギアの方がちょっとしたメリットがたくさんあるんですよ。たとえばフッキングとかも決まりやすいし、手前に対して魚が走ってきたときもすぐに対処できますし。最初はノーマルギアで一定のレンジをキープする練習をしてからハイギアに切り替えていくのがオススメですね。

【ハンドル】左巻きの88mmに統一しています。

右投げ、左巻き。

ハンドルですが、左巻きの88mmにすべて統一しています。長年やってきて85~92mmぐらいが自分の中で使い心地が良かったので、間をとって88mmを使用していますね。僕はギア比でルアーのスピードを変化させたいタイプなんですよ。最近はメーカーによっていろいろなハンドルやギア比があるので、自分の中で混乱してしまうんです。80mmと100mmを同じ速さで巻くと80mmの方が早くなるじゃないですか。そういうことがややこしいのでハンドルは統一していますね。

吉田撃さんの場合【6.2メイン|両投げ左巻き】

吉田撃(よしだ・げき)

1982年生まれ。軽快なトークと、学生時代に野球で鍛えたフィジカルを武器に、リズムを刻むようにナイスフィッシュを手にしていくバスフィッシングエンターテイナー。

【ギア比】6.2がベース。季節や狙う水深でやや変更ありですね。

巻きの釣りでは6.2で統一していますね。季節によって巻き物のルアー選択って変わってくるじゃないですか。ベースは6.2で、冬のバイブレーションとかシャッドの速巻きで横のスピードで食わせたいときはギア比を7.0ぐらいに上げますね。最近ギア比が高いほどいいみたいな風潮があるけど、クランクなどのウォブリングで水の抵抗を受けるルアーってギア比が高いもので巻いても、負荷がかかり過ぎて巻けないわけじゃないですか。となると、使うルアーや状況によって適切なギア比を使い分ける必要性はあると思いますね。

【ハンドル】慣れているハンドルが釣れる巻き感を出せると思います。

両投げ、左巻き。

ハンドルとかノブとかはほとんどシマノのノーマルでやっているんですよ。基本的にあんまりカスタムとかしてこなかったタイプなので。昔から右巻きの純正ハンドルを使用してきたので、純正が馴染んじゃっている感じ。右巻きだからどうこうというよりかは、いかにそのリールが自分の体に馴染んでいるのかが重要な気がしますね。昔から使っているから、釣れる巻き感も分かっているので。

吉田遊さんの場合【5~7|右投げ右巻き】

吉田遊(よしだ・ゆう)

学生時代、野球で鍛えた強靭なリストを武器に、極めて精度の高いキャストを繰り出すパワーゲーマー。いくつになってもCHILD MINDを忘れず、人生を楽しむ達人である。

【ギア比】ルアーの本質的な動きが出せるギア比を選ぶといいね。

基本的にはローギアが多いですね。クランキングはギア比が5台、ワイヤーベイトやブレ―デッドジグ類はギア比6台で扱うことが多いです。シャッドになるとやっと7.0以上になりますね。ローギアのほうが、クランクベイトが120%の動きを出してくれるんですよ。ハイギアの方が速く巻き取れるけど、ルアーを引っ張り過ぎることが多くて。ローギアのほうがアクションを殺さずに本質的なアクションが出せると思っていますね。たとえば30m投げてルアーのピッチ数を数えるとローギアのほうが明らかに多いしね。

【ハンドル】速巻きをベースに状況で変化させます。

右投げ、右巻き。

リーリングは基本速巻きですが、状況でミディアム、スローにも巻きます。巻きモノはテンポが大事になってくるので、いかにリズム良く投げれているかも釣果の差に繋がると思いますね。僕は右投げ右巻き。昔から右巻きで馴染んでいるし、利き手で巻く方が安定感があるので右巻きを使用しています。


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