エギングの黎明期に、日本の職人の技術を使って『桐』のエギをデザイン、一斉を風靡したエギングの達人がいました。その達人はその後、別の釣りのエキスパートとしてその分野の釣りをひとつのジャンルにおしあげるレジェンドとなったのですが、その釣り人が、本当に久しぶりに『エギ』を手掛けることになったのです。今回は、その伝説のデザイナー新たに立ち上げたブランドと帰ってきた『桐』のエギをスクープしましょう!
●文:ルアマガプラス編集部(深谷真)
伝説のエギンガーの正体はアジングのレジェンド『家邊克己』さん
意外に思われた方も多いかもしれませんが、今回紹介するエギの設計者はアジングの名手として知られ、サーティフォーというライトゲームメーカーを率いる家邊克己さんなのです。アジングでは知ってるけどエギングもやるの?と思われた読者も多いことでしょう。
profile 家邊克己(やべかつみ)
海のルアー釣りの一大ジャンルとなった『アジング』の礎を作ったレジェンドアングラー。ライトゲームのイメージが強いが、古くはエギングをやり込みエギやロッドを開発しているエギンガーでもある。このたび、スクイッドクラフトというイカ釣りのブランドを立ち上げることになった。
現在、web、YouTubeチャンネルなど準備中。
実は、家邊さんはアジングを広める前はエギングの名手として知られ、以前在籍していたメーカーでは桐の木で作ったエギを開発して一世を風靡、エギングの腕は今の一線級のプロアングラーも凌駕する知見とテクニックをお持ちだったりします。
アジングの拘りすぎる側面を見ても、エギにそれが反映されてワケがない。
家邊『サーティフォーはライトゲームのブランドなので、スクイッドクラフトというイカのブランドを立ち上げようと思っています。すでにエギング用のエギはほぼ完成、あとはボートでのイカメタルなどの釣りに対応したアイテムを順次出していく予定です。元々は海外でイカメタルやエギングが人気なので、そちらに供給する予定だったのですが、国内でも昔の私の製品を知っていて、作るなら出して欲しいと言われることが多くなりまして』
ルアマガ『いつごろ、ローンチされる予定ですか?』
家邊『エギング用のエギは最終の形もほぼ決まりましたので、これから生産に入っていきます。本格的な製品のローンチはおそらく来年のフィッシングショー以降になると思います』
ルアマガ『まず、エギングをやるかたは気になっていると思いますが、『桐』のエギを手掛けるそうですね』
家邊『ええ、桐の動きはインジェクションでは出せないんですよ。唯一無二というか。昔、桐のエギを作っていた時に手伝っていた職人さんが現在は手が空いているということで、それならば、日本の職人さんの技術をちゃんと使った桐のエギを再び出せるなと思いまして。あと、今回はシンカーの形にこだわりました。いずれ映像で出せると思いますが、大きな入力がなくても、キレキレのダートをしますよ。なので初心者も扱いやすいエギだと思います』
ルアマガ『それが、このエギですか?』
家邊『はい。ひとつひとつを手で削って作るので量は作れませんが、他にはない唯一無二のものになると思います。国内の職人が作っている桐のエギは、おそらくインディーズ系以外では販売されてないと思いますよ、なので貴重。がんばって量産してもらいます』
既に初回生産分は注文がいっぱい。発売後は争奪戦必死のアイテムになるとは思いますが、安定供給できるように国内設備も順次整えていくという話。期待して待とう。
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