
チニングで人気のフリーリグ。似たリグは他にもあるし、独自のセッティングが推奨されているが、その理由は…?気になる疑問点をアーバンチニングの第一人者で、フリーリグのスタイルを普及させたもりぞーこと森浩平さんにお話をうかがった。
●文:ルアマガプラス編集部
【森 浩平(もり・こうへい)】
大阪府在住。アーバンチニングの第一人者で、クロダイ・キビレの年間キャッチ数は年間2000枚を越すことも。ベイトタックルスタイルとフリーリグの有効性にいち早く着目し、この釣りを普及させてきた。愛称はもりぞー。
チニング・バスフィッシング、フッキングの違い
チニングにおけるフリーリグでのワーミング、バスフィッシングと共通項の多い両ジャンルですが、微妙な違いも存在しています。フッキングのタイミングもそのひとつと言えるでしょう。
バスフィッシングの動画とかでよく見る「喰った…」からのロッド寝かせて送って(ラインたるませて)からの、のけぞりフッキング、実はコレ、チニングではNGです。というのも、すっぽ抜け率高いからです。
バスフィッシングの要領でフッキングをすると、フリーリグチニングではすっぽ抜けの原因に。
どういう事かというと、クロダイもキビレもルアーを咥えている時間がバスより短い印象なのです。完全にラインテンションを抜いてしまうと吐き出されてしまう確率が上がってしまう可能性が高いんです。もちろんチニングでも「間」を作る意識は大切ですが、バスのそれより短くする事を意識した方が吉。
自分はラインテンションを「抜いているけれど、抜ききっていない」ティップをONの状態にしておいて、しっかり咥えている事を感じながらフッキング動作に入る事を意識しています。
なお、ハードソリッドティップだと操作時のハリは担保しつつ、反発だけを殺す事が出来るのでONの状態をキープしやすいです(自分の監修ロッドにハードソリッドティップが多いのもそれが理由のひとつ)。
ラインの種類と魚との距離の違い
バスでは主にフロロラインを使用するのに対し、チニングはPEライン。比重の関係でPEは浮きがちになるうえに、魚との距離がバスの間合いよりも遠くなる傾向なので、フッキングにおける入力伝達ロスを極力減らすラインメンディングが大切になってきます。
チニングのメインラインには、フッキングのパワーを効率良く伝えるPEがおすすめ。
張り過ぎず、緩めすぎずの状態からラインテンションを抜かないように意識しつつベリーでフックポイントを口腔内に突き立て、ハンドルを巻く事でラインテンションをしっかり掛けて貫通させるイメージが大切です(そういった意味でもギア比の高い、ハンドル1回転の巻取長が大きいリールがオススメ)。
「シンカーストッパーを用いた半固定式のフリーリグなら、直リグと一緒じゃないですか?」
これホントよく質問されますが、結論から言うと全然違います。フッキングの成功率、ファイト中のバレにくさ、根掛かり回避率の3点において半固定式フリーリグのメリットが勝ります。
【フリーリグ解説イラスト】
フックに関しては、オープンなエリアではストレート、ゴロタ場やストラクチャーなどでは根掛り回避のために、針先をワームボディ内に隠せるオフセットタイプを選択する。
まずフッキングですが、パワーロスの元となる支点がフリーリグは1箇所(結び目)。直リグは2箇所(結び目と自由に動くフック)。特に直リグの固定されていないフックはパワーロスが大きく、特にテンションを抜いた状態から掛けに行った場合のフッキング成功率が著しく下がります。
ファイト中のバレにくさなど、半固定式フリーリグのメリットは多い。
バスの場合、直リグを使うシーン=ピッチングの間合い(接近戦)、それも、ボートや陸上など、上から引っ張ることが大半なので問題になりにくいのですが、チニングの場合はバスより間合いが遠い事が多いです。遠いと言う事は必然的に角度も付きにくいのでフッキングパワーの入力伝達ロスが大きく、致命的になる傾向にあります。
ファイト中のバレにくさ。メタルバイブなどがそうですが、魚が首を振ったときに重量物が口元にあるとバレやすいです。その点、半固定式のフリーリグだとファイト時はシンカーが離れてくれるので首を振ってもバレにくくなります。
半固定式のフリーリグは、ファイト中にシンカーがズレてくれるので、バレにくくなる。
根掛かり回避率もフリーリグ有利。構成パーツの点数故か、リグの姿勢故かシンカーストッパーを用いた半固定式のフリーリグのほうがスタックしづらく回避率高めです(完全フリーより半固定式のほうが更に回避率高め)。その他、スプリットリング式の直リグはシンカー交換やフック交換が手間ですし、かといってスナップ式だとファイト時に意図せず開いてしまってバレるリスクも。
フリーリグのほうがメリット多いのは分かったけれど、シンカーストッパーって必要?
→必要です
完全フリーだと先に着底したシンカーへのシンカーバイトが多発すること、ダイレクトなアクションが掛けにくいと言った事は以前も説明しましたが、それ以外にも根掛かり回避面でも半固定式が有利ですし、ランディング後にシンカーがノットの向こう側へ行ったり(PE+リーダーシステム故のトラブル)、ネットにぐちゃぐちゃにラインが絡まったり、イライラ募るストレスフルなトラブルを回避するためにもシンカーストッパーの使用をお勧めします。
ストッパーでシンカーを固定することで根掛りの回避率がUPする。