テンリュウからイカメタル専用ロッドの新シリーズ『ブリゲイド トバリ』がリリースされた。テンリュウ独自のテクノロジーからどのようなイカメタル調子が編み出されているのか? テンリュウスタッフの梅田晃司さんに解説いただいた。
●写真/文:ルアーマガジンソルト編集部
梅田晃司(うめだ・こうじ)
ブランクから国内自社工場で生産し、MADE in JAPANクオリティの高性能ロッドをリリースするテンリュウのスタッフ。イカメタル 、ジギング、タイラバなどのオフショアゲームにバスフィッシングもこなすマルチアングラーでもある。
ブリゲイド トバリの解説動画はこちら
誘いからやりとりまで「イカとのかけひきを楽しむ!」をコンセプトに開発
夜の帳が下りると盛り上がりをみせるイカメタルゲーム。ケンサキイカなどのツツイカ類を狙って全国各地で楽しまれ、コアなファンも多い。既存の専用ロッドも数々ある。ブリゲイド トバリはどんな違いをみせてくれるのか…? 気になるところだ。
梅田「大前提として、イカとのかけひきを楽しむ! これがブリゲイド トバリのコンセプトになります」
シェイクでイカを誘ったり、ティップに出る繊細なアタリをかけたり、のせたりといったイカメタル独特の釣趣が楽しめる?
梅田「そうです。あともう一つ、イカの引きを楽しむ。テンリュウ独自のマグナフレックス製法やC・N・T(カーボンナノチューブ。以下同)を使って、イカとのかけひきを高次元で楽しむために作ったのがブリゲイド トバリです」
ブリゲイド トバリ スペック表
品名 | タイプ | 全長 ( m [ft]) | 継数 (本) | 調子 | 仕舞寸法 (cm) | スッテサイズ (号/g) | 錘負荷 (号/g) | ライン (PE/号) | リアグリップ (mm) | 先径 (mm) | 自重 (g) | 使用繊維カーボン/グラス (%) | 本体価格 |
BT682B-L | B | 2.03[6’8″] | 2 | RS | 105 | 5-25号 (20-100g) | 8-30号 (30-120g) | 0.4-1.0 | 380 | 1.2 | 87 | 95/5 | ¥42,000 |
BT682B-M | B | 2.03[6’8″] | 2 | F | 105 | 8-35号 (30-135g) | 15-40号 (60-150g) | 0.4-1.0 | 380 | 1.2 | 88 | 96/4 | ¥43,000 |
BT642S-M | S | 1.93[6’4″] | 2 | F | 100 | 8-35号 (30-135g) | 15-40号 (60-150g) | 0.4-1.0 | 425 | 1.3 | 89 | 96/4 | ¥42,000 |
マグナフレックス製法とC.N.Tがイカメタル用に最適化されたしなやかなティップと軽快にシャクれるバットを実現
では、テンリュウ独自のテクノロジーのマグナフレックス製法とC.N.Tがイカメタル専用ロッドにもたらす効用とは?
梅田「まず、ティップですがマグナフレックス製法を使っています。マグナフレックス製法は弾性率の異なる素材やカーボン×グラスなどの異素材同士を、一本のプランクとして成形できる製法です」
通常はブランクを切ってつなぎ合わせるんですよね?
梅田「マグナフレックス製法によるロッドはティップもつなぎ目無しのチューブラーです。ブリゲイド トバリはティップに低弾性カーボンやグラスを使うことで、イカメタルに適したしなやかできれいに曲がる調子に仕上げられています」
ソリッドティップのイカメタルロッドが多い中、ブリゲイド トバリはチューブラーティップ。手感度も期待して良いということですか?
梅田「目感度と手感度でアタリが楽しめます。さらに全機種、ティップ部分のガイドはチタンフレームで軽量化しています。繊細なアタリがティップに出やすく、感度も上がります」
C.N.Tについては?
