一般社団法人日本釣用品工業会、通称「日釣工」のLOVEBLUE事業って知ってますか?環境美化マークの入った釣具の売上のいち部を財源として、釣り界の発展や社会的地位の向上につながる活動を行っています。今回はその一例として、LOVEBLUEが支援するワカサギの釣り場作りを紹介致します
●文:ルアマガプラス編集部
LOVE BLUEの支援で労力は 1/10 以下に
人手不足や技術力を補って釣り場作りに貢献
4 月の声を聞くと、すでに ワカサギ釣りは 禁漁となった場所や 、 間も無く禁漁になる釣り場が多い一方で、湖の中ではワカサギの世代交代、つまり産卵行動が始まるタイミングでもあります。
LOVEBLUE 事業 で は 、 漁業協同組合等の団体が希望する ワカサギ増殖を目的 とした資機材 を支援しています。
人工ふ化器や自然産卵水槽は、それまで 人の手で 1 匹 1 匹のワカサギのお腹を絞って受精卵を作 ってきた方法から、ワカサギの習性を利用してストレス無く 自然に 産卵させ たり、 高いふ化率を実現する人工ふ化器といった専用機材が多く 、導入 後は様々な メリット が あるそうです。
そうした事例を、今回は群馬県桐生市にある梅田湖のケースとして、本事業の支援先である両毛漁業協同組合の 代表理事組合長・ 中島 淳志 さん に教わってきました。
両毛漁業協同組合代表理事組合長 中島 淳志さん
中島「ワカサギ卵はとても繊細で、ふ化器等は使用前・使用後に必ず洗浄・消毒をしないと卵にカビ
が発生して死滅する等のリスクがあります。支援いただいた資機材は組合事務所で大切に保管し、毎年のワカサギ増殖作業で 役立てています。おかげ様で梅田湖では、ワカサギの釣果が年々安定してきました」
中島「昨今はシーズン通して釣果の波が無くなってきており、 良く釣れるとお喜びいただいていっます。これは、 釣り人の皆さんがお支払いいただいた入漁料が増殖費用となり、 さらに LOVE BLUE 事業 からの ご 支援でより効果的なワカサギ放流が可能になりました。 もっと 魅力あるワカサギ釣り場にする為の取組みに、是非ご期待ください」
23年度は 10 束超 の釣果 を記録!支援後、安定した釣果をキープ
群馬県桐生市にある 両毛 漁業協同組合は、流域の渡良瀬川のアユ釣りや渓流釣りを中心に、草木湖と梅田湖でワカサギ釣りも管轄。特に梅田湖では、梅田湖観光 有 が貸ボート店を営業しており、ワカサギ釣りの他、ヘラブナ釣りや ルアーフィッシング等で大型ニジマスが狙える釣り場として、多くの釣り客で賑わ っています。
氷結しない同湖はシーズンを通してボートから狙うスタイルで親しまれ、 例年、 10 月上旬 に ワカサギ釣りが解禁。ダム湖の宿命として、季節毎に水位の増減があり、急峻な山間に囲まれていることで水 深が深く、ワカサギが釣れる棚(水深)が目まぐるしく変化する等、テクニカルな釣り場として 親しまれて きました。これまでも 両毛 漁協では 、 積極的なワカサギ増殖に取り組 んでいて、 その 1 つとして 2018 年度に本事業へご応募 。 支援後は、人工ふ化器を中心に活用しワカサギ資源の増殖に取組まれています。
増殖作業の労力は 1/10 以下となりふ化放流が可視化され釣果も安定
両毛漁協では、支援以前は各地の釣り場と同様に、ワカサギ卵の産地から受精卵を購入し、自作したショロ枠に受精卵を付着させて湖面に浮かべ、自然ふ化を待つという昔なが らの増殖方法 が 実践されてきました。
しかしこの方法 で は、 多くの人手が必要となることから、毎年人の手配・調整だけでもとても大変で、さらに 湖面に設置された受精卵が外敵から襲われやすかったりふ化 放流 の実態がほとんどわからない等のデメリットが多 かった とのこと。また、使用したシュロ枠は、次年度の為に全てキレイに洗って から 保管する必要があり、その作業だけでも数日掛かる重労働でした。
中島「 ワカサギ増殖は、実際の作業以外も大変な手間が掛かってましたから、 LOVE BLUE から ご支援いただいた後の労力は 1/10、いや、それ以下になりました 。 人手不足は漁協の大きな悩みの 1 つですけど、それが大幅に軽減されて、 釣り人の皆さんと 釣り界 から のご協力には本当に感謝しております!」
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