梅田「C.N.Tは軽量かつ粘り強いブランクが作り出せるマテリアルで、バット部分に採用しています。重めのスッテでも軽快にシャクリやすく、オモリグにも対応しやすい調子が出せて、大型のケンサキイカやスルメイカがきても安心してやりとりが楽しめます」
ブリゲイド トバリ全3機種で必釣の王道、“のせ”、“掛け”、“オモリグ”をカバーできる
ブリゲイド トバリはのせ重視のBT682B-L、掛け重視のBT682B-M、掛け地重視のスピニングのBT642S-Mの3機種をラインナップ。梅田さんが実釣時に感じたブリゲイド トバリ各機種の使用感や特徴を語る。
ブリゲイド トバリBT682B-L「乗せ重視のベイトタイプ」
梅田「BT682B-Lは3機種の中で唯一グラスフレックス製法で、ティップはグラスできれいな曲がりをみせます。ティップが非常にソフトで、船の揺れを吸収しやすく、喰わせの間でスッテやドロッパーを安定させやすい。触ればかかるのりやすさも備えています」
では、実際にはどういったタイミングやシチュエーションで使用することが多いのだろうか?
梅田「今回の実釣は、まさにこのブリゲイド トバリBT682B-Lがハマりました。仕掛けをスローに動かすために、粘りのあるロッドが威力を発揮しました。テンポ良く探れるMパワーと比較すると、効率は確かに落ちるんですが、一方でこのロッドのスローなアクションでしかとれないようなシチュエーションもあります」
ブリゲイド トバリBT682B-M「掛け重視のベイトタイプ」
梅田「こちらは掛け調子になります。ティップは低弾性カーボンで、テストでは40号のオモリグも試しましたが問題なくシャクれます。重めのメタルスッテやオモリグも軽快に操作することができ、アタリをとって掛けにいく釣りに最適なロッドです」
では、このブリゲイド トバリBT682B-Mが活躍する状況はどのようタイミングなのだろうか?
梅田「今回の実釣でも、このブリゲイド トバリBT682B-Mで釣果は得られたんですが、イカの反応が良かったのは、スローに仕掛けを動かせるブリゲイド トバリBT682B-Lでした。シーズン初期で、なかなか活性が上がり切らないような状況だと、キビキビと仕掛けを動かせるブリゲイド トバリBT682B-Mよりも、Lパワーのアクションが良かったのかもしれません」
梅田「逆に、ハイシーズンの高活性な状況だと、Mパワーでテンポ良く探り、手返し良く釣っていくという方が圧倒的に有利です。当日の状況に応じて、使い分けられると、より釣果を上げやすいと思います」
ブリゲイド トバリBT642S-M「掛け重視のスピニングタイプ」
梅田「低弾性カーボンのチューブラーティップを持つスピニングで、テストはオモリグメインで行いました。40号まで使うことができ、レングスは6ft4inというやや短めの設定で、オモリグをちょい投げするときに扱いやすさが感じられます。リアグリップが長めで脇挟みしやすく、シャクリややりとりが楽に行えます」
では、このスピニングモデルが活躍するシチュエーションは?
梅田「ベイトの場合は、ある程度バーチカルに仕掛けを投入するのがメインですが、このスピニングモデルなら、広範囲に探ることも可能で、船の明かりと暗闇の境界部分などを探るときにも有利です。バーチカルな探りで反応が得られない場合は、このスピニングモデルちょい投げで探るというのも効果的ですね」
テンリュウだからできる全身チューブラーのイカメタルロッド。しなやかさ、感度、軽快なシャクリなど、そのアドバンテージは夜の帳が下りると釣果となって現れるということだ。
【ブリゲイド トバリのインプレッション実釣ムービーを視聴する】
今回利用した船はコチラ!
今回の実釣で利用したのは、福井県敦賀市の竹宝丸さん。若狭湾でのイカメタル釣果実績が高く、リピーターも多い船宿だ。詳細は、下記リンクからチェック!
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